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2020年12月9日発売

株式会社音楽之友社

出版社名ヨミ:オンガクノトモシャ

マエストロ、ようこそ

日本クラシック界に歴史を刻む大芸術家たちと舞台芸術
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内容紹介
クライバー、バレンボイム、メータ、ベジャール…といった大芸術家たちから絶大な信頼を得て、日本のオペラ・舞台芸術界を昭和、平成、令和、と牽引してきた辣腕プロデューサーが明かした大巨匠たちとの交流と公演の記録。
特に不世出の天才指揮者クライバーとの親交は深く、「個人秘書」的役割を担うとともに「親友」ともいえる間柄だった著者。史上最高のオペラ公演といわれる1994年のクライバー指揮/ウィーン国立歌劇場《ばらの騎士》をはじめ、ミラノ・スカラ座、バイエルン州立歌劇場、ベルリン国立歌劇場、英国ロイヤル・オペラ…1974年~2002年の名門歌劇場来日公演の裏側、そして、世界的大芸術家たちとの交流を鮮やかに描く。修業時代に携わった歌舞伎や演劇、オペラ同様に深く関わったバレエなどにも触れ、“劇場人”として生きてきた約60年間を振り返る。『音楽の友』誌連載を大幅に再構成、加筆のうえ未公開写真も追加。バレンボイム推薦文も掲載。
目次
出版に寄せて(ダニエル・バレンボイム)
まえがき

■Prologue――マエストロ、ようこそ
◎第1章 晩年のクライバーとの交流
幻のウィーン・フィル・コンサート・イン・ジャパン/ ファストフードを共に嗜んだ92年のお忍び旅行/二人の名匠が偶然同乗! チェリビダッケと一触即発?/ギャラは特製リムジン!ドイツでの特別演奏会/父エーリッヒとの思い出語った96年クライバー最後の来日/最後の指揮は、観光地での限られた聴衆向けコンサート/最愛の妻を亡くし絶望の淵にあったマエストロ/巨星墜つ│世界中を駆け巡った訃報/自らの死期を悟り、妻の眠るコンシチャへ?/ 墓参りのため30年にわたる思い出を胸にスロヴェニアへ

◎第2章 オーケストラの魔術師たち
芸術性と娯楽性を融合させた才人プレヴィン[ロンドン交響楽団1975年]
バーンスタイン、マーラーの第9番で凄絶な名演[イスラエル・フィル1985年]
天才肌で神経過敏なクライバー[バイエルン州立歌劇場管弦楽団1986年]/豪華アーティスト、バレリーナたちとの交流
名手ゲルハルト・ヘッツエル[ウィーン室内合奏団1982年〜]
天真爛漫な天才バレンボイムと出会う﹇パリ管弦楽団1984年~]
赤ん坊が泣いてチケットが売れる[ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全曲演奏会 1987年]
東奔西走のバレンボイム[テルアビブ音楽祭、バイロイト音楽祭1987年]/オペラ・バスティーユ解任、ベルリン国立歌劇場、シカゴ響へ
東洋的な仁者メータと終生の友となる[イスラエル・フィル 1988年]

■ACT1――来日オペラ黎明期~文化が根付くまで
◎第3章 究極のオペラ探る旅路へ 名門歌劇場の初来日ラッシュ
【クワドリ指揮、東敦子主演《蝶々夫人》】(1973年)オペラ指揮者の職人芸に触れる
【バイエルン州立歌劇場】(1974年)歌劇場の規模の違いを実感/フネケ氏から学んだオペラの舞台技術/爆弾騒ぎの中、クライバーと出会う/演出家レンネルト氏、アングラ劇に夢中に
【英国ロイヤル・オペラ】(1979年)シェイクスピアの国の演劇力で圧倒/ベル・カント歌唱の極致、カバリエ
【ウィーン国立歌劇場】(1980年)プロデューサー業も本格的に開始/老舗の誇りでモーツァルト、R・シュトラウス軸に/シュタインと楽団員の職人魂/圧倒的な迫力で迫るニルソンとグルベローヴァ/ベームに迫られ、《君が代》を歌う/巨匠ベーム、最後の日本公演
【ミラノ・スカラ座】(1981年)規格外の巨大な舞台装置をまるごと日本へ/200人の外国人エキストラを集める/ゼッフィレッリ&クライバーで圧巻の《オテロ》/屋根裏部屋、一瞬にしてカルチェ・ラタンに/ミスター・スピーディーの〝商標〞を得る

