近刊検索 デルタ

2018年1月18日発売

芦書房

衰退する米国覇権システム

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内容紹介
経済・軍事・政治文化など過度に拡張した米国の覇権システムは様々な分野で衰退の現象を呈し、縮小再編成またはそれ以上の対応に迫られている。 2008年リーマン・ショック以来、米国経済は深刻な構造的脆弱性を抱えたまま、ただ単に延命しているものの今だ再生はしていない。その結果、現状では米国は他を圧倒する軍事力を有しているが、その軍事覇権は財政力の点から考えると将来にわたって維持できない可能性が高まっている。他方、経済のグローバル化の結果、世界規模で、また各国家社会でも深刻な経済社会的二極化が進行し、その状況に乗じたイスラム・テロリストがリベラル民主制に執拗なテロ攻撃を加えるという形で米国の政治文化覇権に挑戦するようになった。 本書では、これらの米国における経済覇権、軍事覇権、政治文化覇権の三つのサブシステム全般に広がる動揺とその波紋について検証する。 まず第一に、米国の経済覇権サブシステムが金融、貿易、そして開発の側面において、極めて大きな矛盾を抱え、動揺が顕著になっていることを明らかにする。また米国は厳しい財政的制約に直面して、軍事力の限定的な量的削減と質的強化を組み合わせた縮小再編成によって何とか軍事覇権サブシステムの動揺を抑え、軍事的優位性を保とうと模索しているさまを核戦力、通常戦力、軍事同盟の観点から展望する。さらに、リベラル民主制に対するイスラム過激派のテロ攻撃を取り上げ、米国の経済覇権と軍事覇権の二つのサブシステムの動揺が米国の根幹を揺るがす政治文化覇権サブシステムの動揺を惹起させていることなどに論究する。 またトランプ政権誕生により、よりいっそう米国覇権の相対的凋落に直面した日米同盟のゆくえや日本の安全保障などについても考える。
目次
序論 第一部 経済覇権サブシステムの動揺 第1章 金融分野:米国の国内金融制度の脆弱性 第2章 貿易分野:日本はTPPを批准すべきか 第3章 開発分野:綻びを見せる米英の「特別な関係」 第二部 軍事覇権サブシステムの動揺 第4章 核戦力:日本による核武装の是非 第5章 通常戦力:中国の過大評価された軍事能力とそのイメージ操作 第6章 軍事同盟:日豪同盟の幻影 第三部 政治文化覇権サブシステムの動揺 第7章 基本的原因:イラク戦争と日中戦争の類似性 第8章 先入観:先進文明による介入 第9章 対処法:リベラル民主制と文化相対主義の弱点 ○補論1 トランプ政権の誕生と日本の安全保障 ○補論2 トランプ大統領と既存体制勢力との深まる対立
著者略歴
松村昌廣(マツムラマサヒロ)
1963年、神戸市生まれ。 関西学院大学法学部政治学科卒。米オハイオ大学にて政治学修士号(MA)、米メリーランド大学にて政治学博士号(Ph.D.)。 現在、桃山学院大学法学部教授、平和・安全保障研究所研究委員、防衛省行政事業レビュー外部有識者。 この間、ハーバード大学オーリン戦略研究所ポストドクトラル・フェロー、米国防大学国家戦略研究所客員フェロー、ブルッキングス研究所北東アジア政策研究センター客員フェロー、国際安全保障学会理事などを務めた。 専門は国際政治学、国家安全保障論。研究の焦点は日米同盟政策、防衛産業政策、軍事技術開発政策、軍事情報秘密保全政策など。2001年国際安全保障学会最優秀論文賞(神谷賞)、2005年同会防衛著書出版奨励賞(加藤賞)受賞。 著書に『日米同盟と軍事技術』(勁草書房)、『軍事情報戦略と日米同盟』(芦書房)、『米国覇権と日本の選択』(勁草書房)、『軍事技術覇権と日本の防衛』(芦書房)、『動揺する米国覇権』(現代図書)、『東アジア秩序と日本の安全保障戦略』(芦書房)、『米国の覇権凋落と日本の国防』(芦書房)ほか多数。

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