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定価:4,620円(4,200円+税)
判型:A5
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内容紹介
社会福祉政策のブレークスルー
介護保険制度の導入により、日本の高齢者福祉は世界に誇る水準を達成した反面、財政的に限界に達しつつあるといわれます。介護サービスを減少するのと引き換えに、政府が活用するようになったのが地域福祉政策。しかし一般にイメージされるボランティア活動などは一部にすぎず、地域福祉の現場では豊饒で多様な実践が共有されていることを本書は発見します。地域福祉実践の先進事例を、社会理論(モースの贈与論、シュッツの認識論、ダールの規模論)を大胆に援用して読み解き、類型化・抽象化した上で統合的理解を試みます。一人一人の生きがい、心の平安、霊的な幸福も、地域・社会福祉の対象となりうること、そうしたケアを包含するような質的転換をはかる地域福祉政策の未来像を構想します。著者は福祉社会学会奨励賞を受賞した気鋭の社会学者、装画は山本浩二画伯作品「黒松」。
介護保険制度の導入により、日本の高齢者福祉は世界に誇る水準を達成した反面、財政的に限界に達しつつあるといわれます。介護サービスを減少するのと引き換えに、政府が活用するようになったのが地域福祉政策。しかし一般にイメージされるボランティア活動などは一部にすぎず、地域福祉の現場では豊饒で多様な実践が共有されていることを本書は発見します。地域福祉実践の先進事例を、社会理論(モースの贈与論、シュッツの認識論、ダールの規模論)を大胆に援用して読み解き、類型化・抽象化した上で統合的理解を試みます。一人一人の生きがい、心の平安、霊的な幸福も、地域・社会福祉の対象となりうること、そうしたケアを包含するような質的転換をはかる地域福祉政策の未来像を構想します。著者は福祉社会学会奨励賞を受賞した気鋭の社会学者、装画は山本浩二画伯作品「黒松」。
目次
地域福祉実践の社会理論 目次
序章 問題関心の所在──地域福祉実践の豊饒さと政策枠組みを超える実践の出現
第Ⅰ部 地域福祉実践の比較分析
第1章 社会福祉政策の動向
1 〈国家福祉論からの離陸〉と〈社会関係の社会福祉〉
2 社会福祉政策と地域福祉政策の歴史的な位置づけ
3 地域福祉理論の潮流
第2章 地域福祉実践の多様化──地域福祉実践の現場で何が起こっているのか
1 地域福祉理論に基づく分類
2 ボランティア活動の先進事例
3 小地域福祉活動の先進事例
4 社会関係重視の活動の先進事例
5 贈与からみる実践グループの比較
第3章 分析視角としての贈与論・認識論・規模論
1 比較分析の手法
2 分析概念の有効性
3 贈与論・認識論・規模論の採用
第Ⅱ部 地域福祉実践の社会理論
第4章 贈与論からみる地域福祉実践
1 モース贈与論の援用による分析
2 三つの贈与類型
3 三つの贈与類型からみる地域福祉実践の事例
4 地域福祉実践と政策設計パラダイム
5 地域福祉政策システムに内在する潜在的機能と限界
第5章 認識論からみる地域福祉実践と贈与論との結合
1 シュッツ認識論の援用による分析
2 地域介護・ケアプランの他者認識類型による理解
3 対極的な他者理解に基づく地域福祉実践の理解
第6章 規模論からみる地域福祉実践と統合的理解
1 ダール規模論の援用による分析
2 理論的枠組み
3 地域福祉実践の事例にみる適正規模
4 地域福祉分野における規模論
5 各贈与類型の実践が成立する適正規模──規模論を接続する意義
第Ⅲ部 まとめと結論
第7章 新たな地域福祉政策の萌芽
1 贈与の三類型からみる地域福祉実践
2 市場・地域福祉実践の各類型の比較と総合的理解
第8章 社会福祉政策の展望
──世界を一気に変えようとする政策と足下から変えようとする政策
1 「不快な隣人」への実践としての地域福祉
2 ミッシング・リンクの発見と重層的な地域福祉実践
3 政策の発想の陥穽と解決可能な政策のブレークスルーへ
4 二種類の政策の時間論と方法論的集合主義/個人主義との関係
5 オルテガの「成熟した公民」の分析視角による歴史的文脈の理解と今後の課題
