近刊検索 デルタ
このエントリーをはてなブックマークに追加
内容紹介
芸術史のコペルニクス的転回。事物に従って生み出される、事物による事物の歴史。人のつくったすべての事物を芸術として扱うことで出現する単線的でも連続的でもなく、持続する様々な時のかたち。先史以前/以後の区分を廃棄。革命的書物、宿願の初邦訳。──岡崎乾二郎

形として美術をとらえるというこのもうひとつの定義は、もはや流行遅れとされている。しかし誰でも少し考えさえすれば、いかなる意味も形を持たなければ伝わらないということに思い至るだろう。どのような意味も、それを支えてくれたり運んでくれたり包んでくれたりするものを必要としている。それらは意味の運搬者であり、それらがなければ意味は私からあなたへ、あなたから私へ、あるいは自然界の一部から別の部分へとは伝わらない。
(中略)
あらゆる芸術の形の構造にも、似たような秩序があるにちがいない。しかしそこに象徴性の強い作品群が現れれば、その系統のなかでの形の規則的な進化に干渉し、混乱を生じさせることになるだろう。視覚的なイメージによる干渉はほとんどすべての芸術に存在している。このことは建築にも当てはまる。一般に建築は、イメージを表現しようとする意図を欠いていると思われているが、ある表現が次の表現へと導かれるときには、それが大昔のものであれ最近のものであれ、過去の名建築のイメージを典拠としているのである。
本書の目的は、シリーズやシークエンスのなかで持続する形態学的問題に注意を向けることにある。これらの問題は意味やイメージとは独立して生じる。これは、研究者たちが「単なるフォルマリスム」に背を向け、複雑にからみ合った象徴の歴史学的復元に向かって以来、四〇年以上にわたって誰も手をつけなかった問題なのである。──本書より(原書1962年刊行)
目次
序文 ―― 象徴、形、持続
第一章 事物の歴史 ―― 伝記の限界/歴史家の責務/現在性の本質/自己シグナルと付随シグナル
第二章 事物の類別 ―― 形のシークエンス/素形物と模倣物/つながる位置、時代、そして変化
第三章 事物の伝播 ―― 発明と変化/模倣/廃棄と維持
第四章 持続の種類 ―― 速い出来事、遅い出来事/時のかたち
結論 ―― 発明の有限性/形と表現の等価性
著者略歴
ジョージ・クブラー(ジョージ クブラー)
ジョージ・クブラー(George Kubler) 美学者・考古学者(1912~1996)
中谷 礼仁(ナカタニ ノリヒト)
中谷礼仁(なかたに・のりひと) 建築史家、歴史工学家、早稲田大学教授。1965年生まれ。
田中 伸幸(タナカ ノブユキ)
田中伸幸(たなか・のぶゆき) プロダクトデザイナー。1968年生まれ。
加藤 哲弘(カトウ テツヒロ)
加藤哲弘(かとう・てつひろ) 美学・美術比較論、関西学院大学教授。1953年生まれ。

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを利用しています。