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2023年3月16日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

生活保護と外国人

「準用措置」「本国主義」の歴史とその限界
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内容紹介
日本在留の外国人には生活保護法に基づく保護は認められていないが、「準用措置」が一定範囲の外国人に対して行われている。本書は、とりわけ日韓会談における在日韓国・朝鮮人への生活保護適用の交渉過程を精査し、外国人保護の形成・展開について分析する。
目次
序論 問題意識
 困窮化する外国人
 「帰れない」「生きていけない」仮放免者
 本国からも居住国からも保護を受けられない外国人

第1章 生活保護と外国人
 1.外国人保護の現状
  (1)外国人保護の運用と課題――通知に基づく準用措置による保護
  (2)被保護外国人の現状
  (3)外国人保護に関する判例
 2.先行研究と研究目的
  (1)法的観点による外国人に対する生活保護法の適用をめぐる議論
  (2)本国主義と居住地主義
  (3)研究課題の設定
  (4)研究方法と資料
  (5)定義
  (6)章構成

第2章 生活保護法制定と外国人保護――1950年を中心に
 1.はじめに
 2.旧生活保護法と外国人
  (1)旧生活保護法における外国人の取扱いと被保護外国人の状況
  (2)被保護欧米人に対する優遇措置
  (3)旧生活保護法と在日朝鮮人
 3.生活保護法制定と外国人保護
  (1)生活保護法制定
  (2)1950年6月通知
  (3)1950年11月通知
 4.小括

第3章 日韓会談と外国人保護――1950年代~1960年代を中心に
 1.はじめに
  (1)研究目的
  (2)日韓会談文書
  (3)先行研究の検討
  (4)構成
 2.予備会談
  (1)日韓会談の開催
  (2)真っ向から対立する日韓の見解
  (3)在日朝鮮人の置かれていた状況――帰国の困難
  (4)小括
 3.第一次日韓会談
  (1)韓国側見解
  (2)厚生省見解
  (3)日本側妥協案と頓挫
  (4)韓国側新提案
  (5)退去強制・保護適用・帰国奨励金
  (6)厚生省による外国人保護法案
  (7)第一次日韓会談の結末
  (8)小括
 4.第二次・第三次日韓会談
  (1)サンフランシスコ講和条約発効と外国人保護
  (2)厚生省見解
  (3)日韓見解
  (4)日本側委員と厚生省による帰国奨励金の具体的検討
  (5)第二次・第三次日韓会談の結末
  (6)小括
 5.日韓会談中断期・第四次日韓会談
  (1)1954年通知の発出
  (2)被保護朝鮮人「適正化」政策
  (3)第四次日韓会談
  (4)北朝鮮帰国事業
  (5)小括
 6.第五次日韓会談
  (1)退去強制
  (2)保護適用
  (3)帰国奨励金
  (4)小括
 7.第六次・第七次日韓会談
  (1)保護適用
  (2)日韓法的地位協定と非協定永住者
  (3)在日朝鮮人以外の外国人に対する対応
  (4)小括
 8.まとめ

第4章 国際人権規範・1990年口頭指示と外国人保護――1970年代後半以降を中心に
 1.はじめに
 2.国際人権規約・難民条約と外国人保護
  (1)国際人権規約が外国人保護に与えた影響
  (2)難民条約が外国人保護に与えた影響
 3.1990年口頭指示以前の外国人保護――1980年代を中心に
  (1)外国人の状況と入管法改正
  (2)外国人保護の状況
 4.1990年口頭指示とゴドウィン訴訟
  (1)1990年口頭指示前の厚生省見解
  (2)1990年口頭指示とゴドウィン訴訟における厚生省見解
  (3)1990年口頭指示をめぐる厚生省と自治体の相違
  (4)仮放免者に対する保護規定
  (5)1990年口頭指示による困窮外国人への影響
  (6)在り方委員会における厚生労働省の見解
  (7)在留期間更新ガイドラインと被保護外国人
 5.小括

第5章 通知に基づく準用措置による保護の限界――2000年地方自治法改正による影響の検討
 1.はじめに
 2.地方分権化と外国人保護
  (1)地方分権一括法施行前後の状況
  (2)旧地方自治法と外国人保護
  (3)地方自治法と外国人保護
 3.地方自治体と外国人保護
  (1)排外主義運動と外国人保護
  (2)住民監査請求・裁判の検討
 4.通知に基づく準用措置を行い続けることの限界

終章 本国主義の困難と限界
 1.本国主義の明示
 2.本国主義の模索
  (1)日韓会談による影響――54年通知に基づく準用措置の継続
  (2)「単行法」の意味
 3.国際人権規範による本国主義の抑制
 4.本国主義への揺り戻し
  (1)稼働能力活用を準用措置の判断軸とする法的妥当性
  (2)本国主義に基づく準用措置対象者の制限
  (3)厚生省・厚生労働省の広範な裁量
 5.通知に基づく準用措置による保護の限界
 6.おわりに
  (1)本研究の課題
  (2)今後の外国人保護の可能性

 参考文献
 資料一覧

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 著者紹介
著者略歴
大澤 優真(オオサワ ユウマ oosawa yuuma)
1992年 千葉県生まれ 2021年 法政大学大学院人間社会研究科人間福祉専攻修了 博士(人間福祉) 現在 一般社団法人つくろい東京ファンド生活支援スタッフ/NPO法人北関東医療相談会事務局スタッフ・理事/法政大学多摩共生社会研究所大学院特任研究員/大学非常勤講師 〔主要著作〕 「地方自治体による外国人保護――通知に基づく保護の限界」『社会政策』12(1)、2020年 『外国人の生存権保障ガイドブック――Q&Aと国際比較でわかる生活保護と医療』明石書店(共著)、2022年 『ハウジングファースト――住まいからはじまる支援の可能性』山吹書店(共著)、2018年など。
タイトルヨミ
カナ:セイカツホゴトガイコクジン
ローマ字:seikatsuhogotogaikokujin

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