6 本書の知見の応用
第Ⅳ部 補 論
第9章 福祉研究の三つの位相と方法論的集合主義
1 問題関心の所在
2 先行研究と分析枠組み
3 各ソーシャル・キャピタル政策の特徴と課題
4 個別的利益─側面援助型の類型への着目
5 結びにかえて──ディズニー化により排除されるものへの着目
第10章 社会関係資本理論のパラダイムシフト
──方法論的集合主義と方法論的個人主義からの理解
1 ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)への注目
2 社会関係理論とソーシャル・キャピタル理論の系譜──デュルケムからパットナムまで
3 社会関係の着眼点の相違
4 政策との親和性と発展可能性
あとがき
参考文献
事項索引・人名索引
装画 山本浩二
装幀 鈴木敬子(pagnigh-magnigh)
序章 問題関心の所在──地域福祉実践の豊饒さと政策枠組みを超える実践の出現
第Ⅰ部 地域福祉実践の比較分析
第1章 社会福祉政策の動向
1 〈国家福祉論からの離陸〉と〈社会関係の社会福祉〉
2 社会福祉政策と地域福祉政策の歴史的な位置づけ
3 地域福祉理論の潮流
第2章 地域福祉実践の多様化──地域福祉実践の現場で何が起こっているのか
1 地域福祉理論に基づく分類
2 ボランティア活動の先進事例
3 小地域福祉活動の先進事例
4 社会関係重視の活動の先進事例
5 贈与からみる実践グループの比較
第3章 分析視角としての贈与論・認識論・規模論
1 比較分析の手法
2 分析概念の有効性
3 贈与論・認識論・規模論の採用
第Ⅱ部 地域福祉実践の社会理論
第4章 贈与論からみる地域福祉実践
1 モース贈与論の援用による分析
2 三つの贈与類型
3 三つの贈与類型からみる地域福祉実践の事例
4 地域福祉実践と政策設計パラダイム
5 地域福祉政策システムに内在する潜在的機能と限界
第5章 認識論からみる地域福祉実践と贈与論との結合
1 シュッツ認識論の援用による分析
2 地域介護・ケアプランの他者認識類型による理解
3 対極的な他者理解に基づく地域福祉実践の理解
第6章 規模論からみる地域福祉実践と統合的理解
1 ダール規模論の援用による分析
2 理論的枠組み
3 地域福祉実践の事例にみる適正規模
4 地域福祉分野における規模論
5 各贈与類型の実践が成立する適正規模──規模論を接続する意義
第Ⅲ部 まとめと結論
第7章 新たな地域福祉政策の萌芽
1 贈与の三類型からみる地域福祉実践
2 市場・地域福祉実践の各類型の比較と総合的理解
第8章 社会福祉政策の展望
──世界を一気に変えようとする政策と足下から変えようとする政策
1 「不快な隣人」への実践としての地域福祉
2 ミッシング・リンクの発見と重層的な地域福祉実践
3 政策の発想の陥穽と解決可能な政策のブレークスルーへ
4 二種類の政策の時間論と方法論的集合主義/個人主義との関係
5 オルテガの「成熟した公民」の分析視角による歴史的文脈の理解と今後の課題
6 本書の知見の応用
第Ⅳ部 補 論
第9章 福祉研究の三つの位相と方法論的集合主義
1 問題関心の所在
2 先行研究と分析枠組み
3 各ソーシャル・キャピタル政策の特徴と課題
4 個別的利益─側面援助型の類型への着目
5 結びにかえて──ディズニー化により排除されるものへの着目
第10章 社会関係資本理論のパラダイムシフト
──方法論的集合主義と方法論的個人主義からの理解
1 ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)への注目
2 社会関係理論とソーシャル・キャピタル理論の系譜──デュルケムからパットナムまで
3 社会関係の着眼点の相違
4 政策との親和性と発展可能性
あとがき
参考文献
事項索引・人名索引
装画 山本浩二
装幀 鈴木敬子(pagnigh-magnigh)
著者略歴
山本 馨(ヤマモト カオル yamamoto kaoru)
タイトルヨミ
カナ:チイキフクシジッセンノシャカイリロン
ローマ字:chiikifukushijissennoshakairiron
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