近刊検索 デルタ

2017年10月25日発売

白水社

死体展覧会

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内容紹介
現代アラブ文学の新鋭が放つ鮮烈な短篇集  アラビア語版がヨルダンで直ちに発禁処分を受け、ペンギン社から刊行された英訳版がPEN翻訳文学賞を受賞した、イラク出身の鬼才による14の短篇集。  「死体展覧会」:人を殺し、その死体をいかに芸術的に展示するかを追求する謎の集団。その幹部である「彼」は、新入りエージェントの「私」に心得を説く。「我々は狂信的なイスラーム集団ではないし、非道な政府の手先でもない」。そして「彼」は、〝陳腐な人道的感情〟に感染したあるエージェントの末路を語りだす……。  「アラビアン・ナイフ」:僕たちは「ナイフの術」で結びついた仲間だ。4人は目の前のナイフを忽然と消すことができ、ただひとり僕の妻だけが消えたナイフを取り戻すことができる。ナイフはこの国を覆う残虐さの象徴なのか? 謎はいっこうに解けぬまま月日は流れ、ある日、消息不明になっていた仲間の最期を知る男が訪ねてくる……。  独特の奇想が悪夢のように展開し、どれも忘れがたい幕切れを迎える。イラク戦争をめぐる文学において、米国の作家とはまったく異質な感性が登場したと高く評価され、20以上の言語に翻訳されている。作家は1973年バグダッド生まれ、現在はフィンランド在住。
著者略歴
ハサン・ブラーシム(ブラーシム)
1973年バグダッド生まれ。映像作家としてキャリアを積むが、政府からの圧力を感じ2000年にイラクを出国、2004年にフィンランドにたどり着く。2009年に短編集『自由広場の狂人』がイギリスで出版され(PENが主催する翻訳文学賞を受賞)、2014年には第二短編集『イラク人キリスト』が〈インディペンデント〉紙の外国文学賞を受賞している。一方でアラビア語版の出版はかなり遅れ、イギリスではアラブ文学を代表する作家として高い評価を獲得しながら、アラビア語では出版されない幻の作家という状態がしばらく続いた。
藤井 光(フジイ ヒカル)
1980年大阪生まれ。同志社大学文学部英文学科准教授。ジョンソン「煙の樹」、プラセンシア「紙の民」、R・カリー・ジュニア「神は死んだ」、ユーン「かつては岸」、ゴンザレス「ミニチュアの妻」(以上、白水社)ほか多数。ドーア「すべての見えない光」(新潮社)で日本翻訳大賞を受賞。

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