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2021年7月21日発売

中央公論新社

月白の道 戦争散文集

戦争散文集
中公文庫
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内容紹介
医師で詩人の丸山は臨時召集を受け、軍医少尉として出征。北ビルマ・ミイトキーナでは、司令官・水上源蔵少将に対し死守が命じられる。しかし少将は残存将兵への転身命令を絶筆に自決。部隊は全滅を免れるが、その後は「中国の雲南からビルマをよぎって、タイのチェンマイまでの泥まみれの敗退」となった……。

壮絶を極めた南方戦線から奇跡的に生還した著者は、その記憶を書き残す決意を固めるには四半世紀の時間を要したと述懐している。一九六九年から西日本新聞に連載した「月白の道」は、中国・雲南省からミャンマー、タイへと敗走を続けた戦場の記録である。

第一篇には、「私たちはおたがいに心の虫歯をもっていたほうがよい。…でないと、忘却というあの便利な力をかりて、微温的なその日ぐらしのなかに、ともすれば安住してしまうのだ」とある。声高に叫ぶのではなく感情を抑えたさざ波のような断章が連なり、野呂邦暢や川崎洋らが賞賛する詩的な香りの漂う孤高の戦記文学となった。

都合三度刊行された『月白の道』の「序」「あとがき」に加え、二度目の刊行時に書き加えられた「南の細道」、文藝春秋に寄稿した「軍神を返上した水上少将」、および、私家版『定本 丸山豊全散文集』から戦争・戦友に関する11篇を増補した、戦争散文の集大成。

さらに、野呂邦暢、森崎和江のエッセイ、川崎洋による詩集の解説、映像制作者・木村栄文の「『月白の道』に寄せて」を収録。
著者略歴
丸山 豊(マルヤマユタカ maruyamayutaka)
丸山豊 一九一五(大正四)年福岡県生まれ。三七(昭和一二)年、九州医学専門学校(現・久留米大学医学部)卒。四〇年から陸軍軍医として中国、フィリピン、ビルマを転戦。四六年の復員後、久留米市にて豊泉会丸山病院を開業。医師として働く傍ら詩作を行う。四七年、詩誌「母音」を創刊。谷川雁、川崎洋ら九州の詩人たちが参加した。七三年、第一回久留米市文化賞受賞、七四年、第三三回西日本文化賞受賞。八九年、日本現代詩人会主宰の先達詩人顕彰受賞。六三年にはアラゴン主宰の『フランス文学』誌上で「十人の日本詩人」に選出される。八九(平成元)年、アラスカ・アンカレッジにて客死。
タイトルヨミ
カナ:ツキシロノミチ
ローマ字:tsukishironomichi

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