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2018年4月10日発売

京都大学学術出版会

縄文石器 その視角と方法

その視角と方法
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内容紹介
考古資料の常連、“縄文石器”。その観察・分類・記載においては何に注意すべきか、石器の何がわかっていて何がわからないか、石器研究が縄文文化の解明にどのように役立つのか。縄文人の巧みな石器づくりを詳らかにする緻密な技術解析、多種多様な石器を明解に整理した編年、分析化学の方法と考古学の問題意識を融合させた石材移動論。様々な切り口をもって石器と忍耐強く対話し続けた先に、人や物が移動する縄文時代像がはっきりと見えてくる。著者の17年にわたる試行錯誤から導かれた研究の視点と手順を一冊に編み上げた、先史考古学必携の書。
目次
口絵
まえがき

序 章  縄文石器のリアル
     第1節 人類史を語る石器
     第2節 縄文石器の壁
      ⑴ 縄文時代研究の動向と石器研究
      ⑵ 縄文石器と出会った頃
     第3節 いま,何が求められているのか
     第4節 本書の構成

第1章  縄文石器の製作技術
     第1節 石器の製作痕跡を読む
      ⑴ 破壊の原理と痕跡
      ⑵ 剝離方向の判読
      ⑶ 剝離順序の判読
      ⑷ 製作過程の再構築
     第2節 製作技術研究の背景
     第3節 縄文時代の剝片剝離技術
      ⑴ 第1工程:原礫の分割
      ⑵ 第2工程:石器素材剝片の生産
      ⑶ 石核端角の補正
      ⑷ 打面の再生
     第4節 剝離の「状況」
      ⑴ 山ノ内遺跡B地区の接合資料
      ⑵ 作業面への配慮
      ⑶ 接合資料の観察
      ⑷ 剝離状況の分類
     第5節 剝離の意図と作業の目的
      ⑴ 京都大学植物園遺跡の石器群
      ⑵ 西浦東遺跡の石器群
      ⑶ 剝片形状の予測と制御
     第6節 縄文時代の石器製作者
      ⑴ 石器集中部とは何か
      ⑵ 石器製作の空間構造
      ⑶ 石器製作者の技量と原礫の質
      ⑷ 石器製作と石器の形態
     第7節 製作技術から石器を観る―本章のまとめ

 Column1 縄文石器の使用方法

第2章  縄文石器の編年
     第1節 石器の種類と分類
      ⑴ 石器の種類
      ⑵ 打製石器の分類
      ⑶ 分類の精度と基準の不一致
     第2節 編年研究の背景
     第3節 遺跡内での地点差と「遺跡の引き算」
      ⑴ 隆起線文土器や無文土器にともなう石器
      ⑵ 円脚鏃と長脚鏃の関係
     第4節 石器群の一括性と風化度
      ⑴ サヌカイトの風化
      ⑵ 後期旧石器と縄文石器の分離
      ⑶ 風化度による資料群の分解
     第5節 近畿地方における有舌尖頭器の出現と消滅
      ⑴ 有舌尖頭器の何が問題か
      ⑵ 有舌尖頭器の出現と神子柴系石器群との関係
      ⑶ 有舌尖頭器は押型文土器にともなうか?
     第6節 近畿地方の石器編年
      ⑴ 編年の方針
      ⑵ 打製石器の石器編年
     第7節 石器の時期決定と型式―本章のまとめ

 Column2 蛍光X線分析の原理と方法

第3章  縄文石器の材料移動
     第1節 石材の原産地を知る
      ⑴ 旅する石材
      ⑵ 石材移動に映された人類活動
      ⑶ 原産地推定の方法
     第2節 原産地推定研究の背景
     第3節 サヌカイトの産状と化学組成
      ⑴ 二上山北麓地域
      ⑵ 五色台・金山地域
     第4節 サヌカイトにおける蛍光X線分析法の改良
      ⑴ 蛍光X線分析にともなう前処理の問題
      ⑵ 風化にともなう化学組成の変化
      ⑶ 完全非破壊の原産地推定にむけて
     第5節 黒曜岩の移動と利用
      ⑴ 他地域から持ちこまれた黒曜岩
      ⑵ 黒曜岩製遺物の原産地推定
      ⑶ 黒曜岩製遺物の時期推定
     第6節 黒曜岩利用の実際
      ⑴ 黒曜岩を用いた石器製作
      ⑵ 残滓の移動
      ⑶ 北海道産黒曜岩の発見
      ⑷ 黒曜岩原産地の推移
     第7節 学際的研究のための心構え―本章のまとめ

 Column3 考古遺物の蛍光X線分析

終 章  縄文石器の可能性
     第1節 石器情報の広がり
      ⑴ 縄文石器がもつ情報
      ⑵ 石器型式圏の変化と黒曜岩の推移
     第2節 石器の動きと土器の動き
      ⑴ 土器型式圏の変動
      ⑵ 石器型式圏が維持される背景構造
     第3節 石器の動きと人間集団の動き
      ⑴ 石器情報が拡散する背景
      ⑵ 縄文石器と人類の移動史
     第4節 縄文石器のフロンティア

巻末付表1 筆者らが原産地分析を実施した資料
巻末付表2 測定機関・装置の違いと基準試料の測定値(強度比)
巻末付表3 黒曜岩製遺物と原産地推定結果

引用文献
図表出典
あとがき
索引
英文要旨
著者略歴
上峯 篤史(ウエミネ アツシ)
983年 奈良県山辺郡山添村に生まれる 2005年 立命館大学文学部史学科日本史学専攻考古学コース 卒業 2007年 同志社大学大学院文学研究科文化史学専攻博士課程(前期課程) 修了 2011年 同志社大学大学院文学研究科文化史学専攻博士課程(後期課程) 修了 博士(文化史学)学位取得 (独)日本学術振興会特別研究員DC2,同志社大学高等研究教育機構・文学部助手,(独)日本学術振興会特別研究員PDをへて,2015年4月より京都大学白眉センター・人文科学研究所特定助教。 主要著作 『縄文・弥生時代石器研究の技術論的転回』(雄山閣,2012年)

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。

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