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2021年2月18日発売

岩波書店

被差別部落認識の歴史 異化と同化の間

異化と同化の間
岩波現代文庫
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内容紹介
差別をする側、差別を受ける側の双方は部落差別問題をどのように認識してきたのか——明治維新後一八七一年の「解放令」発布から現代にいたるまで、人々の意識の中で部落差別が作りだされてゆく歴史を描き出し、その後の被差別部落研究に大きな影響を与えた名著、待望の文庫化。原著刊行後の動向を分析した補章を加える。
目次
凡 例
はじめに

第1章 「文明開化」と伝統的秩序意識との対抗
1 「開化」=平等理念と「旧習」温存とのはざま
形式的平等の実現/開化領域参入への代償
2 「同化」の希求と「旧習」墨守との対抗
被差別部落民衆による開化の受容/旧習への固執/在野知識人による開化主義の貫徹

第2章 「特殊化」の標識の成立
1 「異化」の定着
排除の常態化/開化による抵抗/不潔・病気・異種という標識の形成
2 「国民」化の模索
「部落改善」による国民化の希求/もう一つの帝国臣民化の途——移住・移民
3 「異種」認識と「家」意識との結合
結婚問題の浮上/異種認識の浸透

第3章 「特殊化」と「同化」の併存
1 「人種主義」の拡大
部落改善政策における人種主義の浸透/統合と排除の境位/屠場の発展と偏見の拡大/人種主義認識の流布
2 「特殊化」の修正
「同化」策への転機——大逆事件/排除の見直し
3 生起する「同化」論
「実業の育成」による同化論/「修養」・「開発」による同化論/「民族の融和」の一環としての同化論/「一般部落民の開発」の問題化

第4章 「異化」と「同化」の交錯
1 「恐怖」意識の形成
暴民像の形成/恐怖意識の定着と特種認識の再燃/「同情融和」の喚起
2 「平等」理念の認知と「誇り」・「自覚」の追求
人種差別撤廃要求との矛盾/歴史研究における人種起源説の粉砕/「人類平等の大義」による「同化」の促迫/「愛」と「正義」による差別撤廃の認知/立ちはだかる「家」・「因襲的精神」/"立ち後れたる部落"認識/自覚・誇りの追求/自力運動の旗揚げ
3 主体意識の結実——水平社の成立
誇りの高唱/共存する「同化」志向/水平社の理念の承認と反発
4 願望としての「プロレタリア」連帯
階級的「同化」の模索/無産者への一体化/「エタ意識」の死守
5 「融和」をめぐる対抗
人類平等の大義との矛盾の修正の提起/「差異」論から「同質」論への流れ込み

第5章 「国民一体」論と「人種主義」の相克
1 「特殊対策」か「一般対策」かをめぐる議論の交錯
部落経済問題の特異性の再確認/「被差別意識」の喚起——「内部カルト」の提唱/「自覚」の部落経済更生運動への吸収/階級的同化論の逢着点——水平社解消論——とその修正
2 「国民一体」の追求
支配層による国民一体論創出の模索/水平運動の融和主義への接近/国民一体への合流
3 「大東亜共栄圏」建設への献身と裏切られる期待
「大東亜建設」への国民一体の従属/国民一体のたてまえと人種主義の相克/「部落民」と「皇民」の二つの立場をめぐる対立/「反国家的」存在としての部落差別と噴出する矛盾/社会的地位上昇への期待と「同和運動」否定論の席巻

第6章 戦後民主主義下における国民的「同化」の希求
1 民主主義下での"平等"達成への期待
制度としての天皇制との対決/民主主義革命への期待と不信
2 問題の噴出
「家」意識の持続と変容——家格から血縁へ/行政施策不備の暴露/同和教育による民主化の内実への問いかけ
3 格差の強調と「国の責務」承認の実現
格差の強調による「同化」の追求/獲得、包摂、再生の模索へ
おわりに

補 章 部落問題の"いま"——その後の二〇年
格差の縮小と「誇りの語り」/「市民社会」への包摂/部落問題の「無化」/「人種」への流し込み/「他者感覚」をもつこと/日本社会の問題の「カナメ」

注 記
あとがき
岩波現代文庫版あとがき
著者略歴
黒川 みどり(クロカワ ミドリ kurokawa midori)
タイトルヨミ
カナ:ヒサベツブラクニンシキノレキシ
ローマ字:hisabetsuburakuninshikinorekishi

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