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2021年6月25日発売

株式会社音楽之友社

出版社名ヨミ:オンガクノトモシャ

「ピーターと狼」の点と線

プロコフィエフと20世紀 ソ連、おとぎ話、ディズニー映画
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内容紹介
春休みの宿題として、「ピーターと狼」のワークシートに取り組む中学生の「僕」。
そこへ突然、人形のような「道化師の妻」が現れ――!?
彼女に手渡された、輝くように明るい水色の本。
「ピーターと狼」の知られざる成立事情が、いま明かされる――

あの陽気でひねりがきいたメロディを、すぐに口ずさめるという人も多いでしょう。1936年にプロコフィエフが作ったこの曲は、作曲直後からソ連だけでなく外国でも大きな評判を呼びました。今も、子どものためのオーケストラの定番曲です。

この作品は、世界史とプロコフィエフの人生が交わる、一度きりの特別な「点」でした。
そこにどんな歴史があったのか?
その答えを探すため、ロシアからアメリカ、ヨーロッパ、ソ連へと移動したプロコフィエフの創作人生を追います。

キーワードは3つ。
「ソ連の陽気で勇敢な少年」~劇場監督サーツとの出会い、スターリン期の文化~
「パリ経由のロシアの昔話」~ディアギレフから学んだ民話の使い方~
「アニメとディズニーに近づく楽曲」~ディズニー本人に作曲家がアピールした「アニメ化」~

第一線の研究者が、ファンタジックな物語仕立てでお届けします!
目次
~プロローグ~

◆序

◆第一章 ソ連 ~劇場監督サーツとの出会い、陽気で勇敢な少年~
一度きりの特別な作品 
ロシアからの旅立ち 
アメリカからヨーロッパへ
ソ連への帰国 
監督ナターリヤ・サーツ
モスクワ児童劇場の立ち上げ
サーツ、中央児童劇場の監督になる
「交響曲」ではなく「おとぎ話」
わずか二週間での作曲、そして初演  
もうひとつの子どもの交響曲「音楽家ヴォロージャ」
検閲を通らなかった「赤ずきん」の台本 
スターリンが推奨したおとぎ話
ピーターは勇敢なピオネール(共産党の少年団員)
笑いにみちた「赤ずきん」と「金の鍵」
ソ連が求めたピーターの陽気さ
プロコフィエフとサーツのその後の悲劇

~アントラクト~

◆第二章 ヨーロッパ~パリで気づいたおとぎ話(スカースカ)の魅力~
はじめてのヨーロッパと、ロシア・バレエ団の衝撃 
あこがれのディアギレフとストラヴィンスキー
「ロシア的な音楽」を求められて…
冗談のうまい道化師
プロコフィエフがアヒルにかけた魔法   
おとぎ話の不思議な鳥、アヒル   
結婚、そしてパパになる
猫におそわれた小鳥事件
ストラヴィンスキーに初勝利
型破りな「狐」に学んだ遊び  
『ロシア民話集』の動物たち
木がある風景
世界で通用するあたらしさがほしい
「小象ババールの物語」につながる線

~アントラクト~

◆第三章 アメリカ~ディズニーのアニメーションがお手本?~
ウォルト・ディズニーに会う
世界に広まるディズニー版「ピーターと狼」
大衆に近づく道と映画に向かう道
「三つのオレンジへの恋」にひそむポップさ 
ハリウッド女優からの依頼 
トーキー映画の最新技術に魅せられて
ミュージカル・コメディ「陽気な連中」とジャズ
「陽気な連中」から「音楽家ヴォロージャ」へ
「狼なんかこわくない」から「ピーターと狼」へ 
めざせディズニー、追い越せディズニー
楽器を弾く動物たち
イメージをぴったり伴奏するという理想 
映画音楽「キジェー中尉」と「皇帝ドゥランダイ」
空想上のアニメーションのための音楽
時間と空間を超える音楽

~エピローグ~

あとがき

[付録]「ピーターと狼」の録音~日本、欧米、ソ連・ロシア

主な参考文献
写真・図版出典一覧
著者略歴
菊間 史織(キクマ シオリ kikuma shiori)
1980年東京都生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科、同大学院博士後期課程修了。音楽教育に携わりながらプロコフィエフ研究を続ける。最近の論文に「ソ連版《シンデレラ》とプロコフィエフのバレエ音楽:奇跡的な庭の描写をめぐって」(『阪大音楽学報』、2017年)、「『石の花』の連鎖から見たプロコフィエフのバレエ音楽」(『大阪国際児童文学振興財団研究紀要』、2019年)。項目執筆に『ロシア音楽事典』(カワイ出版、2006年)。
タイトルヨミ
カナ:ピータートオオカミノテントセン
ローマ字:piitaatoookaminotentosen

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