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定価:1,760円(1,600円+税)
判型:四六
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内容紹介
「混血児」はどのように戦後日本の社会を生きてきたのか――。占領・復興期から高度経済成長期、そして現在までの聖ステパノ学園の混血児教育を縦糸に、各時代の混血児の社会的な立場や語られ方を横糸にして、混血児をめぐる排除と包摂の戦後史を活写する。
目次
序 章 戦後史の裂け目――〝血の政治学〟と〝出会いの教育学〟のはざまで
1 なぜ「混血児」の戦後史をいま問うのか
2 混血児をめぐる従来の研究と本書の分析視点・内容との差異
第1章 占領・復興期の混血児誕生――優生保護法の下で生存する[敗戦から一九五〇年代前半まで]
1 敗戦後セクシュアリティ統制の遺産――優生思想にさらされる混血児
2 澤田美喜の実践にみる混血児の別学という人格主義――幼稚園の教育実践
3 幼稚園から小学校へ――ステパノ学園の実践と苦悩
第2章 日本「独立」後の公立小学校の混血児教育――日本人として学ぶ[一九五〇年代中葉]
1 文部省の混血児教育の方針――いじめへの全学的な対応
2 公立小学校での共学という平等主義――実母と教師に支えられて
3 公立小学校の苦悩と教師たちの試み――制度内での改革と日本人への同化
4 同化を超えた連帯を目指して――優生という排除の論理に抗いながら
第3章 高度経済成長期前半の混血児教育――経済主義の下で生きるために学ぶ[一九五〇年代後半から六〇年代前半まで]
1 保守化する教育行政――管理主義下の道徳と能力
2 自治と協働の仲間づくりの徹底化――ステパノ学園の実践
3 技能教育へ――生きて働くために
第4章 高度経済成長期後半・低成長期の混血児と日本人の子との出会い――経済主義の下で教育と労働をつなぐ[一九六〇年代後半から七〇年代後半まで]
1 大衆雑誌にみる混血児イメージの定着と日本社会への包摂――才能と汚辱
2 進学と就職のはざまで揺れる混血児――ブラジル農業移民という最後の選択肢
3 高度経済成長の喧騒を超えて――日本社会へのいくつかの包摂パターン
4 周縁化された子どもたちの出会いの場として――ステパノ学園の実践
第5章 低成長時代の周縁化された子どもたちの連帯――多様性を再生し開く挑戦[一九八〇年代前半から現在までを見据えて]
1 澤田美喜の死(一九八〇年)と新たな挑戦――社会へ広く開かれる学園
2 支え合い互いにケアし合う場として――多様性のなかでの心の回復
終 章 戦後史を超えて――〝包摂と排除〟か〝つながりと連帯〟か
1 戦後史のなかの〝現在性〟――〝現在的課題〟としての混血児教育の方法
2 教育学と歴史学を架橋する混血児の戦後史
3 〈選別社会〉に抗う〈歴史のなかの教育〉
あとがき
1 なぜ「混血児」の戦後史をいま問うのか
2 混血児をめぐる従来の研究と本書の分析視点・内容との差異
第1章 占領・復興期の混血児誕生――優生保護法の下で生存する[敗戦から一九五〇年代前半まで]
1 敗戦後セクシュアリティ統制の遺産――優生思想にさらされる混血児
2 澤田美喜の実践にみる混血児の別学という人格主義――幼稚園の教育実践
3 幼稚園から小学校へ――ステパノ学園の実践と苦悩
第2章 日本「独立」後の公立小学校の混血児教育――日本人として学ぶ[一九五〇年代中葉]
1 文部省の混血児教育の方針――いじめへの全学的な対応
2 公立小学校での共学という平等主義――実母と教師に支えられて
3 公立小学校の苦悩と教師たちの試み――制度内での改革と日本人への同化
4 同化を超えた連帯を目指して――優生という排除の論理に抗いながら
第3章 高度経済成長期前半の混血児教育――経済主義の下で生きるために学ぶ[一九五〇年代後半から六〇年代前半まで]
1 保守化する教育行政――管理主義下の道徳と能力
2 自治と協働の仲間づくりの徹底化――ステパノ学園の実践
3 技能教育へ――生きて働くために
第4章 高度経済成長期後半・低成長期の混血児と日本人の子との出会い――経済主義の下で教育と労働をつなぐ[一九六〇年代後半から七〇年代後半まで]
1 大衆雑誌にみる混血児イメージの定着と日本社会への包摂――才能と汚辱
2 進学と就職のはざまで揺れる混血児――ブラジル農業移民という最後の選択肢
3 高度経済成長の喧騒を超えて――日本社会へのいくつかの包摂パターン
4 周縁化された子どもたちの出会いの場として――ステパノ学園の実践
第5章 低成長時代の周縁化された子どもたちの連帯――多様性を再生し開く挑戦[一九八〇年代前半から現在までを見据えて]
1 澤田美喜の死(一九八〇年)と新たな挑戦――社会へ広く開かれる学園
2 支え合い互いにケアし合う場として――多様性のなかでの心の回復
終 章 戦後史を超えて――〝包摂と排除〟か〝つながりと連帯〟か
1 戦後史のなかの〝現在性〟――〝現在的課題〟としての混血児教育の方法
2 教育学と歴史学を架橋する混血児の戦後史
3 〈選別社会〉に抗う〈歴史のなかの教育〉
あとがき
著者略歴
上田 誠二(カミタ セイジ kamita seiji)
1971年、栃木県生まれ。横浜国立大学ほか非常勤講師、首都大学東京オープンユニバーシティ講師。専攻は現代史、教育史、音楽史。著書に『音楽はいかに現代社会をデザインしたか――教育と音楽の大衆社会史』(新曜社、主に同書の研究史上の意義が評価されて日本教育史学会の第28回石川謙賞を受賞)、共著に『こんなに変わった歴史教科書』(新潮社)、『総力戦と音楽文化――音と声の戦争』『近代日本の都市と農村――激動の一九一〇―五〇年代』『日本の吹奏楽史――1869−2000』『〈戦後〉の音楽文化』(いずれも青弓社)など。
タイトルヨミ
カナ:コンケツジノセンゴシ
ローマ字:konketsujinosengoshi
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