◎第4章 巨大な山嶺、ワーグナーに挑む
【ベルリン・ドイツ・オペラ】(1987年)フリードリヒ「トンネル・リング」との遭遇/歌舞伎への思い蘇り、超大作に挑む/上演不可能? 会場巡って問題勃発/神奈川県民ホールに望みを託す/禍を転じて福となす、新発想の「トンネル」誕生/ホールと一体の祝祭空間作り/大王とルネ・コロとの確執を間近に/《君が代》演奏で抗議の電話殺到/リゲンツァ、サルミネン等々、ワーグナー歌手勢揃い/コロ、不調を克服した熱演で喝采

■ACT2――来日オペラ最盛期
◎第5章 個性を競い合う名門歌劇場
【英国ロイヤル・オペラ】(1986年) オブラスツォワ突然のキャンセル/絶不調のカレーラスをバルツァとなだめる
【メトロポリタン歌劇場】(1988年) 〝名誉挽回〞図るMETの再来日が決定/MET vs スカラ座、ライバルと競ってこそ商売繁盛/スター歌手勢揃いのMET日本公演、華々しく開幕
【ミラノ・スカラ座】(1988年)クライバー突然のキャンセル通告/クライバー説得にニューヨークへ/ロイヤル・オペラ、ハイティンクの協力を得る/ミラノからミュンヘン、悪夢のアルプス越え/ムーティ体制によるスカラ座新時代/クライバーに至上の敬意示すムーティ/マゼールとクライバーのミステリアスな邂逅/ゼッフィレッリ初来日! クライバーとの友情復活/ロバが歌った!?/ハプニング続出の《ボエーム》
【ウィーン国立歌劇場】(1989年)華々しくアバド時代が開幕/鬼才ロンコーニの演出と映像のトラブル続き/《ヴォツェック》 が老舗歌劇場の字幕導入促す/クライバーとアバド、〝先陣争い〞で思惑/キャンセルの続いた《魔笛》、二人の「タミーノ」の人生/ウィーン・フィル、バレエの装置に囲まれ練習

◎第6章 20世紀の掉尾を飾るオペラの饗宴
【英国ロイヤル・オペラ】(1992年) 演劇の国の力を再認識/オペラとバレエの〝宝石箱〞
【ベルリン・ドイツ・オペラ】(1993年)「未完の大器」ティーレマン初登場/大王は骨の髄まで〝劇場人〞/ワーグナーの芸術、より身近に
【ウィーン国立歌劇場】(1994年)タルコフスキー演出の《ボリス》登場/驚異の回り舞台! 生涯最高の《フィガロ》/《こうもり》のセットでNHKの歌謡ショー/史上最高水準の入場料オペラ芸術への理解を求めて/一世一代! クライバー最後のオペラ《ばらの騎士》/6公演で3000万円? 著作権料をめぐる裁判劇/トラブル続発の《ばらの騎士》最終日に起きた奇跡/多忙を極めついに入院!マエストロたちからの激励

◎第7章 世紀の変わり目 オペラの新時代
【ミラノ・スカラ座】(1995年)メータ、日本で初のオペラ指揮
【フィレンツェ歌劇場】(1996年)バレンボイム、オペラでも世界を席巻/新進指揮者ヴァイグレ、バスのルネ・パーぺ日本デビュー/《ヴォツェック》の字幕を巡ってシェローと一悶着
【ベルリン国立歌劇場】(1997年)バレンボイム、オペラでも世界を席巻/新進指揮者ヴァイグレ、バスのルネ・パーぺ日本デビュー/《ヴォツェック》の字幕を巡ってシェローと一悶着
【ベルリン・ドイツ・オペラ】(1998年)大王が三度目登場、ティーレマン音楽総監督に!/「絵を描きながら算数をする」のが〝劇場人〞
【ミラノ・スカラ座】(2000年)バブル崩壊後の沈滞 演目巡って一波乱?
【ウィーン国立歌劇場】(2000年)名門歌劇場の栄光にも陰り/初演の指揮者ガーディナー来日せず/想定外のキャスティングに暗雲も/スターたちの競演の裏でハプニングが続出!/たかが朝食、されど朝食
【フィレンツェ歌劇場】(2001年)映画監督チャン・イーモウと指揮者メータの出会い
【バイエルン州立歌劇場】(2001年)コンヴィチュニー、ムスバッハ、「読み替え」演出の時代に
【ベルリン国立歌劇場】(2002年)二度目の《リング》では生涯の友が巨匠の風格/NBS退団へ

