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2018年6月8日発売

京都大学学術出版会

出版社名ヨミ:キョウトダイガクガクジュツシュッパンカイ

教育現場の防災読本

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内容紹介
 本書は,東日本大震災の反省から生まれた。災害が起こる度に防災教育の必要性が叫ばれる。しかし,体系的で継続的な防災教育がなされないまま,東北で多くの児童生徒の命が奪われた。
 多様な災害に対応した普遍性と,何世代にもわたる継続性をもった防災教育を実現するために,〈災害のメカニズム〉〈国・行政の役割〉〈防災技術・工学〉そして〈地域防災〉を全般にわたって知ることで,子どもを守り,災害を乗り越えるための知識を体系的に身につける。
目次
はじめに
口絵

第1章 自然災害概説
 第1節 海溝型地震
  1.海溝型地震と津波の仕組み
  2.海溝型地震の特徴
  3.海溝型地震の予測
  4.2011年東北地方太平洋沖地震
  5.南海トラフ巨大地震の予測
  ◆コラム:地震と大震災
  ◆コラム:スロー地震
 第2節 内陸地震
  1.内陸地震はどのような地震なのか?
  2.内陸地震はどうして起こるのか?
  3.注目される歪集中帯
  4.内陸地震の発生予測
  ◆コラム:活断層の長期評価の捉え方
 第3節 火山災害
  1.火山の観測体制
  2.火山活動の観測
  3.火山活動災害史
  4.近年の火山災害
  5.噴火警報
 第4節 台風・洪水
  1.台風・豪雨の発生状況
  2.日本の河川の特徴
  3.内水氾濫と外水氾濫
  4.集中豪雨
  5.線状降水帯
  6.台風による高潮被害
 第5節 土砂災害
  1.土砂災害とは
  2.土砂移動現象
  3.豪雨による土砂災害
  4.地震による土砂災害
  5.土砂災害の軽減対策
 第6節 雪害
  1.積雪地域と雪害
  2.降雪・積雪が引き起こす災害
  3.太平洋側の都市雪害
  4.雪害から身を守る
 第7節 都市災害
  1.都市災害とは
  2.都市の自然災害の進化
  3.何が都市を災害に対して脆弱にするか
  4.首都直下地震の被害想定
  5.世界の都市化
 第8節 世界の自然災害
  1.自然災害と居住条件
  2.巨大化する被害
  3.自然災害の世界的動向
  4.低所得地域の自然災害
  5.アジア・太平洋地域における巨大な被害
  6.防災力強化のための援助
  参照文献
  参考文献

第2章 災害と法律
 第1節 災害法制の概要
  1.災害法制の特徴
  2.災害対策基本法
 第2節 救助・避難所運営と法律
  1.災害救助法の制度概観
  2.東日本大震災における運用
  3.福祉避難所
 第3節 防災と学校に関する法律
  1.学校と防災に関する法令
  2.防災施設としての学校の位置づけ
  3.学校と地域との関係
  4.災害時における学校教員の仕事
  5.災害時における学校教員の待遇
  6.災害後の学校施設の復旧
  7.今後の課題
 第4節 防災関連特別法の例──土砂災害防止法
  1.成立の経緯
  2.土砂災害防止法の内容
  3.土砂災害防止法運用の問題点
  参照文献
  参考文献

第3章 災害と行政
 第1節 災害前の行政
  1.防災に関係する行政組織
  2.防災計画
  3.災害被害の抑止対策
  4.災害後の対応への備え
  5.パートナーシップの推進と意識啓発
 第2節 災害直後の行政
  1.災害直後の行政の対応(基本形)
  2.災害直後の行政の対応(応用編:巨大津波災害)
  3.災害直後を自力で乗り切る力
 第3節 復旧・復興期の行政
  1.復旧・復興期の行政の役割
  2.復興予算
 第4節 復興期の生活──応急仮設住宅
  1.仮設住宅とは
  2.仮設住宅建設用地
  3.入居者決定方法
  4.その他の課題
 第5節 津波被害と防災集団移転
  1.明治・昭和三陸地震津波後の高地移転の例
  2.高地移転以外の大規模対策
  3.「集団移転」に関する行政措置
  ◆コラム:防災集団移転促進事業
 第6節 ハザードマップ
  1.ハザードマップとは何か
  2.ハザードマップの種類と機能
  3.住民用ハザードマップの具体例──千葉県我孫子市
  4.ハザードマップを見るときの注意点
  5.ハザードマップの活用
 第7節 「警報」の考え方・メディアの役割
  1.「警報」についての基礎知識
  2.「警報」の問題とは
  3.「警報」のタイミング
  4.「警報」におけるメディアの位置づけ
  5.住民目線の防災メディア・情報流通システムの構築
  参照文献
  参考文献

第4章 地域防災
 第1節 避難所
  1.避難所と避難場所
  2.避難者の動向
  3.避難所の運営
  4.避難所の生活環境
 第2節 災害時要援護者の避難
  1.災害時要援護者避難支援についての国の施策
  2.東日本大震災における要援護者避難の実態
  3.福祉避難所の利用
 第3節 自主防災組織・ボランティア
  1.自主防災組織
  2.災害ボランティア
 第4節 退避行動・避難行動
  1.退避行動
  2.避難行動
  ◆コラム:「地区内残留地区」の設定
 第5節 地域防災アウトリーチ
  1.十勝岳火山災害軽減のためのアウトリーチ
  2.雲仙火山災害軽減のためのアウトリーチ
  3.沖縄における防災教育とアウトリーチ
  ◆コラム:熊本震災ボランティア体験記
  ◆コラム:防災ゲーム
 参照文献
 参考文献

