近刊検索 デルタ

2021年2月2日発売

東京大学出版会

出版社名ヨミ:トウキョウダイガクシュッパンカイ

未完の多文化主義

アメリカにおける人種,国家,多様性
このエントリーをはてなブックマークに追加
内容紹介
人種,民族,階級,ジェンダー,セクシュアリティなど「多」の分断を抱える現代のアメリカ合衆国は,いかなる「一」であろうとしてきたか.公民権運動以来の多様性の政治を歴史社会学的に追い,いまバックラッシュのなかで失敗が宣告される「アメリカ型多文化主義」にアメリカを動かすダイナミズムを読む.
目次
序 章 多文化主義が終わる時代に?

第I部 多文化主義への社会学的アプローチ

第1章 多文化主義の社会学――アメリカ型多文化主義を考える視座
  1 社会学研究の対象としての多文化主義
  2 多文化主義とは何か
  3 アメリカ型多文化主義とは何か
  4 多文化主義という事象の歴史社会学

第II部 アメリカ型多文化主義の成立

第2章 人種リベラリズムと公民権――アメリカ多元主義と非差別政策の系譜
  1 20世紀転換期の多元主義の系譜
  2 人種リベラリズムと非差別政策
  3 1964年公民権法と制度的人種主義
  4 新しい多元主義――人種と多様性をめぐる対抗政治
  5 人種リベラリズムの時代と胎動する多文化主義

第3章 非差別と平等のための積極的措置――連邦政府と公民権改革
  1 「もう一つの多元主義」への跳躍?
  2 雇用機会均等委員会と非差別政策の形成
  3 人種主義を数値化する
  4 積極的措置の内実
  5 公民権改革は何を変えたのか?

第4章 人種を数える――連邦政府における人種とエスニシティの標準化
  1 「人種エスニック五角形」のアメリカ
  2 分権的な連邦統計制度と人種エスニックなカテゴリーの標準化
  3 OMB指令15号――標準化とその実践
  4 人種エスニック五角形の動態的編成

第5章 中立性規範と多様性規範――バッキ裁判とアメリカ型多文化主義の転換点
  1 積極的措置の危機
  2 「逆差別」論争への道程
  3 多文化主義と2つの規範
  4 アメリカ型多文化主義の転換点
 
第III部 多様性規範と反多文化主義の時代

第6章 多文化教育における包摂と多様性――ニューヨーク州教育改革を事例に
  1 多文化主義論争の登場――多文化教育と「文化戦争」
  2 1980年代における教育改革と多文化主義
  3 包摂のカリキュラム
  4 包摂から多様性へ――反多文化主義と多文化主義の折衝
  5 包摂,分裂,多様性――何が残り,何が欠落したか

第7章 反多文化主義の住民運動――カリフォルニア州における中立性規範と人種政治
  1 中立性規範による反多文化主義
  2 カリフォルニア地域政治における反多文化主義
  3 反「優遇措置」の住民提案――カリフォルニア州提案209号
  4 中立性規範による人種政治
  5 反多文化主義の時代へ

第8章 多人種主義の挑戦――人種エスニック五角形の危機と再編
  1 「アメリカの新しい顔」
  2 多人種主義運動と人種エスニック統計
  3 多人種の数え方――OMB指令15号の再検討
  4 修正される多文化主義――「1つ以上をマーク」ルールの確立
  5 多人種主義と「数値」の政治

第9章 多様性への多文化主義――オバマ現象/トランプ現象への水脈
  1 21世紀の多文化主義――新自由主義と安全保障化のなかの多様性
  2 多様性規範をめぐる政治――グラッター判決と積極的措置
  3 多様性規範の時代――オバマ現象と多文化主義
  4 トランプ現象と反多文化主義の政治
  5 アメリカ型多文化主義の「現在」

終 章 「未完のプロジェクト」のゆくえ


Multiculturalism as an Unfinished Project:
Race, State, and Diversity in the United States
MINAMIKAWA Fuminori
著者略歴
南川 文里(ミナミカワ フミノリ minamikawa fuminori)
立命館大学国際関係学部教授
タイトルヨミ
カナ:ミカンノタブンカシュギ
ローマ字:mikannotabunkashugi

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。

-- 広告 -- AD --

-- 広告 -- AD --

もうすぐ発売(1週間以内)

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを利用しています。