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2018年1月22日発売

人文書院

現代オリンピックの発展と危機1940-2020

二度目の東京が目指すもの
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内容紹介
それは輝けるレガシーなのか、あるいは巨大なお荷物なのか?


混迷を極める事態の本質を探る、オリンピック研究の第一人者による刮目の分析。



「クーベルタンによる理想化されたオリンピックの創設に始まり、さまざまなパワー・ゲームの展開、アマチュアリズムから商業主義といった転換を経過して、レガシーへとたどり着いたオリンピックが、再び混迷に向かい始めたという見立てが、現時点で本書がたどり着いた一つの結論である。(中略)私たちは引き続きオリンピックとともに歩む社会を見出していくのか、それとも別の価値観を創造し、オリンピックを必要としなくなる社会を導くのか、この分析はもう少し時間の経過とともに見守る必要があるだろう。その試金石とも言える東京大会は目前に迫っている。」(本書より)
目次
はじめに

第一章 オリンピックの誕生と伝統の創造
     近代スポーツの成熟と階級制度/アマチュアリズムの誕生
     「創られた伝統」としてのオリンピック

第二章 日本におけるオリンピックの受容──オリンピックが幻に変わるまで
     ストックホルム大会への初参加/大日本体育協会の創設
     東京オリンピックの招致が決定されるまで/東京オリンピックの返上──幻に至るまで

第三章 オリンピックと政治──ボイコットの時代
     パワー・ゲームとしてのナショナリズム/東京オリンピックとスポーツ界
     オリンピックボイコットの大規模化/ソ連のアフガニスタン侵攻
     レークプラシッドオリンピック/モスクワオリンピックボイコット
     一九八四年ロサンゼルスオリンピック

第四章 オリンピックとアマチュアリズム
     アマチュア資格と国際競技団体/アマチュアリズムの展開と受容
     日本とアマチュアリズム/カール・シュランツ追放問題/アマチュアリズムとアメリカ

第五章 オリンピックと商業主義
     オリンピック消滅危機の到来/ロサンゼルスオリンピック
     テレビ放映権料の高騰/一業種一企業制
     アメリカとオリンピック/商業主義は何をもたらしたのか──トップアスリートへの影響
     ルールの変更/IOCスキャンダル/ドーピングの発生/商業主義とは何か

第六章 オリンピックは本当に黒字を生むのか──一九七六年モントリオール/一九九八年長野
     モントリオールオリンピックが生み出した借金
     ロサンゼルス大会はオリンピックの何を変えたのか
     黒字を生んだとされる長野オリンピックの実際/長野大会の負の遺産
     なぜ検証は行われないのか

第七章 オリンピックと象徴的権力──二〇〇八年北京オリンピック
     コマーシャル・ゲーム/メディア権力の増大
     パワー・ゲーム──メダル獲得競争/グルジア紛争
     聖火リレーをめぐる混乱と開会式ボイコット/アスリートの抱擁

第八章 オリンピックレガシーの登場
     オリンピックと開催都市の新たな関係/アトランタオリンピックの失望
     オリンピックレガシーの創造/オリンピックゲームズ・インパクトスタディ
     「レガシーの創造」とオリンピック正当化の論理──ロンドンから東京へ

第九章 二〇二〇年東京オリンピックの行方
     なぜ今東京でオリンピックを開くのか/新国立競技場建設をめぐる混迷
     エンブレム問題をめぐる混迷/膨張が止まらない経費問題
     東京大会のレガシーとは/パワー・ゲーム──選手強化とメダル予測
     コマーシャル・ゲーム──炎天下の開催/震災復興=復興オリンピックの虚実
     惰性に流れる東京大会

おわりに

あとがき
著者略歴
石坂 友司(イシザカ ユウジ)
石坂 友司(いしざか・ゆうじ) 1976年北海道生まれ。筑波大学大学院博士課程体育科学研究科単位取得退学。博士(体育科学)。現在、奈良女子大学研究院生活環境科学系准教授。専門はスポーツ社会学、歴史社会学。共編著に『〈オリンピックの遺産〉の社会学 長野オリンピックとその後の10年』(青弓社)、『オリンピックが生み出す愛国心 スポーツ・ナショナリズムへの視点』(かもがわ出版)、共著に『21世紀のスポーツ社会学』(創文企画)、『幻の東京オリンピックとその時代』(青弓社)、論文に「東京オリンピックと高度成長の時代」(『年報・日本現代史』第14号)など。

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。

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