近刊検索 デルタ
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内容紹介
北ビルマでの米支軍との戦いは、退路を断たれ、苦戦を余儀なくされた。独歩患者は中隊から切り離され、経験のとぼしい見習士官を付けられて分進隊として転進する羽目に陥る。イラワジ河をにわかづくりの筏で下る際、敵機に襲われ、すさまじい火力で河面が叩かれる。各自中州までようよう泳ぎ着くが、そのさなか、伍長が胸の一突きで殺される。あの極限状態のさなかで、いったい誰が? 大河の両岸には百姓ゲリラが控え、中州からの脱出もままならない。籠城はできても3日。日本兵たちはやがて、一人、またひとりと命を落とす――。
中州を脱出してひとり安全圏の渡河点にたどりついた兵隊から転進の行程を聞いた下士官は、話に違和感を覚え、兵隊に銃をつきつける。「お前、足手まといになった連れをひとり残らず殺して転進して来ただろう」――転進の道で鬼とならざるを得なかった人間の弱さ、優しさ、哀しさ。人間存在のままならなさを静かに深く掘り下げた、サスペンスフルな戦争小説!
著者略歴
古処 誠二(コドコロ セイジ)
1970年、福岡県生まれ。2000年4月『UNKNOWN』でメフィスト賞でデビュー。資料精査の果てに、従来の戦記文学を超越した領域を切り開き続ける。2017年『いくさの底』で第71回毎日出版文化賞受賞。著書に『ルール』『接近』『七月七日』『遮断』『敵影』『メフェナーボウンのつどう道』『ふたつの枷』『ニンジアンエ』など。

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