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2017年12月19日発売

慶應義塾大学出版会

出版社名ヨミ:ケイオウギジュクダイガクシュッパンカイ

漱石の書斎

外国文学へのまなざし 共鳴する孤独
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内容紹介
漱石はいかにして外国文学を読み、
傑作をうみだしていったのか?

▼漱石作品のなかには、謎の外国語、そして外国作品の引用句がちりばめられている。本書では、遺された蔵書をたんねんに調べ上げることで、それらの出所を突き止め、漱石がどのように外国語の本を読み、作品のなかに取り込んでいったのかを明らかにする。
▼とりわけ、ピーコック、ブラウニング、シェンキェヴィチ、ウィリアム・シャープなどの典拠を手がかりに漱石作品を読み解き、〈東洋と西洋〉、〈影響と受容〉という二項対立を超えた、その〈現代性〉――近代人の絶望的な〈孤独〉の所以――をさぐりあてていく。
目次
はじめに

第一章 漱石文庫をたずねて――蔵書は語る
 Ⅰ 「漱石山房」から「漱石文庫」へ
 Ⅱ 「漱石文庫」と「狩野文庫」
 Ⅲ 漱石の愛蔵書

第二章 英学から英文学へ――漱石の修業時代
 Ⅰ 六ペンス叢書の伝説
 Ⅱ 英語との出会い
 Ⅲ 漢学塾から英学塾へ
 Ⅳ 英文学への道

第三章 奇人たちの饗宴
――『吾輩は猫である』とピーコックの〈談話小説〉
 Ⅰ 〈写生文〉から〈長篇小説〉へ――『猫』の変容
 Ⅱ ピーコックと漱石
 Ⅲ 〈談話小説〉(ノベル・オブ・トーク)
 Ⅳ 『クロチェット城』
 Ⅴ ピーコックの周辺

第四章 ロンドンの異邦人たち――漱石・カーライル・シャープ
 Ⅰ 「カーライル博物館」の材源
 Ⅱ 『文学地誌』とウィリアム・シャープ
 Ⅲ 異邦人たち

第五章 江藤淳『漱石とアーサー王伝説』の虚構と真実
――死者を愛し続ける男の物語
 Ⅰ 〈学術論文〉という〈暗号〉
 Ⅱ 「言葉の世界」と「不在の世界」
 Ⅲ 〈物語〉の完成

第六章 『三四郎』とブラウニング
――「ストレイシープ」と「ダーターフアブラ」をめぐって
 Ⅰ 「ストレイシープ」の出典
 Ⅱ 漱石のブラウニング体験
 Ⅲ 「炉辺にて」と「ストレイシープ」
 Ⅳ 「騎馬像と胸像」と「ダーターフアブラ」
 Ⅴ 引用と象徴

第七章 《趣味の審判者》(アービター・エレガンシアルム)の系譜
――ペトロニウスから代助まで
 Ⅰ 「arbiter elegantiarum」(アービター・エレガンシアルム)の出
   典
 Ⅱ 『ドリアン・グレイの肖像』――世紀末の耽美家
 Ⅲ 『グリル・グレッジ』――恋におちた快楽主義者(エピキユリア
   ン)
 Ⅳ 『クオ・ヴァディス』――影響の種々相

第八章 『行人』とヴァルター・カレ――共鳴する孤独
 Ⅰ 『行人』の「独逸(ドイツ)の諺(ことわざ)」
 Ⅱ ヴァルター・カレ
 Ⅲ 詩句の用例と異同
 Ⅳ カレからケーラー、そして漱石へ
 Ⅴ 共鳴する〈孤独〉

あとがき
参考文献
索引
著者略歴
飛ヶ谷 美穂子(ヒガヤ ミホコ higaya mihoko)
札幌市生まれ。近代文学研究者。日本比較文学会理事。 慶應義塾大学文学部文学科国文学専攻卒業。同大学院文学研究科修士課程修了。著書に『漱石の源泉 創造への階梯』(慶應義塾大学出版会、2002年)、共著に『夏目漱石における東と西』(思文閣出版、2007年)など。
タイトルヨミ
カナ:ソウセキノショサイ
ローマ字:sousekinoshosai

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