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2018年1月26日発売

みすず書房

三月十五日 カエサルの最期

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内容紹介
物語は紀元前45年の手紙に始まる。この時カエサル(前100-前44)はガリア征服戦争を完了の後ルビコン川を渡ってイタリアに侵入、ひきつづく内乱を制し、あらゆる政敵を倒し、古代ローマ帝国の最高権力者となっていた。
自信と才気にみちあふれ、誰をも魅了するオーラをまとった覇者カエサルのまわりには、軍人、政治家、祭司はもとより文化人、名家の美女など思惑を秘めた多彩な人物たちが蠢いていた。詩人カトゥッルス、妻ポンペイア、魔性の女クローディア、その弟の無法者クローディウス、エジプト女王クレオパトラ… 互いのあいだで交わされる心理ゲームのような手紙のやりとりが、暗殺までの8ヶ月を描きだしてゆく。
書中、カエサルが唯ひとり本心を明かすのは、無二の友トゥリヌスだ――「思うに、軍隊の指揮官や、国家の指導者の孤独より深い孤独は一種類しかない。それは詩人の孤独だ……」。頂点に立つ者の運命を知ったとき、自らの声のみにしたがって生きてきたカエサルの心は揺れ始め、不可知の存在に目を凝らし始める――。
人間の本性をテーマに数々の名作を織り成したアメリカ演劇・文学界の巨星ソーントン・ワイルダーが’いつかこの手で描きたい’とあたためてきた人物がカエサルだった。1948年に刊行されて以降、版を重ね、長く読み継がれてきた現代の古典である。
目次
序言 (カート・ヴォネガット・Jr)
まえがき

第一巻 クローディアの晩餐会
第二巻 女王クレオパトラのレセプション・パーティー
第三巻 善き女神秘儀冒涜事件
第四巻 三月十五日 カエサル最期の日

訳注
本作成立のあらまし (タッパン・ワイルダー)
資料
訳者あとがき
著者略歴
ソーントン・ワイルダー(ソーントンワイルダー)
1897-1975。新聞編集者の父とイタリア語翻訳家の母のもと、ウィスコンシン州マディソンに生まれる。イェール大学で学士号を取得(1920)の後、ローマのアメリカン・アカデミーでイタリア語と考古学を学ぶ(1920-21)。プリンストン大学でフランス文学の修士号を取得(1926)。フランス語の教師を務めた後、本格的に劇作、小説、翻訳などを手がけるようになる。小説『サン・ルイス・レイの橋』(1928)戯曲『わが町』(1938)『危機一髪(ミスター人類)』(1943)で三度ピューリッツァー賞を受賞。その他、その業績に対してドイツ出版協会平和賞(1957)、大統領自由勲章(1963)を、小説『八日目(The Eighth Day)』で米国芸術アカデミーのフィクション部門金賞(1968)を授かるなど、多数の賞を受賞している。
志内一興(シウチカズオキ)
1970年東京に生まれる。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学(単位取得)。博士(文学)。専門は古代地中海世界史。中央大学兼任講師他。おもな著書に『ラテン語碑文で楽しむ古代ローマ』(共著、研究社)。訳書に、ゲイジャー『古代世界の呪詛板と呪縛呪文』(京都大学学術出版会)、ロム『セネカ 哲学する政治家』(白水社)、ワイルダー『三月十五日 カエサルの最期』(みすず書房)。

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