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2018年8月29日発売

勁草書房

カント批判

『純粋理性批判』の論理を問う
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内容紹介
カントの超越論的観念論を一七~一八世紀の精神史の流れの中で捉え直し、愛着を持ちつつも神格化を排してその実像を明らかにする。
目次
まえがき

第1章 「独断のまどろみ」からの不可解な「覚醒」──「唯一の原理」への奇妙な道筋
 はじめに
 1 カントの説明
 2 ヒュームの議論
 3 補説・『人間知性についての研究』の場合
 4 カントの奇妙な対応(一)──ヒュームが最初から経験論者であったにもかかわらず
 5 思考実験──もしも基になる印象が見つかったとしたら、カントはどうするつもりだったのか
 6 カントの奇妙な対応(二)──「関係の観念」は印象や感覚ではありえないにもかかわらず
 7 関係の観念の特殊性──ロック・バークリ・ヒューム
 8 「唯一の原理」への道

第2章 ロックの反生得説とカントの胚芽生得説──カントが言うほどカントとロックは違うのか?
 はじめに
 1 カントのロック評──私はロックとはこのように違う
 2 なぜ経験由来であってはならないのか──必然性の問題
 3 ロックの反生得説
 4 「機会」・「胚芽」・「素質」
 5 ロックの実際の議論(一)──カントが言うのとは違っている
 6 ロックの実際の議論(二)──「単一性」の観念の場合
 7 ロックの実際の議論(三)──狭義における「実体」観念の場合
 8 カント自身の反生得説
 9 人間に固有のものなのか?
 10 「胚芽」と「素質」・再考──人類学主義
 11 ロックの「規約主義」

第3章 カントはロックとヒュームを超えられたのか?──アプリオリ化の実像
 はじめに
 1 ヒュームによるロックのなぞり
 2 「図式」論──カントはロックやヒュームを乗り越えてはいない
 3 知覚判断と経験判断
 4 カント説のもう一つの謎──必然性をめぐる循環
 5 自然科学を基盤とした形而上学

第4章 そもそも「演繹」は必要だったのか?──自身の「経験」概念の絶対化
 はじめに
 1 客観的演繹と主観的演繹
 2 客観的演繹の要
 3 カント自身の「経験」理解が基盤となって
 4 カントの議論の実際
 5 カントの立論の論理構造
 6 純粋知性概念(カテゴリー)の導出・再考
 7 カントの循環

第5章 判断とカテゴリーの恣意的な扱い──カントの隠れ自然主義
 はじめに
 1 「判断の量」と「量のカテゴリー」
 2 「判断の質」と「質のカテゴリー」
 3 論理のすり替え
 4 「図式」論におけるカントの説明
 5 「直観の公理」
 6 「直観」と「感覚」の区別
 7 「知覚の予想」
 8 ロックと比較して
 9 今日の自然科学においては
 10 古代ギリシャ以来の伝統
 11 伝統的論理学の視点の不当な使用
 12 「判断の関係」と「関係のカテゴリー」
 13 原則と自然科学の原理の深い関係
 14 カントの隠れ自然主義再説
 15 カントの循環再説──何のための「演繹」か?

第6章 空間の観念化とその代償──議論の浅さとその不整合の意味するもの
 はじめに
 1 「空間について」──「形而上学的究明」と「超越論的究明」
 2 序にあたる部分──「外的感官」と「内的感官」
 3 「空間について」──本論の基本的議論
 4 第二版での「形而上学的究明」と「超越論的究明」
 5 幾何学の可能性
 6 「多様なもの」とその「結合」
 7 ロックの場合(一)──観念の複合化と知識
 8 ロックの場合(二)──単純観念と識別
 9 空間中の対象と、多様なもの
 10 モリニュー問題から
 11 空間再考、そして、残された問題


あとがき
事項索引
人名索引
著者略歴
冨田 恭彦(トミダ ヤスヒコ)
冨田 恭彦(とみだ やすひこ) 1952年香川県生まれ。京都大学卒。博士(文学)。1981年京都教育大学助教授。京都大学教養部助教授、ハーバード大学客員研究員等を経て、2017年まで京都大学総合人間学部教授、大学院人間・環境学研究科教授。元総合人間学部長、人間・環境学研究科長。現在、京都大学名誉教授、同志社大学嘱託講師。著書に『ロック哲学の隠された論理』、『クワインと現代アメリカ哲学』、『ローティ』、『カント哲学の奇妙な歪み』、『カント入門講義』、『ロック入門講義』、Quine, Rorty, Locke、Locke, Berkeley, Kant、ナカニシヤ出版/角川ソフィア文庫「柏木達彦」シリーズ、講談社現代新書「生島圭」シリーズなど。共著に Studies on Locke、The Philosophy of Richard Rorty がある。

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