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2017年10月19日発売

みすず書房

最後のソ連世代

ブレジネフからペレストロイカまで
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内容紹介
強大で安定した体制だと誰もが思っていたソ連が突然ガタガタになり、あっという間に消えてしまった。ソ連崩壊とは一体何だったのだろうか? その鍵はブレジネフ期にあった。何も起こらなかったと言われたこの時代が、着々と崩壊を準備していたのだ。しかも内側から。 真実‐虚偽、本音‐建前、抑圧‐抵抗という従来の図式では、ソ連を生きるということは説明できない。若者は西側のロックに夢中になり、それを共産主義の言葉で説明する。党はジャズをブルジョア文化と決めつけたかと思うと、抑圧された者の芸術だとする。 党も人びとも、ソ連というシステムを再生産し、それによってシステムの中身が脆弱化していった。ソ連が永遠に続くと思いながら、崩壊を自然に受け止めるという、ソ連の人びとに共通した感覚は、ソ連システム自体が生み出したものだといえる。 はじめてソ連社会を内側から照らし出した書物として、本書は英語圏とロシアで大きな反響を得た。ソ連を知る必読書。 ――間違いなく後期ソ連に関する最高傑作だ。歴史研究であるばかりか、本物の文学作品を読むような満足も味わえる。 スラヴォイ・ジジェク
目次
第一章 後期社会主義  ソビエト的主体と予想外のシステム崩壊 第二章 形式のヘゲモニー  スターリンの予期せぬパラダイム・シフト 第三章 転倒するイデオロギー  規範と詩学 第四章 ヴニェで生きる  脱領土化された生き方 第五章 想像の西側  後期社会主義のヴニェ空間 第六章 色とりどりの共産主義  キング・クリムゾン、ディープ・パープル、ピンク・フロイド 第七章 ヴニェの皮肉  ネクロリアリズム、スチョーブ、アネクドート 結論 訳者解説  ずっと続くと思ってた、すべてが終わるその日まで――最後のソ連世代の文化人類学的考察に寄せて 原註 文献一覧 索引
著者略歴
アレクセイ・ユルチャク(アレクセイ ユルチャク)
1960年、ソ連レニングラード市(現ロシア、サンクト・ペテルブルグ市)生まれ。カリフォルニア大学バークレイ校人類学准教授。ブレジネフ期のソ連で少年時代を過ごし、大学では電波物理学を専攻。1980年代半ばからロック・バンド「アヴィア」のマネージャーをしていたが、ソ連解体直前にアメリカに渡り人類学者となる。著書Everything Was Forever, Until It Was No More: The Last Soviet Generation 〔『最後のソ連時代』半谷史郎訳、みすず書房〕で2007年にAAASS(米国スラヴ研究学会)のVucinich Book Prizeを、2014年にロシアの啓蒙家賞を受賞した。
半谷史郎(ハンヤシロウ)
1968年愛知県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了。現在、愛知県立大学外国語学部准教授。専攻はロシア史。訳書にディビッド・ウルフ『ハルビン駅へ』(講談社、2014)、テリー・マーチン『アファーマティヴ・アクションの帝国――ソ連の民族とナショナリズム 1923年~1939年』(明石書店、2011)、アレクセイ・ユルチャク『最後のソ連世代――ブレジネフからペレストロイカまで』(みすず書房、2017)などがある。

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