近刊検索 デルタ

2017年9月22日発売

作品社

スター女優の文化社会学

戦後日本が欲望した聖女と魔女
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内容紹介
彼女たちはいかにして「スター」となったのか。なぜ彼女たちでなければならなかったのか。原節子と京マチ子を中心に、スクリーン内で構築されたイメージ、ファン雑誌などの媒体によって作られたイメージの両面から、占領期/ポスト占領期のスター女優像の変遷をつぶさに検証し、同時代日本社会の無意識の欲望を見はるかす、新鋭のデビュー作!
目次
序章 映画スターと日本の〈戦後〉 1 映像体験の彼方 2 不純な「スター女優」 3 映画スターの誕生 第一章 スター女優の時代――戦後日本の映画スターダム 1 戦後の日本映画――占領政策/大衆娯楽 2 戦後の映画観客と国民的映画 3 女性の身体へのまなざし 4 ファン雑誌というメディア 5 スター女優の変遷 第二章 躍動する身体――原節子の反-規範的な身振り 1 国家の記号(ナショナル・シニフィアン)としての原節子 2 『わが青春に悔なし』における受容 3 黒澤明の映像表現 4 若者観客と誇張された〈青春〉 5 原節子の烈しさとエロス 6 戦中映画における原節子の「モダニズム」 7 潜在化するモダニズム的感性 8 メディア・テクストとしての原節子 第三章 接触する身体――京マチ子の〈情動的身体〉 1 肉体派女優としての京マチ子 2 初期映画におけるプロモーション 3 戦後のヴァンプ女優――「陽性」のエロティシズム 4 循環する肉体――京マチ子の「脚」の表象 5 暴力的な肉体の強度 6 メディア・テクストとしての京マチ子 7 京マチ子の両義的な身体イメージ 8 敗戦のヒロイン――接触/切断 第四章 敗戦のスター女優――原節子の〈離接的身体〉 1 映画スターを解剖する 2 占領期におけるスクリーンの原節子――一九四六-一九四九 3 戦後の新しい女性イメージ――「理知性」と「意志」 4 原節子のスターペルソナ――「孤立」するパフォーマンス 5 「敗者の身体」――パンパンと「接吻映画」 6 〈抵抗〉する潔癖な身体 7 アメリカ映画とイングリッド・バーグマン 8 敗戦のヒロイン――離接性/超越性 第五章 ポスト占領期における古典美――京マチ子の「静の演技」 1 国際派女優の誕生――『羅生門』の衝撃 2 『地獄門』の快挙――製作と受容 3 「国際派グランプリ女優」のパフォーマンス 4 日本の理想と西洋の欲望――『長崎の歌は忘れじ』と『八月十五夜の茶屋』 5 京マチ子の言説変容――重厚感と格調 第六章 ポスト占領期における〈屈服〉――原節子の〈超越的身体〉 1 喪われた伝統美――『晩春』の原節子 2 変遷する指導者――『白痴』と『白雪先生と子供たち』 3 『麦秋』における〈集合的記憶〉 4 「戦争未亡人映画」としての『東京物語』 5 『めし』における共犯的イデオロギー 終章 聖女と魔女――原節子と京マチ子 1 「永遠の処女」と「肉感的な魔女」 2 〈理想化の時代〉の終焉 3 〈日常性の時代〉の原節子と京マチ子 註 あとがき
著者略歴
北村匡平(キタムラキョウヘイ)
1982年山口県生まれ。現在、東京大学大学院学際情報学府博士課程在籍・日本学術振興会特別研究員・立教大学兼任講師・都留文科大学非常勤講師。専門は映画学・歴史社会学・メディア文化論。主な論文に「映画スターへの価値転換──1950年代のスクリーンにおける観客の欲望モードの文化的変遷」(『社会学評論』270号)、「敗戦のスター女優──占領期における原節子のスターペルソナ」(『映像学』96号)、「スクリーンに投影される〈青春〉──黒澤明『わが青春に悔なし』のオーディエンス」(『マス・コミュニケーション研究』90号)、「重層化する身体への眼差し──ヴァンプ女優としての京マチ子の分析」(『マス・コミュニケーション研究』88号)、「映像化される『雁』の世界──戦後日本映画における女性表象の生成過程をめぐって」(『表象11』)。批評に「スクリーンの〈湿度〉と原節子の眼差し──『わが青春に悔なし』から『熱風』へ」(『ユリイカ』2016年2月号)、「絶望の深淵で輝きを見せるとき──『凶悪』、あるいは『白夜行』における演技について」(『ユリイカ』2017年8月臨時増刊号)など。

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