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2017年9月15日発売

慶應義塾大学出版会

国民視点の医療改革

――超高齢社会に向けた技術革新と制度
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内容紹介
“利用者本位”の制度設計を考える 従来の医師・病院、薬局など医療提供者側からの視点だけでなく、利用者=患者側の便益にも、より配慮した制度設計――医療提供体制、保険外併用 療養費制度、遠隔診療、医療情報の医療機関間での共有、今後の薬局のあり方など――の推進によって健康寿命延伸、健康関連産業の発展、医療費 増加抑制へと結びつけることを提言する。 ▼ 著名エコノミストが斬り込む、医療改革の課題と対処法! ▼ 徹底した需要者(=国民)の視点から医療制度の要改良点を焙り出す! ▼ 医療IT化の本格化や混合医療の認可等、喫緊の課題を論じる。 医療サービス提供者(医師、薬品メーカーなど)や政策担当者ではなく、需要者としての一国民の視点から現代日本の医療制度における改良点を具体的な事例を紹介しながら検討。また、超高齢社会に向けて大転換を迫られる日本の医療を幅広いテーマから論じ、提言を行う。
目次
第1章 本書の検討の視点  1 急速な環境変化と医療制度への示唆  (1) 人口動態の変化と健康寿命への願い  (2) 将来の医療に対する不安とこれをサポートするIT技術の発展  2 本書の検討の視点:三つのポイント  (1) 医療需要者、利用者の視点にも、より配慮した医療制度へ  (2) 医療の発展、健康関連産業の発展を目指して  (3) 医療の持続可能性を確保する  3 医療制度改革の日本経済における意義  (1) 医療制度改革の近年の経済政策における位置づけ  (2) 健康医療分野への政府の関与の手法――概念的整理と課題   第2章 医療の利用者である国民の視点に立った健康増進、医療機会の提     供  1 国民の視点からみた保険外併用療養費制度の改革  ――保険外診療と保険診療を併せて受けると、なぜ、保険診療分まで全    額自己負担しなければならないのか  2 安心できる地域医療提供体制の整備  (1) 病床規則や地域保健医療計画をめぐる今後の課題   ――病床数が西高東低であったり、急性期病院が増え続けてきたのは     なぜか  (2) 穏やかな看取りを可能にするために   ――看取りのために終末期の患者の病院への移動を余儀なくされるの     はなぜか  (3) 遠隔診療のメリットを活かす時代へ   ――遠隔診療がなかなか進まなかったのはなぜか  3 患者がメリットを実感できる医薬分業とは  ――院内処方よりも院外処方のほうが患者のコスト負担が大きくなって    いるのはなぜか  (1) 医薬分業の歴史と現状  (2) 医薬分業と医療費の関係   ①調剤報酬と薬剤費、医療費の関係   ②調剤報酬の構造  (3) 医薬分業によって医療の質は上がったのか  (4) 今後の在り方  4 セルフメディケーションをサポートする薬局への転換  (1) 一般用医薬品のITを活用した販売の禁止規制の緩和と今後の課題   ――なぜ薬剤師がITを活用して一般用医薬品を販売できなかったのか  (2) 薬局における薬剤師の常駐義務規制の緩和   ――薬剤師が不在の時間に、資格を持つ登録販売者がいても薬局で第     二種、第三種の薬品を買えないのはなぜか  (3) 一般用医薬品の広告規制の見直し   ――「虚弱体質」とはどういう意味か  (4) 医療用検査薬のOTC化への道   ――薬局で販売される検査薬の種類が、長年3種類しかなかったのは     なぜか  5 機能性表示食品制度  ――トクホなどを除いて食品の健康増進効果を表示してはならなかった    のはなぜか  【コラム①】包括払い方式と出来高払い方式  【コラム②】PHMに基づく地域包括ケアに取り組む広島県大崎上島町  【コラム③】患者のための薬局を地道に築き上げている上田薬剤師会  【コラム④】患者の視点からみた薬局の構造規制  ――薬局に行くために、患者が医療機関との間の公道を必ず渡らなくて    はならなかったのはなぜか 第3章 医療の発展、医療関連産業の発展に向けて  1 再生医療における早期条件付き承認制度の導入  2 医療機器のデバイスラグ縮小への取り組み  3 イノベーション評価と医療財政を両立する薬価制度へ 第4章 医療の持続可能性確保への配慮  1 薬剤費の増加抑制に向けた課題  ――薬局でも買える湿布薬を、医療機関で安く処方してもらえるのは公    平性に欠けないか  2 レセプトの審査支払体制の改革  ――レセプト審査に年間800億円もの事務費がかかるのはなぜか   第5章 技術革新を活用した課題解決に向けて  1 利用者がメリットを感じられる医療IT化とは  2 医療IT化を本格化するための課題――標準化とネットワーク化  3 データ分析に基づく医療政策へ  【コラム⑤】エストニアの電子政府成功のカギ  【コラム⑥】Society 5.0と医療・介護のパラダイムシフト 第6章 残されたその他の課題  1 終末期医療  2 医療保険の設計  3 医療行政の課題――未来志向の政策遂行とエンフォースメント 補 章 医療制度改革はどのように進められてきたか  1 社会保障国民会議最終報告  ――病院を中心にサービス提供体制変革を提言  2 社会保障制度改革国民会議  ――地域医療ビジョン、かかりつけ医などを提言  3 規制改革会議が重視した視点  ――健康長寿社会に向けた医療のユーザーの視点を重視  4 未来投資会議が重視した視点  ――「技術革新」の実装による健康長寿社会に向けた医療・介護のパラ    ダイムシフト  【コラム⑦】規制改革の進め方――国民の要望を受けるホットライン おわりに 参考文献
著者略歴
翁 百合(オキナ ユリ)
翁 百合 ㈱日本総合研究所副理事長、京都大学博士(経済学) 1960年生まれ。82年 慶應義塾大学経済学部卒業、84年 同大大学院経営管理研究科修士課程修了。同年 日本銀行入行。92年より日本総合研究所。 主席研究員、理事などを経て現職。この間2003-07年 産業再生機構非常勤取締役兼産業再生委員、05-14年 日本学術会議会員、10-15年 早稲田大学大学院客員教授、14年より慶應義塾大学特別招聘教授などを兼務。 13-16年 規制改革会議 健康・医療ワーキンググループ座長、16年~ 未来投資会議 構造改革徹底推進会合(医療・介護分野)会長等を歴任。 2006年 日本経済新聞社・日本経済研究センター共催「第1回円城寺次郎記念賞」受賞。 このほか、現在、金融審議会委員、産業構造審議会委員、税制調査会委員などを兼任。 主要著作 『銀行経営と信用秩序』東洋経済新報社、1993年 『情報開示と日本の金融システム』東洋経済新報社、1998年 『金融危機とプルー…

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