■Epilogue――修業時代・オペラへの道 次代への思い
◎第8章 演劇への道 裏方の修業時代
花柳界を揺り籠に/舞台への旅立ち/我が師匠・佐々木忠次氏との出会い/卒業記念でモーツァルト《イドメネオ》日本初演/東宝入社、歌舞伎やミュージカルの舞台を経験/ハワイ大学留学、劇場英語習得/世界一周で知った本場の舞台/帝国劇場・国立劇場開場と人間国宝・中村歌右衛門/アメリカン・バレエ・シアター初来日公演/ミュージカル『ラ・マンチャの男』『スカーレット』

◎第9章 舞踊への道 バレエに魅せられて
初めて東京バレエ団の海外公演に同行/パリ・オペラ座、英国ロイヤル等々名門バレエ団の相次ぐ来日/アロンソ、フォンティーン、プリセツカヤが「バレエ・フェス」に結集/「世界バレエ・フェス」千秋楽と日航機墜落/玉三郎、バリシニコフ、ヌレエフ、ギエム、熊川哲也ら続々と/舞踊の巨人ベジャールと/20世紀バレエ団/ベジャールの『ボレロ』登場/黛敏郎の音楽で『忠臣蔵』をバレエ化した『ザ・カブキ』/『M』に託したドンと三島由紀夫の〝死〞/ノイマイヤー、キリヤン、そしてベジャールの『第九交響曲』

◎第10章 美学と感動の伝承 第二の人生始まる
●昭和音楽大学で教鞭
ベジャールから励ましの言葉/昭和音大から誘いがかかる/クライバーの言葉で決意新たに「舞台芸術概論」開講/世界中の第一人者たちを招きオペラ・シンポジウム/超大物講師が来日! ゲルブとコンヴィチュニー
●マエストロたちとの交流続く
メータと東日本大震災 感動のスピーチ/バレンボイムとウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団/ドゥダメル、ハーディング、若き指揮者たちとの日々/話題を席巻! バレンボイム「ブルックナー・ツィクルス」
●長い舞台生活に導かれて演出家に
演出家のキャリアスタート 杉乃井ホテル/麻実れい、佐藤しのぶとの出会い/《メリー・ウィドウ》演出で三位一体めざす/美術から振付まで 究極の職人芸を結集/再び佐渡裕のオペレッタで《こうもり》演出/福岡文化財団とNCBコンサート

あとがき
著者略歴
広渡 勲(ヒロワタリ イサオ hirowatari isao)
音楽プロデューサー、演出家。1940年福岡市生まれ。早稲田大学第一文学部卒(演劇専修)。東宝演劇部を経て70年ジャパン・アート・スタッフに移籍。日本舞台芸術振興会(NBS)及び傘下の東京バレエ団の制作プロデューサーとして世界の主要歌劇場やバレエ団を招聘し、総合プロデューサーとして活躍。2000年仏政府から芸術文化勲賞シュヴァリエ叙勲。2002年NBS退社後、昭和音楽大学教授就任(2011年より客員教授)。福岡文化財団理事。
上坂 樹(コウサカ・シゲル kousaka・shigeru)
1950年、山口県周南市生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、朝日新聞社に入社。支局、整理部を経て、学芸部で長らくクラシック音楽、舞踊を担当。現在、朝日カルチャーセンター千葉でエッセイ教室の講師を務める。
タイトルヨミ
カナ:マエストロヨウコソ
ローマ字:maesutoroyoukoso

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