近刊検索 デルタ

2018年1月18日発売

講談社

元禄六花撰

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内容紹介
野口武彦氏は前著『花の忠臣蔵』(講談社)でこう喝破しました。
「元禄人に目を据える。と、元禄の死者たちもひたと見返してくる。その眼差しは、同時代だからこそかえってものを見えなくする死角を突き抜けて、現代の迷路をくっきり照らし出すにちがいない」
 そして元禄という時代にこだわりつづける野口氏は、本書でさらにこう述べます。
「魅力と禁断の匂いが同時にした。それはたんなる江戸時代の年号のひとつではなくて、『元禄模様』『元禄小袖』『元禄見得』といった派手やかなイメージで彩られた時間の実体である。『花の元禄』と謳われる独特の蠱惑で人をさし招く。が、その花影には暗君・悪政・物欲・暴力といった危険がひしめいている。それは人を引き寄せながら撥ねつける、生のアンビヴァレンツだった。いわば『フグは食いたし、命は惜しし』という俗諺にも似た、ちょっと後ろめたい好奇心が人心をそそるのである」
 元禄の末期は地震に襲われ、宝永と改元され、将軍綱吉が没します。メディア、バブル経済、セックスとカネ……。この時代の諸相と現代とには、おそろしいくらいの共通性が読み取れます。本書は元禄の諸記録に分け入り、まさに終わろうとする平成と時空を往還しながら、いまなお日本人の心性の根底にあるものをあぶり出します。読み出したらやめられない六篇です。
目次
二流作家
大奥のオイチョカブ
カネに恨みは数々ござる
梅ヶ枝の手水鉢
お初観音経
曾根崎の女
著者略歴
野口 武彦(ノグチ タケヒコ)
野口武彦(のぐち・たけひこ) 1937年東京生まれ。文芸評論家。早稲田大学文学部卒業。東京大学大学院博士課程中退。神戸大学文学部教授を退官後、著述に専念する。日本文学・日本思想史専攻。1973年、『谷崎潤一郎論』(中央公論社)で亀井勝一郎賞、1980年、『江戸の歴史家─歴史という名の毒』(ちくま学芸文庫)でサントリー学芸賞受賞。1986年、『「源氏物語」を江戸から読む』(講談社学術文庫)で芸術選奨文部大臣賞、1992年、『江戸の兵学思想』(中公文庫)で和辻哲郎文化賞、2003年、『幕末気分』(講談社文庫)で読売文学賞を受賞。著書多数。最近の作品に『慶喜のカリスマ』『忠臣蔵まで』『花の忠臣蔵』(講談社)、『幕末明治 不平士族ものがたり』(草思社)などがある。

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