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2022年8月26日発売

青弓社

出版社名ヨミ:セイキュウシャ

1970年代文化論

青弓社ライブラリー
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内容紹介
〈政治の季節〉である1960年代と、大衆消費社会の進展とバブル文化の開花に特徴づけられる80年代に挟まれる70年代の文化がもつ意義とは何か。映画、テレビ、雑誌、アート、社会運動などを横断的に検証し、70年代のメディアや文化の複合的なありように迫る。
目次
序 章 みえにくい一九七〇年代 日高勝之
 1 〈政治の季節〉とバブルの時代のはざま
 2 一九七〇年代の一筋縄ではいかない複雑さ
 3 本書の構成と問題設定

第1部 家族・若者・中高年

第1章 「からかい」からみる女性運動と社会運動、若者文化の七〇年代――雑誌「ビックリハウス」におけるウーマン・リブ/フェミニズム言説を通じて 富永京子
 1 一九七〇年代の若者と政治
 2 若者文化の媒体としての「ビックリハウス」
 3 「ビックリハウス」は女性運動をどのように受容したのか
 4 相対主義的価値観と構造的格差の不可視化

第2章 家族とテレビドラマの一九七〇年代――「ホームドラマ」から「反ホームドラマ」への転換とその背景 米倉 律
 1 テレビドラマ史のなかのホームドラマ
 2 反ホームドラマの登場
 3 一九七〇年代の家族の「両義性」
 4 「お茶の間」の解体とテレビ視聴の個人化

第3章 「司馬史観」への共感とポスト「明治百年」――「教養主義の没落」後の中年教養文化 福間良明
 1 一九七〇年代と司馬ブーム
 2 「教養」としての「余談」
 3 高度経済成長後の社会とビジネスマンの読者

第2部 政治・性・マイノリティ

第4章 大島渚と蓮實重彦――反時代・フランス・マゾヒズム 日高勝之
 1 反時代・反政治・反制度――連合赤軍事件と三島事件との遭遇
 2 「フランス」の威権と効用
 3 マゾヒズムと一九七〇年代

第5章 太田竜――ポスト新左翼の「革命」とアイヌ民族運動の胎動 藤巻光浩
 1 アイヌ革命論とアイヌ解放同盟
 2 革命の季節の到来と決裂
 3 太田にとっての「アイヌモシリ」
 4 アイヌにとっての「アイヌモシリ」
 5 太田にとってのアイデンティティの季節

第6章 東郷健――マイノリティ・ポリティクスとアートの不都合な関係 長﨑励朗
 1 「おかま」の政治演説
 2 美輪明宏と東郷健――セクシュアル・マイノリティをめぐる芸術と政治
 3 「The Gay」とその時代
 4 雑民の会と当事者性
 5 一九七〇年代が提示した課題

第3部 国家・地方とメディア

第7章 テレビが媒介するナショナルな時空間の編成――NHK『新日本紀行』を中心に 米倉 律
 1 『新日本紀行』の誕生
 2 「想像の共同体」としての「地方=故郷」
 3 変化する「故郷」へのまなざしの両義性
 4 ナショナルな“国土像”と単一の時空間の編成

第8章 四畳半テレビ――CATVとビデオ・アートが夢見た「コミュニティメディア」 飯田 豊
 1 二つの「情報コミューン」――ポスト大阪万博、ポスト七〇年安保のプロジェクト
 2 テレビの民主化――「コミュニティビデオ」の思想と実践
 3 CATVとビデオ・アートの交差点

終 章 「癒合」の時代――一九七〇年代のリアルと現代性 日高勝之
 1 ポスト〈政治の季節〉と多様なアクターの交錯
 2 新左翼の一九七〇年代――地方、マイノリティ、メディア
 3 日本の新左翼の「生の感覚」
 4 島耕作、サヨク、スキゾ
 5 新自由主義と個の自由
 6 新自由主義、新左翼、ポストモダン、戦後民主主義
 7 「癒合」の時代――一九七〇年代のメタプロセス
 8 二十一世紀と一九七〇年代――ウィズ/ポスト・コロナの時代から考える

あとがき 日高勝之
著者略歴
日高 勝之(ヒダカ カツユキ hidaka katsuyuki)
1965年、大阪府生まれ。立命館大学産業社会学部教授。専攻はメディア文化研究、記憶研究、政治コミュニケーション。著書に『昭和ノスタルジアとは何か』(世界思想社。2015年度日本コミュニケーション学会・学会賞受賞)、『「反原発」のメディア・言説史』(岩波書店)、Japanese Media at the Beginning of the 21st Century(Routledge)、Japanese Media and the Intelligentsia after Fukushima(Routledge)など。
タイトルヨミ
カナ:センキュウヒャクナナジュウネンダイブンカロン
ローマ字:senkyuuhyakunanajuunendaibunkaron

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