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2020年1月20日発売

中央公論新社

建国神話の社会史 虚偽と史実の境界

虚偽と史実の境界
中公選書
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内容紹介
天照大神の孫が高天原から降臨し、その孫である神武天皇がヤマトに東征、橿原宮で天皇の位に就く――『古事記』『日本書紀』に記されたこれらの神話が歴史的事実ではないことは、戦前の普通の々にとっても当たり前のことであった。史実ではないが、史実として扱い、そう振る舞っていたのである(こうした「建前と本音」的なものは、現代の私たちにも心当たりがある)。


神話の「史実」化には、天皇による統治を正当化するという明治政府の政治的目的があったのはもちろんだが、一方で民主化(神々の話合いは「万機公論」の根拠とされた)や経済振興の手段でもあったことは、今ではあまり知られていない。もっとも、「神話」を「史実」として受け止めることには、さまざまに無理も生じる。とくに教育現場における混乱は、いくつもの「笑えない」笑い話を残した。


本書は、幕末水戸学の尊王攘夷思想という建国神話重視の発端から、昭和天皇が「人間宣言」によって事実上、建国神話を否定するまで(そもそも、昭和天皇は科学者でもあった)、日本社会に起きた悲喜劇をエピソードたっぷりで描き出し、近代とは何か、歴史とは何か、国家とは何かを問い直す。



目次より

序 章 虚偽と史実の境界

第一章 神話が事実となるまで

一 日本の建国神話とは

二 なぜ「事実」になったのか?

三 教科書で「事実」とされたのはなぜか?
 
第二章 「事実」化の波紋

一 学校の外ではどうだったのか?

二 学校の中ではどうだったのか?

第三章 建国祭と万国博覧会

一 政治にどう利用されたか?

二 経済にどう利用されたか?

第四章 満州事変の影響は?

一 教室外でも始まる建国神話の「事実化」
  
二 建国神話教育への影響は?

第五章 日中戦争期の社会と建国神話

一 紀元二千六百年をめぐって
  
二 社会はどう受け止めたか?

第六章 太平洋戦争期とその後

一 国史教育のその後

二 効き目はあったか?

三 その後
 
終章 「建国神話の社会史」の旅を終えて
著者略歴
古川 隆久(フルカワタカヒサ furukawatakahisa)
古川隆久 1962(昭和37)年東京生まれ。1985(昭和61)年東京大学文学部国史学専修課程卒業、1992(平成4)年東京大学大学院人文科学研究科国史学専攻博士課程修了(博士(文学))。広島大学専任講師、横浜市立大学助教授などをへて、日本大学文理学部教授。専攻は日本近現代史。著書に『昭和戦中期の総合国策機関』(吉川弘文館 1992年)、『皇紀・万博・オリンピック』(中公新書 1998年)、『戦時議会』(吉川弘文館 2001年)、『戦時下の日本映画』(同上 2003年)、『政治家の生き方』(文春新書 2004年)、『昭和戦中期の議会と行政』(吉川弘文館2005年)、『昭和戦後史』上・中・下(講談社 2006年)、『あるエリート官僚の昭和秘史』(芙蓉書房出版 2006年)、『大正天皇』(吉川弘文館 近刊)などがある。
タイトルヨミ
カナ:ケンコクシンワノシャカイシ
ローマ字:kenkokushinwanoshakaishi

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