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2023年11月1日発売

志学社

出版社名ヨミ:シガクシャ

神武天皇伝承の古代史

志学社選書
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内容紹介
初代天皇たる神武天皇(カムヤマトイワレヒコ)は、天孫・ニギノミコトの曾孫である。歴史的実在/非実在にかかわらず、その名が皇統譜に記載され、記紀に東遷伝承が採録されていることは事実である。このことは、神武伝承が歴史的に形成されたことを意味する。それでは、なぜヤマト王権の始祖王たる神武は日向で生まれ、母系を隼人とし、そしてまた東遷にあたって多くの事蹟が伝えられるのであろうか。本書ではこれらの課題に対し、「不可解であるから後代の造作・捏造である」という無責任な立場をとらない。神話/伝承は恣意的な後筆によってその地位を確立できるようなものではないゆえである。記紀をはじめとする文献、そして富雄丸山古墳出土蛇行鉄剣などの考古的成果を駆使し、神武伝承が歴史的に必然性をもって成立したこと、そしてその時期が限定されることを説得的に提示する。
目次

第一章 神武天皇東遷伝承形成史論 ‐阿陀の鵜養と吉野の国栖‐
はじめに
神武天皇と吉野川流域Ⅰ -『古事記』の所伝-
神武天皇と吉野川流域Ⅱ -『日本書紀』の所伝-
「鵜飼が伴」の助け -久米歌の中の阿陀の鵜養-
鵜養の文化 ‐鵜葺草葺不合命の誕生神話と鵜の信仰-
蟹守と蟹の呪術 ‐『古語拾遺』の鵜葺草葺不合命出産の神話-
「阿太の別」氏と「鵜甘部首」氏
大和国宇智郡の隼人
井氷鹿と石押分之子 -吉野の国栖を中心にして-
始祖土中出現神話と隼人
大和国宇陀郡の南九州系集団 ‐蛇行鉄剣と関わって‐
畿内に移住した隼人とその実態
熊襲・隼人と渡来系集団の関係
国栖と「日の御子」と山背の隼人と
国栖笛工・山城氏について
神武天皇東遷伝承の文化史的特徴 ‐馬匹文化との関連‐
八咫烏伝承について ‐賀茂氏と神武天皇東遷伝承‐
隼人の畿内「移配」説と神武天皇伝承
神武天皇伝承と反映説の検討
日向神話と隼人と王権神話
熊襲から隼人へ ‐王権の時代観‐
おわりに ‐神武天皇の神話的位置づけと阿陀の鵜養‐

第二章 神武天皇伝承と賀茂の事代主神 ‐摂津の三嶋溝咋の神話と関連氏族‐
はじめに
富登多多良伊須須岐比売命の誕生 -丹塗矢型神婚神話-
大和葛城と山背葛野の賀茂氏
八尋熊鰐と化した事代主神
三嶋溝咋とは何者か
三嶋溝咋関連の先行研究
三嶋溝咋の素姓
おわりに

第三章 葛城の迦毛大御神の信仰と祭祀 ‐アヂスキタカヒコネ神の古代史‐
はじめに
アヂスキタカヒコネ神の神話
迦毛大御神=アヂスキタカヒコネ神の奉斎
アヂスキタカヒコネ神の神格Ⅰ ‐「アヂ」をめぐって‐
アヂスキタカヒコネ神の神格Ⅱ ‐「スキ」をめぐって‐
アヂスキタカヒコネ神の信仰
おわりに

第四章 大和の水分とヤマト王権の水源祭祀
はじめに -水分とは-
吉野水分神社
宇太水分神社
都祁水分神社
葛木水分神社
葛木水分と葛木御県
石川錦織許呂志
忍海刀自
古代忍海地域の人々
おわりに

第五章 白河上皇高野参詣の「火打崎」行宮の所在地 -古道から探る-
はじめに
『白河上皇高野御幸記』の旅程
鳥羽上皇の高野参詣の行程
論点の整理
古代の交通路からみた宇智郡
奈良時代の紀伊行幸の旅程
宇智郡の「火打」関連地名
先行説の検討
おわりに

終 章 神武天皇伝承の形成とヤマト王権

あとがき
著者略歴
平林章仁(ヒラバヤシアキヒト hirabayashiakihito)
タイトルヨミ
カナ:ジンムテンノウデンショウノコダイシ
ローマ字:jinmutennoudenshounokodaishi

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