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2017年9月15日発売

慶應義塾大学出版会

バルトーク 音楽のプリミティヴィズム

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内容紹介
農民音楽からモダニズムへ ▼西洋音楽に多大な影響を与えた作曲家バルトーク・ベーラ(1881—1945)は、ハンガリーでは、自国の民謡を採集・研究した「文化英雄」とされている。 ▼本書では、バルトークの創作における、モダニスト作曲家としての一面と、文化ナショナリズムの一面とが、どのような関わりをもっていたのかを分析し、バルトークの作品様式にも同じ二面性があらわれていることを論証する。 そして彼が、民俗音楽の「プリミティヴィズム」を取り込むことで、自らの芸術性を拡大していったさまを、豊富な譜例をもとに明らかにしていく。
目次
序 論      Ⅰ 第一章 民俗音楽の「精神」を求めて――バルトークの文化ナショナリズムとモダニズム  一 バルトークと民俗音楽の「精神」  二 ハンガリーの文化ナショナリズムと「民俗藝術」の流行  三 チャートの音楽批評と「民謡の精神」   四 アディによるハンガリーの文化アイデンティティの捉え返し  五 新しい「ハンガリーの音楽」のナショナリズム 第二章 音楽のナショナリズムからプリミティヴィズムへ――バルトークと一九一〇年前後のフランス音楽   一 バルトークにおける「プリミティヴ」なるものの位置づけ   二 ハンガリーの文化ナショナリズム運動と「原初的なもの」   三 プリミティヴな民俗音楽への関心の高まり   四 一九一〇年代初頭のパリにおけるバルトークの音楽の受容  五 比較項としてのストラヴィンスキーの役割    II 第三章 イデオロギーとしての「農民音楽」――バルトークの民謡研究と近代的な藝術観   一 一九一〇年代のハンガリーの藝術批評における「農民(paraszt)」の位置づけ  二 バルトークの民謡研究の方法論   三 民謡研究と近代的な藝術観とのかかわり   四 バルトークの民謡研究の問題点   五 「変形」説の同時代における受容  第四章 音楽史の中の「農民音楽」――ストラテジーの複合性   一 バルトークの「国民楽派」批判   二 理想像としてのバッハとウィーン古典派   三 バルトークと一九世紀ドイツ音楽との間の距離   四 ナショナリズムとインターナショナリズムのはざまで  第五章 クライマックスのストラテジー――バルトークの器楽曲をめぐって  一 同時代の批評家たちからみたバルトークの音楽様式  二 バルトークの音楽の様式的特徴と「ハンガリー的な頂点」のストラ     テジー   三 「ハンガリー的な頂点」の音楽史的背景   四 クライマックスのストラテジーと音楽のプリミティヴィズム     III 第六章 民謡研究者バルトークの用語法――音楽構造の解釈の歴史性   一 バルトークにおける「ペリオーデ」の概念とその起源   二 「ペリオーデ」概念に対するバルトークの態度の変化   三 用語法の変化と比較音楽学の影響   四 用語法の変化と創作活動との関係  第七章 プリミティヴィズムの新たな展開――ストラヴィンスキーの新古典主義と一九二六年のバルトーク   一 ストラヴィンスキーの新古典主義に対する当初の反応   二 トートとモルナールのストラヴィンスキー批判   三 ストラヴィンスキー批判としての《ピアノ協奏曲第一番》   四 ストラヴィンスキーの新古典主義に対する評価の変遷   五 「感傷性のなさ」にむかって  結 語   あとがき   註   参考文献一覧   索引
著者略歴
太田 峰夫(オオタ ミネオ)
太田 峰夫 1969年生まれ。1996年に東京大学大学院人文科学研究科修士課程を修了後、ハンガリー政府奨学生としてブダペストに留学。2009年に東京大学大学院人文社会研究科博士課程を修了。博士(文学)。2013年より宮城学院女子大学音楽科准教授。

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