( )
定価:6,050円(5,500円+税)
判型:A5
電子書籍をチェック
書店在庫をチェック
内容紹介
教育は福祉との関係においてどのようなものであるか。近代日本における子ども福祉施設の指導者の教育思想の展開を辿りつつ検討する。
日本では明治期以降、育児院や養育院、孤児院、感化院といった、子どもに特別な養育をする福祉施設が創出された。本書は、近代日本の子ども福祉施設と教育思想の展開に着目し、孤児救済と貧困家族保護の問題に積極的に取り組んだ3人の民間事業家の思想と実践を分析する。さらには福祉と公教育の関係と役割を根本的に問い直していく。
日本では明治期以降、育児院や養育院、孤児院、感化院といった、子どもに特別な養育をする福祉施設が創出された。本書は、近代日本の子ども福祉施設と教育思想の展開に着目し、孤児救済と貧困家族保護の問題に積極的に取り組んだ3人の民間事業家の思想と実践を分析する。さらには福祉と公教育の関係と役割を根本的に問い直していく。
目次
はしがき
序章 子ども福祉施設指導者の教育思想──課題と方法
第一節 問題の所在
第二節 教育思想の社会史──分析視角
第三節 先行研究の検討──子ども福祉施設と教育の歴史研究
第四節 本書の構成
第一章 石井十次の家族観と岡山孤児院での養育──子ども救済事業から子ども保護事業への展開
はじめに
第一節 前期石井の家族観と孤児院における家族代わりの養育
第二節 後期石井の家族観と孤児院における家庭代わりの養育
第三節 孤児院から大阪事業への移行
おわりに
第二章 石井十次の国民教育思想と岡山孤児院での教育──天皇賛美とキリスト教信仰の共存
はじめに
第一節 孤児院における初等教育とキリスト教教育の展開
第二節 孤児院での祝賀会から附属小学校での祝賀式への移行
第三節 天長節と紀元節における行事内容と子どもたちの反応
おわりに
補論一 石井十次の憲法構想と茶臼原移転──孤児院から新教育とユートピアへ
第三章 冨田象吉の育児事業論と救済事業研究会──孤児院と保育所の関係変容
はじめに
第一節 二葉幼稚園と岡山孤児院をつなぐ人脈
第二節 二葉幼稚園が用いた「孤児院」の意味──親近感と共通した保育時間
第三節 冨田の育児事業論と救済事業研究会──「家庭制度」の孤児院から保育所へ
おわりに
第四章 冨田象吉の社会政策論と愛染橋夜間小学校の活動──不就学への対応と公立小学校普及
はじめに
第一節 冨田による大阪市教育政策批判と愛染橋夜学校の活動
第二節 冨田による社会政策批判と愛染尋常小学校の盛衰
第三節 愛染橋夜間小学校における不就学と経済的・文化的要因
おわりに
第五章 冨田象吉の子ども救護論と戦間期における保育所法令化論争──都市貧困地域と鉱業地域における幼児教育と子どもの労働保護
はじめに
第一節 児童保護法令から託児所法令をめぐる議論へ
第二節 世界恐慌後の託児所令制定要望運動の地域差
第三節 託児所令制定要望運動に対する冨田の立場と子ども救護論
おわりに
第六章 高田慎吾の子ども問題研究と大原社会問題研究所──子ども救護の「社会化」論における教育と栄養、自己修養
はじめに
第一節 高田の子ども問題研究の始まり──初発の関心とアメリカ北部視察報告
第二節 第一次世界大戦以後の高田の子ども保護論──母親扶助法と保育所をめぐって
第三節 欧米視察後の高田による子ども救護の「社会化」論──児童養育費と託児所
おわりに
補論二 子ども福祉施設とアナーキズムの接点
終章 教育と福祉のとらえ直し
第一節 子ども福祉施設と教育思想の展開──本書のまとめ
第二節 教育と福祉のとらえ直し──本書の意義と今後の課題
文献一覧
あとがき
人名索引
事項索引
序章 子ども福祉施設指導者の教育思想──課題と方法
第一節 問題の所在
第二節 教育思想の社会史──分析視角
第三節 先行研究の検討──子ども福祉施設と教育の歴史研究
第四節 本書の構成
