近刊検索 デルタ

2018年1月10日発売

講談社

幕末ダウンタウン

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内容紹介
慶応三年、京四条の河原町――鴨川の河原には葭簀張りの見世物小屋が建ち、川沿いには劇場の幟がはためている。その光景はつい最近新選組に入隊したばかりの濱田精次郎の目には嘘くさく映っていた。サムライたちが夜ごと血で血を洗っている激動の時代にしてはあまりにも平和に見えるからだ。その矛盾する様相に複雑な感慨を抱きながら大橋の欄干にもたれかかっていた精次郎へ声をかけてきた者があった。見ると、彼がかつて大坂船場の賭場で用心棒をしていた頃知り合った藤兵衛である。桂文枝という噺家であるこの男は、博打好きが高じて借金を抱えたあげく噺のネタを質草に取られ、その結果高座に上がれなくなり京へと流れてきたのだという。そのいきさつもさることながら人の気をそらさない話術によって、精次郎はいまだ手柄を立てられずにいる屈託をつい明かしてしまう。気の良い文枝はすぐさま協力を申し出るのだったが、その内容は驚くべきものだった。文枝は精次郎へ四条河原亭の舞台に立ち「新撰組小噺」をやるように進言したのである。そんなふざけた真似がサムライである精次郎にできるはずのものではない。しかし、寄席という場所はいろんな人間が出入りする、情報の宝庫だというのである。そこに身を置くことで長州や薩摩に関する有益な情報を掴める可能性があるのだとも。そして精次郎と文枝の前に長州藩士とつながりがありそうな絶世の美女・松茂登が現れる……。
著者略歴
吉森 大祐(ヨシモリ ダイスケ)
吉森大祐(よしもり・だいすけ) 1968年7月7日東京都文京区生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。93年に某電機メーカーに入社し、現在も在職中。大学時代より小説を書き始め、小説現代長編新人賞は今回で4回目の応募となる。都内在住。

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