近刊検索 デルタ

2023年8月25日発売

ナカニシヤ出版

出版社名ヨミ:ナカニシヤシュッパン

フェミニスト現象学 : 経験が響きあう場所へ

このエントリーをはてなブックマークに追加
内容紹介
見過ごされてきた経験を言葉にする沈黙を求める社会のなかで、異なる声の共鳴を待つために。乳児の育児、更年期、トランスジェンダー、アセクシュアル、男らしさ、DV、老い、占い、ファッション、ペットロス……さまざまな当事者の経験を記述・考察し、性をめぐる「当たり前」と「規範」を問い直すフェミニスト現象学。現象学自体を共鳴の場としつつ、多様なテーマと理論、自己や他者の語りを扱った論考からその可能性を指し示す。現象学のみならず社会学、倫理学、クィア批評など他分野の執筆者による方法論的な論考と、それに対する編者からの応答も収録。 
目次
はじめに(中澤 瞳)
第Ⅰ部 女らしさ、男らしさ
第一章 「女の子みたいに投げる」をもう一度考える
──「女らしさ」のフェミニスト現象学(中澤 瞳)
一 はじめに
二 「できない/できないかもしれない」身体
三 理想化された身体、欠陥品としての身体
四 「できる」身体
五 「男らしい」スポーツに従事する「女性」の身体の「女らしさ」
六 まとめにかえて
第二章 「男らしさ」を「脱ぎ捨てる」のではなく
──「男らしさ」のフェミニスト現象学(小手川正二郎)
一 「男らしさ」とは?
二 身体化された習慣としての男らしさ
三 「男らしさ」の見えにくさ── 注意点(一)
四 男女の二極化── 注意点(二)
五 ジェンダー規範の多層性
六 経験の多層性
コラム① 「女性の経験」と「フェミニスト現象学」(江原由美子)
第Ⅱ部 身体、性、時間
第三章 乳児の育児における「母親という役割」
──その「大変さ」を考える(宮原 優)
一 はじめに
二 社会的リズムと乳児のリズム
三 寄り添い、探りゆくこと
四 駆り立てられるということ
五 人間の在り方としての「母親の役割」──結びにかえて
第四章 更年期の経験
──心身の「揺らぎ」のフェミニスト現象学(稲原美苗)
一 更年期障害とは?
二 メルロ=ポンティの身体論から考える更年期の経験
三 更年期に関するフェミニスト現象学的な枠組み
四 女性たちによる女性たちのための更年期研究
五 美魔女と更年期
六 更年期を再考する
コラム② 愛猫の喪失と取り残されるわたしの身体
──ペットロスについて(河島思朗)
第五章 パスの現象学
──トランスジェンダーと「眼差し」の問題(藤高和輝)
一 はじめに
二 「自分自身の身体によって困らされる」──サルトルの「対他‐身体」論
三 トランスジェンダーと眼差しの問題
四 威圧的な眼差し──あるいは、「統制的理念」としての性別
五 おわりに
第六章 雰囲気としての強制的(異)性愛
──アセクシュアルを理解可能にするための現象学(松浦 優)
一 アセクシュアル/アロマンティックについて
二 強制的性愛──性的であることと正常さとの結びつき
三 アセクシュアルを理解可能にするために
四 理解可能性の図式を書き換える
第七章 セクシュアリティの「ままならなさ」
──ベルサーニとレヴィナスのクィアな性交渉論を通じて(古怒田望人/いりや)
一 はじめに
二 セクシュアリティに関わる規範と生きられる身体をめぐって
三 クィアなセクシュアリティの構造──ベルサーニのフロイト読解を通して
四 クィアなセクシュアリティにおける関係性の構造──レヴィナスの愛撫論を通して
五 おわりにかえて
第Ⅲ部 他者、家、自己
第八章 ステイホーム?
──家にいる/いないことの意味(池田 喬)
一 ステイホームを政治化する
二 ステイホームの政治
三 ステイホームの分析
四 哲学の仕事としての問うこと──暗い時代の人々に
第九章 老いゆくこと、他者との関係
──「ずれ」の経験と葛藤(中 真生)
一 はじめに
二 老い──世界へのかかわり方の変化
三 過去への固執と「習慣」
四 他者とのかかわり方の変化──妄想を通して
五 周囲の人の経験する「ずれ」
六 関係の再構成と「その人らしさ」
七 「その人らしさ」の発見
第一〇章 女性の経験とドメスティック・バイオレンス
──その「みえにくさ」と妻/母役割(山本千晶)
一 はじめに
二 DV被害はなぜ見えにくいのか
三 女性の生活とDV
四 おわりに
コラム③ 装う経験から世界と私に出会い直す
──装いとフェミニスト現象学(赤阪辰太郎)
第一一章 占いを信じてはいけないのか?
──「女性らしさ」に近づきたい気持ちと離れたい気持ちのあいだで(佐藤 愛)
一 問題提起
二 経験
三 「女性らしさ」とそうでなさ
四 「自閉症スペクトラム障害」と「性差」?
五 避難所としての「私」、避難所としての占い
六 おわりに
第一二章 なぜ「私」が傷つくのか
──アイデンティティの交差性と差別(酒井麻依子)
一 はじめに
二 アイデンティティと属性
三 アイデンティティの序列
四 アイデンティティと権力
五 おわりに
第一三章 「考慮に入れることはあてにすることである」
──コミットメントのフェミニスト現象学(川崎唯史)
一 はじめに
二 「考慮に入れることはあてにすることである」
三 考慮からフレームへ
四 現象学者の共同体をめぐる問いへ
第Ⅳ部 方  法
第一四章 「経験から「普通」を問い直す」とはどういうことか?
──「経験」のポリティクス(佐野泰之)
一 ラディカル・フェミニズムにおける「経験」
二 ポスト構造主義による「経験」批判
三 現象学における「経験」
四 経験と言語
コラム④ 哲学における自伝的なもの
──カヴェルとボーヴォワールからフェミニスト現象学の方法を考える(吉川 孝)
コラム⑤ 何が「経験の記述」を「女性の経験の記述」にするのか(小宮友根)
コラム⑥ 「(他者の) 一人称の記述」を読むこと
──フェミニスト現象学とフェミニズム文学批評をつないで(岩川ありさ)
結びにかえて
──書評および方法論的コラムへの応答(宮原 優)
謝  辞
事項索引
人名索引
著者略歴
稲原 美苗(イナハラ ミナエ inahara minae)
川崎 唯史(カワサキ タダシ kawasaki tadashi)
中澤 瞳(ナカザワ ヒトミ nakazawa hitomi)
宮原 優(ミヤハラ ユウ miyahara yuu)
タイトルヨミ
カナ:フェミニストゲンショウガク : ケイケンガヒビキアウバショヘ
ローマ字:feminisutogenshougaku : keikengahibikiaubashohe

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。

-- 広告 -- AD --

【AD】
今、注目すべき第三書館の本
泣くな、わが子よ
ノーベル賞候補であり続ける文学者の代表作

-- 広告 -- AD --

もうすぐ発売(1週間以内)

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを利用しています。