第一章 石井十次の家族観と岡山孤児院での養育──子ども救済事業から子ども保護事業への展開
はじめに
第一節 前期石井の家族観と孤児院における家族代わりの養育
第二節 後期石井の家族観と孤児院における家庭代わりの養育
第三節 孤児院から大阪事業への移行
おわりに
第二章 石井十次の国民教育思想と岡山孤児院での教育──天皇賛美とキリスト教信仰の共存
はじめに
第一節 孤児院における初等教育とキリスト教教育の展開
第二節 孤児院での祝賀会から附属小学校での祝賀式への移行
第三節 天長節と紀元節における行事内容と子どもたちの反応
おわりに
補論一 石井十次の憲法構想と茶臼原移転──孤児院から新教育とユートピアへ
第三章 冨田象吉の育児事業論と救済事業研究会──孤児院と保育所の関係変容
はじめに
第一節 二葉幼稚園と岡山孤児院をつなぐ人脈
第二節 二葉幼稚園が用いた「孤児院」の意味──親近感と共通した保育時間
第三節 冨田の育児事業論と救済事業研究会──「家庭制度」の孤児院から保育所へ
おわりに
第四章 冨田象吉の社会政策論と愛染橋夜間小学校の活動──不就学への対応と公立小学校普及
はじめに
第一節 冨田による大阪市教育政策批判と愛染橋夜学校の活動
第二節 冨田による社会政策批判と愛染尋常小学校の盛衰
第三節 愛染橋夜間小学校における不就学と経済的・文化的要因
おわりに
第五章 冨田象吉の子ども救護論と戦間期における保育所法令化論争──都市貧困地域と鉱業地域における幼児教育と子どもの労働保護
はじめに
第一節 児童保護法令から託児所法令をめぐる議論へ
第二節 世界恐慌後の託児所令制定要望運動の地域差
第三節 託児所令制定要望運動に対する冨田の立場と子ども救護論
おわりに
第六章 高田慎吾の子ども問題研究と大原社会問題研究所──子ども救護の「社会化」論における教育と栄養、自己修養
はじめに
第一節 高田の子ども問題研究の始まり──初発の関心とアメリカ北部視察報告
第二節 第一次世界大戦以後の高田の子ども保護論──母親扶助法と保育所をめぐって
第三節 欧米視察後の高田による子ども救護の「社会化」論──児童養育費と託児所
おわりに
補論二 子ども福祉施設とアナーキズムの接点
終章 教育と福祉のとらえ直し
第一節 子ども福祉施設と教育思想の展開──本書のまとめ
第二節 教育と福祉のとらえ直し──本書の意義と今後の課題
文献一覧
あとがき
人名索引
事項索引
著者略歴
稲井 智義(イナイ トモヨシ inai tomoyoshi)
稲井 智義(いない ともよし)
1987年東京都生まれ。2018年東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。福井大学特命助教、北海道教育大学講師を経て、現在、北海道教育大学准教授。主著:『子ども観のグローバル・ヒストリー』(共著、原書房、2018)、『保育学用語辞典』(共著、中央法規出版、2019)。主論文:「持田栄一の幼児教育制度論──ルンビニー学園における実践の「共有化」との関わりに着目して」『幼児教育史研究』第11号(2016)、「気になる子どもの言説──障がい児の存在を読み解く」『保育学研究』第58巻第2・3号合併号(2020)。訳書:『世界子ども学大事典』(共訳、原書房、2016)。
タイトルヨミ
カナ:コドモフクシシセツトキョウイクシソウノシャカイシ
ローマ字:kodomofukushishisetsutokyouikushisounoshakaishi
※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。
もうすぐ発売(1週間以内)
アクセスランキング:日次TOP5
重版出来:最近の5点
※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを利用しています。