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2018年7月16日発売

法政大学出版局

個体化の哲学

形相と情報の概念を手がかりに
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内容紹介
いま世界的に注目される哲学者シモンドンの主著。フランス科学認識論の系譜にあり、ドゥルーズやスティグレールに多大な影響をもたらした大著の主論文が初邦訳。物理学、生物学、情報科学等の多様な事例に基づいて伝統的な「個体とは何か」という哲学的問いを革新し、「認識論および存在論に先立つ真の第一哲学」としての個体発生の知に迫る。技術と生命をめぐる未来の哲学の序章。
目次
緒 言
二〇一三年版についての注記
ジルベール・シモンドンの問題設定への手引き【ジャック・ガレリ】

『個体化の哲学──形相と情報の概念を手がかりに』

序 論

第一部 物理的個体化

第一章 形相と質料

Ⅰ 質料形相図式の基礎づけ──形をなす技術
1 個体化の諸条件
2 質料形相図式の妥当性。質料形相図式の曖昧な圏域──形をなすという概念の一般化──成形、鋳造、調整
3 質料形相図式の限界

Ⅱ 技術的な形をなすことの物理的な意義
1 技術的な形をなすことの物理的条件
2 隠伏的な物理的形相と質
3 質料形相の両義性

Ⅲ 個体化の二つの側面
1 個体化の基礎のリアリティと相対性
2 個体化のエネルギー的基礎づけ──個体と環境

第二章 形相とエネルギー

Ⅰ ポテンシャル・エネルギーと構造
1 ポテンシャル・エネルギーと系のリアリティ──ポテンシャル・エネルギーの等価性──非対称性とエネルギー交換
2 ポテンシャル・エネルギーの異なるオーダー──位相、安定的平衡、状態の準安定的平衡といった概念──タマンの理論

Ⅱ 個体化と系の状態
1 個体化と結晶の同素形──存在と関係
2 アモルフな状態からの結晶形の発生としての個体化
3 認識論上の帰結──関係のリアリティと実体概念

第三章 形相と実体

Ⅰ 連続と不連続
1 不連続性の機能的役割
2 連続体と不連続体の二律背反
3 類比による方法

Ⅱ 粒子とエネルギー
1 実体論とエネルギー論
2 演繹的プロセス
3 帰納的プロセス

Ⅲ 非実体的個体──情報と両立可能性
1 相対論の考えと物理的個体化の概念
2 量子論──連続と不連続からなる相補的側面を統合する物理学の基本操作という概念
3 波動力学における二重解の理論
4 物理的個体化のトポロジー、クロノロジー、大きさのオーダー

第二部 生物の個体化

第一章 情報と個体発生──生命の個体

Ⅰ 生命体の個体化の研究のための諸原理
1 生命の個体化と情報──組織化の諸レベル──生命的活動性と心理的活動

2 個体化のレベルの継続──生命的、心理的、超個体的

Ⅱ 種的形相と生命実体
1 種的形相という概念の不十分さ──純粋個体という概念──個体概念の非一義的性格
2 極性としての個体──内的発生の機能と外的発生の機能
3 個体化と生殖
4 生殖における個体化の条件としての未分化と脱分化

Ⅲ 情報と生命的個体化
1 個体化と情報の体制
2 情報の体制と個体間の関連
3 個体化、情報、個体の構造

Ⅳ 情報と個体発生
1 個体発生的問題設定の概念
2 個体化と適応
3 生命体の個体化のいくつかの制限──存在の中心的特性──集団的なものの本性
4 情報から意味作用へ
5 トポロジーと個体発生

第二章 心理的個体化

Ⅰ 知覚的な単位の個体化および意味作用
1 知覚的諸単位の分凝──発生的な理論と全体論的把握の理論──よい形の決定論
2 心理的緊張と準安定性の程度──よい形と幾何学的な形──平衡のさまざまなタイプ
3 知覚の諸単位の分凝と個体化の他のタイプとの関係──科学技術と心理学における準安定性と情報理論 
4 心理的個体化の表象における量子的変化という概念の導入
5 知覚的問題設定──情報量、情報の質、情報強度

Ⅱ 個体化と感情的なもの
1 意識と個体化──意識の量子的な特徴
2 感情的な下意識の意義
3 コミュニケーションと表現における感情的なもの
4 超個体的なもの
5 不 安
6 感情的な問題設定──感情と情動

