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2018年2月28日発売

勁草書房

芸術と情報のあいだ

情報を描写するインフォグラフィックスの素描
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内容紹介
近年よく耳にする“インフォグラフィック”とは、どのようなものなのか?その機能や効果だけでなく、何をどう表現をしたら“インフォグラフィック”とみなされるのかという点に切り込むべく、誕生の歴史的背景から今後の活用展望について、芸術や科学の様々な分野を交えながら、その輪郭を浮き彫りにする。
目次
はじめに
 1.“人文知の構造化”Degital Humanitiesを考える
 2.抽出することの難しさ:浮世絵から見る附帯情報
 3.情報の“解釈・抽出・再構築”をひも解く
 4.本書について:全体の流れ

第1章 情報と“ずれ” ― 情報の再構築時に生じる認識の“ずれ”と藝術
 1.“昔話”の“花”を考える
 2.人と機械の“解釈・抽出・再構築”の違い
 3.藝術活動から“ずれ”を捉える
 絵画と情報 ― 絵画と写真の対峙について
 4.西洋美術と宗教絵画
 5.聖書の視覚的再構築
 6.絵画による現実の再構築
 7.カメラの誕生とその変遷
 8.機械と人の再構築の対立
 9.絵画は“うそつき”か?
 10.絵画における個人の“真実”の追究
 11.慣例・文化の違いによる“ずれ”
 舞踊と情報 ― 映像と記譜との関係性について
 12.静止画から映像へ
 13.“バレエ”の変遷と記録法
 14.記譜によるバレエの差別化とその変遷
 15.記譜に見る舞踊における“再構築”の“ずれ”
 16.様々な記譜法
 17.日本の舞踊から見る情報伝達手法の違い
 18.求められる“ずれ”の幅
 19.“ずれ”の再考

第2章 情報とその精度 医療情報における描写 ― 知識としての有用性について
 1.医学から見る“再構築”
 2.“知識体系”と“知識”
 3.時代により変化する医学の“知識体系”
 4.先史時代の医学“知識”
 5.“液体病理学”の合理性とは
 6.“液体病理学”における身体治療
 7.人体に関する初期の解剖学的知見
 8.大学組織の設立
 9.リベラル・アーツの学問体系
 10.天文学:マクロ―ミクロコスモにおける医学との対応関係
 11.収集される“稀有”
 12.解剖図譜の作制:求められる知識と描写力
 13.“人体”を再構築するにあたり求められる“解剖学的知識”
 14.知識と描写力の融合―“ファブリカ”の編纂
 15.カラーの解剖図譜の誕生と“知識”の対立
 16.想像力と分析の支配圏対立
 17.“知識体系”の“ずれ”が引きおこす、“純粋な視覚物化”

第3章 情報の蓄積 多様化する情報描写 ― 再構築の検討、メディカルイラストレーションを軸として
 1.科学的視点の獲得:天体望遠鏡から顕微鏡へ
 2.液体病理学から、細胞病理学へ
 3.工学技術の発展による医学領域への影響
 4.Narrativeな視点も含めた多角的な医療情報
 5.複雑化する知識体系:情報の蓄積がもたらす新たな“知識”
 6.“情報過多”が引きおこす課題
 7.情報の“独り歩き”のプロセス
 8.高度で専門的な情報の理解を求める知識基盤社会
 9.科学コミュニケーションにおける情報“受信”モデル
 10.科学コミュニケーションの歴史と変遷
 11.視覚的に情報を描写する:メディカルイラストレーションに見る情報精査
 12.解釈・抽出・再構築の成果物としての、インフォグラフィック・データビジュアライゼーション
 13.メディカルイラストレーションの定義を考察する
 14.3つの表現指標:表現の“幅”の考察
 15.求められる再構築時の“質”
 16.依頼者・作成者間コミュニケーションとビジュアルリテラシー
 17.位置付けの5分類:イラストレーションは情報に対し、どのような位置付けで作成されるのか
 18.視覚的に描写された情報の可能性

第4章 インフォッグラフィク、データビジュアライゼーションとは ― 歴史的な背景、現在における分類およびグレーな範囲について
 1.“括り”の内側と外側:“医療化”から見るグレーゾーン
 2.それぞれのレンズ:西洋美術のレンズから見た美術史
 3.求められる“質”と“量”:“ローマ美術”の様式は存在するか
 4.IG、DVの“括り”の内側:“量”と“質”を考える
 5.言葉の定義を再考する
 6.IGという名称付与以前をひも解く
 7.求められる数的、量的な情報の理解促進
 8.数値以外の情報を可視化する
 9.プロセスを明言するフレームワークの活用
 10.IGの大枠を例示する
 11.IGに括られる表現を歴史から探索する
 12.近代的IGの祖:コレラマップから読みとる発症分布
 13.『百科全書』から見るコレラマップ以前の蓄積情報の再構築
 14.暫定的なIGの定義の展望
 15.IGにおける表現“様式”を再考する
 16.IGとしての成果物を増化させる
 17.“量”から“質”へ

第5章 “色・形・モト” ― Information graphicsの“質”の判断
 1.“質”を問いなおす
 2.デッサンの事例から考える“色”と“形”
 3.器と酒の関係:“形”と“モト”を考える
 4.技術的な要素と知識的要素
 5.IGに見る“モト”と“色”の関係
 6.IGに見る“色”の過剰:純粋な視覚対象化する成果物
 7.IGの“質”を担保する、必要最低条件
 8.IGにおける“Beautiful”が示すもの
 9.認識の切り替えを探る機能的な状態から純粋な視覚物へ
 10.道具性と非道具性の“二重の視覚”
 11.求められる“量”の構築
 12.それは理論や言説によって確かめることも説明することもできない
 13.結び

おわりに
文献
人名索引
事項索引
著者略歴
原木 万紀子(ハラギ マキコ)
原木 万紀子(はらぎ まきこ) 2012年 東京藝術大学大学院美術研究科芸術学専攻美術解剖学研究室修士課程修了. 2016年 東京大学医学系研究科社会医学専攻医療コミュニケーション学教室博士課程修了. 博士(医学)取得. 2016年より, 立命館大学 共通教育推進機構特別招聘准教授. 修士在学時に解剖学と美術の知識を生かし, 形成外科・美容外科の医師の下, メディカルイラストの制作を担当. 医療や科学分野の情報伝達におけるビジュアルの効果・役割に関心を寄せ, 博士課程にて研究に従事. 現在は, ビジュアルを用いた科学コミュニケーションだけでなく, 米国で着手され始めた科学分野とArtを融合させ, 相互理解と創造性をはぐくむSTEAM(Science, Technology, Engineering, Art, and Mathematics.)活動の実施に向けた研究, および裁判員裁判における遺体写真の適切なイラストレーション化(科研)に従事している.

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。

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