第5章 防災と教育
 第1節 学校と教師の役割
  1.防災管理──学校ぐるみ・地域ぐるみによる防災管理の取り組み
  2.東日本大震災から得られる防災管理についての教訓
  3.防災教育──自然の二面性を含む地域に根差した防災教育の実践
  4.学校安全における学校と地域との連携枠組みの最新動向
  5.防災管理と防災教育の現状と課題
 第2節 学校の被災から再開まで
  1.震災による学校施設の被害
  2.「学校の再開」の事例
  3.学校再開への道
 第3節 津波てんでんこ──「助かる」と「助ける」の融合
  1.「てんでんこ」の歴史
  2.「てんでんこ」の4つの意味
  3.「助けること」=「助かること」
 第4節 ジレンマ授業
  1.新しい防災教育
  2.防災教育と道徳教育
  3.モラルジレンマ授業の理論
  4.モラルジレンマ授業の導入と再評価
  5.「防災道徳」の授業デザイン
  6.「防災道徳」の教材および授業開発の記録
  7.授業実践のフィードバックから見えてきた今後の課題
 第5節 学校防災教育の例
  1.宮城県多賀城高等学校の防災教育
  2.愛知県田原市の小学校
  3.和歌山県田辺市立新庄中学校
  4.高知県の防災教育
 第6節 学校科目と防災
  1.地理
  2.歴史
  3.地学
  4.家庭科
  参照文献
  参考文献

第6章 災害医療
 第1節 急性期から亜急性期にかけての医療
  1.災害医療サイクル
  2.阪神・淡路大震災の教訓
  3.DMATとは
  4.東日本大震災における医療
  5.亜急性期から慢性期にかけての医療
  6.東日本大震災は我々に何を教えたか
 第2節 災害時要援護者への医療支援
  1.災害時要援護者と避難
  2.災害に伴うストレス
  3.阪神・淡路大震災後における乳幼児の行動上の変化
  4.災害と子育て環境
  5.子どもたちへの基本的な対応
  6.ビリーブメントケア
  7.特別な医療的支援を必要とする子どものケア
  8.コミュニティに基盤を置いた障害児(者)とその家族への支援
 第3節 被災地の病院
  1.災害拠点病院とは
  2.災害医療コーディネーターとは
  3.気仙沼市立病院における初動
  4.気仙沼災害医療対策本部機能の構築
  5.災害医療の具体事例
  6.東日本大震災の教訓と課題
  参照文献
  参考文献

第7章 災害と経済
 第1節 災害による経済被害
  1.ストック被害
  2.フロー被害
  3.阪神・淡路大震災におけるフロー被害
  4.東日本大震災におけるフロー被害
 第2節 災害のマクロ経済分析
  1.総供給・総需要曲線
  2.短期の分析
  3.中期の分析
 第3節 災害への経済的な備え
  1.政府の対応
  2.家計の対応
  3.企業の対応
 第4節 予想される大災害の経済被害
  1.首都直下型地震
  2.南海トラフ巨大地震
  3.復興のシナリオ
  参照文献

第8章 防災工学技術
 第1節 耐震・耐火・耐津波技術
  1.耐震技術
  2.耐火技術
  3.耐津波技術
 第2節 防波堤・河川堤防
  1.防波堤
  2.河川堤防
 第3節 砂防堰堤
  1.砂防堰堤とは
  2.砂防堰堤の機能
  3.砂防堰堤のさまざまな形状
  4.砂防堰堤の防災への貢献
 第4節 防災と通信
  1.災害時における通信の重要性
  2.阪神・淡路大震災時の通信状況
  3.東日本大震災での通信状況
  4.通信の世界の大きな変化
  5.電話以外の災害時通信手段
  参照文献

第9章 原子力災害
 第1節 原子力
  1.原子力とは
  2.放射線と放射能
  3.原子力発電のしくみ
 第2節 原子力事故
  1.原子力事故のレベル
  2.過去に起きた原子力事故の例
 第3節 福島第一原発事故
  1.事故直後の経緯
  2.放射能の拡散
  3.原発事故の人への影響
  参照文献
  参考文献

第10章 防災と国際貢献
 第1節 JICAの防災への取り組み
  1.防災の主流化
  2.国際緊急援助事業
  3.被災国・日本から見た国際緊急援助
 第2節 学術的な国際貢献──ホンジュラスの地すべり災害
  1.高等教育レベルにおけるJICAの国際協力
  2.科学技術研究員派遣の事例──テグシガルパ首都圏における地すべりに
    焦点を当てた災害地質学研究
 第3節 子ども達への支援──ジャワ島中部地震
  1.インドネシアにおける災害支援
  2.子ども達のための支援プログラム
  3.2010年メラピ火山の噴火と「子どもの家」スタッフの対応
  参照文献
  参考文献

結びと謝辞
索引
執筆者紹介
著者略歴
「防災読本」出版委員会(ボウサイトクホンシュッパンイインカイ bousaitokuhonshuppaniinkai)
中井 仁(ナカイ ヒトシ nakai hitoshi)
小淵沢総合研究施設(代表) 1951年生まれ。神戸大学理学研究科修了。京都産業大学論文博士(理学)。1997年,田中舘賞受賞(地球電磁気・地球惑星圏学会)。 著書:『検証「共通1次・センター試験」』(編著,大学教育出版,2008年),『太陽地球系科学』(編著,京都大学学術出版会,2010年)。
タイトルヨミ
カナ:キョウイクゲンバノボウサイトクホン
ローマ字:kyouikugenbanobousaitokuhon

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