Ⅲ 個体発生の問題設定と心理的個体化
1 個体化の基準としての意味作用
2 環境への関係
3 個体化、個性化、人格化──実体二元論
4 心理的な個体化の説明における適応概念の不十分さ
5 個体化における反省の問題設定
6 心理的個体発生の必然性

第三章 超個体的なものの基礎と集団的個体化

Ⅰ 個体的なものと社会的なもの、グループの個体化
1 社会的時間と個体的時間
2 内部グループと外部グループ
3 関係システムとしての社会的リアリティ
4 人間の本質概念と人間学の不十分さ
5 グループ個体という概念
6 グループ個体における信念の役割
7 グループの個体化と生命の個体化
8 個体的リアリティと精神的リアリティ──存在の諸位相

Ⅱ 意味作用の条件としての集団的なもの
1 主体性と意味作用、意味作用の超個体的特徴
2 主体と個体
3 経験的なものと超越論的なもの──前批判的存在論と個体発生──網膜像差を乗り越える意味作用としての集団的なもの
4 超個体的なものの中心的操作圏域──情動の理論

結 論

文献一覧
監訳者あとがき
訳 注
事項索引
人名索引
著者略歴
ジルベール・シモンドン(シモンドン ジルベール)
(Gilbert Simondon) 1924年生まれ。1958年に博士論文を提出後,ポアティエ大学,リヨン大学,ソルボンヌ大学,パリ第五大学で教鞭をとった。1989年死去。個体化論と技術論の哲学として知られるシモンドンの思想は,ジル・ドゥルーズや,ジョルジュ・フリードマンの著作のなかでしばしば言及されており,ベルナール・スティグレールにも影響を与えた。博士論文の副論文にあたる『技術的諸対象の実在様態について』(1958年)は,現代では技術哲学の古典的著作の一つと目されている。2005年に博士論文全体が一冊の著作として出版されて以降,現在までに講義録もいくつか出版されている。1989年没。
藤井 千佳世(フジイ チカヨ)
中京大学国際教養学部助教。共著に『主体の論理・概念の倫理─20世紀フランスのエピステモロジーとスピノザ主義』(以文社,2017年),論文に「スピノザとカンギレム──生の規範から倫理的範型(exemplar)へ」『哲学』第64号(日本哲学会,2013年)など。
近藤 和敬(コンドウ カズノリ)
鹿児島大学法文教育学域法文学系准教授。著書に『構造と生成I カヴァイエス研究』(月曜社,2011年),『数学的経験の哲学─エピステモロジーの冒険』(青土社,2013年),共編著に『主体の論理・概念の倫理』(以文社,2017年)など。
中村 大介(ナカムラ ダイスケ)
豊橋技術科学大学准教授。共著に『主体の論理・概念の倫理』(以文社,2017年),論文に「カヴァイエスにおける学問論と論理学」『哲學』第64号(日本哲学会,2013年),「シモンドンの技術論におけるイマージュと構想力」『フランス哲学・思想研究』第16号(日仏哲学会,2011年)など。
ローラン・ステリン(ステリン ローラン)
(Laurent Stehlin) ローザンヌ大学卒業,京都大学と大阪大学に留学。とりわけシモンドンによる個体の観点に興味をもち,西田幾多郎との接点を研究。現在は翻訳者として活動中。著書にMondes du soi et lieu des mondes chez Nishida Kitarô(Peter Lang, 2008年),論文に「西田幾多郎における個物概念の発生」(『愛知:φιλοσοφια』第22号,2010年)など。
橘 真一(タチバナ シンイチ)
大阪大学人間科学研究科博士後期課程単位取得満期退学。研究ノートとして「ジルベール・シモンドンにおけるinformationの概念について」『年報人間科学』第33号(大阪大学人間科学研究科,2012年)。論文に「シモンドンにおけるトランスダクションの概念について」『フランス哲学・思想研究』第17号(日仏哲学会,2012年)など。
米田 翼(ヨネダ ツバサ)
大阪大学人間科学研究科博士後期課程。論文に「ベルクソンとヴァイスマンの遺伝論」『フランス哲学・思想研究』第21号(日仏哲学会,2016年),翻訳にポール=アントワーヌ・ミケル「外界の存在について」『ベルクソン『物質と記憶』を解剖する』(書肆心水,2016年)など。

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。

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