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2018年2月26日発売

人文書院

アーレントのマルクス 労働と全体主義

労働と全体主義
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内容紹介
アーレントはなぜこれほどまでにマルクスを「誤読」したのか?



『全体主義の起源』発表後、アーレントはマルクス研究に没頭した。その成果は、七年後、『人間の条件』に結実する。アーレントはどのようにマルクスを読み、そこに何を見出したのか。誤読・曲解と評されるマルクス批判に、アーレントの可能性の中心を見出す、新鋭による力作。



「今日、再び全体主義の危機が到来しつつあるのだとすれば、その危機はわれわれの社会が抱える「労働」あるいは「雇用」の問題と深く結びつきながら、世界中でその姿を現わしつつあると見ることができるのではないか。「アーレントのマルクス批判」から導き出される「労働と全体主義」というテーマを深掘りしていくことによって、われわれはアーレント思想の新たな魅力とその現代的意義を引き出すことができるだろう。」(本書より)
目次
序章 いま、なぜアーレントなのか?
1 問題関心
2 先行研究
3 労働と全体主義
4 本書の構成

第一章 『全体主義の起源』と『人間の条件』のあいだ
1 アーレントのマルクス研究
2 労働が人間を創造する
3 「マルクス批判」から「西欧政治思想の伝統」批判へ
4 労働・仕事・活動の区別
5 「壁としての法」から「運動法則としての法」へ
6 資本主義と全体主義の通底性
7 マッカーシズムにおける「新たな全体主義」の危機

第二章 アーレントとマルクスの労働思想比較
1 「労働」と「仕事」の定義
2 近代における労働観の反転
3 マルクスは労働を「賛美」したか?
4 「労働」と「仕事」の境界線
5 マルクスの「アソシエイトした労働」
6 「キメラ化した労働」に抗して

第三章 労働・政治・余暇
1 マルクスの「はなはだしい矛盾」?
2 労働と政治からの二重の解放
3  「事物の管理」と「無人支配」
4 ナチス的余暇政策
5 〈労働する動物〉の勝利した社会
6 アーレントとマルクスの交差点

第四章 「社会的なもの」の根源
1 「自然なものの不自然な成長」とは何か
2 ノモスの決壊とピュシスの流入
3 円環的な自然の運動と直線的な人間の生
4 「社会的なもの」と「生政治」
5 「自然」と「労働」の必要性=必然性
6 「世界」と「社会」の対立

第五章 「余計なもの」の廃棄
1 資本の膨張と権力の膨張
2 「余計なもの」としてのモッブ
3 人種主義の導入
4 大国帝国主義、種族的ナショナリズム、汎民族運動
5 「余計なもの」としての無国籍者たち
6 人間を「余計なもの」にするシステム
7 全体主義の回帰?

第六章 〈労働する動物〉に「政治」は可能か?
1 労働者の公的領域への「現われ」
2  「始まりの出来事」としてのハンガリー革命
3 〈労働する動物〉と「労働者」の差異
4 「束の間のユートピア」としての評議会空間?
5 構成・憲法・国制
6 「活動」と「仕事」の補完関係

終章 「労働」から「仕事」へ
1 アーレントがマルクスから学んだもの
2 「労働」することと「仕事」すること
3 テーブルとしての「世界」
4 労働・仕事・活動の三角形バランス

あとがき

参考文献
著者略歴
百木 漠(モモキ バク)
百木 漠(ももき・ばく) 1982年生まれ。京都大学人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。現在、日本学術振興会特別研究員(PD)。共著に『現代社会理論の変貌 せめぎあう公共圏』(日暮雅夫・尾波瀬一郎・市井吉興編著、ミネルヴァ書房、2016年)、『大学生のための社会学入門』(篠原清夫・栗田真樹編著、晃洋書房、2016年)がある。

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