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定価:6,380円(5,800円+税)
判型:A5
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内容紹介
パブリック・ドメインの醸成と確保という視点から、新たな時代に対応できる柔軟な知的財産法の構築を目指す意欲的研究書
知的財産法の世界では、近年のめざましい技術の進歩を背景として、パブリック・ドメインとの境界線上における紛争が多発している。本書では、従来あまり重視されてこなかったパブリック・ドメインを中心に据えて、創作の奨励や産業・文化の発展のため、いかにしてパブリック・ドメインを豊かにし、その利用を確保するのかという観点から、各種の知的財産法の構築を目指す。
知的財産法の世界では、近年のめざましい技術の進歩を背景として、パブリック・ドメインとの境界線上における紛争が多発している。本書では、従来あまり重視されてこなかったパブリック・ドメインを中心に据えて、創作の奨励や産業・文化の発展のため、いかにしてパブリック・ドメインを豊かにし、その利用を確保するのかという観点から、各種の知的財産法の構築を目指す。
目次
はしがき[田村善之]
第1部 総論
第1章 特許制度における創作物アプローチとパブリック・ドメイン・アプローチの相剋[田村善之]
Ⅰ 問題の所在:創作物アプローチvs.パブリック・ドメイン・アプローチ
Ⅱ 特許制度における課題
Ⅲ 権利の入口の場面における相剋
Ⅳ 権利の出口の場面における相剋
Ⅴ 結びに代えて:権利の出口と入口のインタラクティヴな関係
第2部 特許要件
第2章 特許適格性要件の機能と意義に関する一考察[田村善之]
Ⅰ 関連規定
Ⅱ 自然法則の利用の要件の淵源
Ⅲ 事例研究
Ⅳ 解釈論の構築
Ⅴ 新規性・進歩性要件との関係
Ⅵ 結び
第3章 用途発明の意義──用途特許の効力と新規性の判断[前田 健]
Ⅰ はじめに
Ⅱ 用途発明の意義
Ⅲ 用途発明の特許権の効力
Ⅳ 用途発明の新規性
Ⅴ おわりに
第4章 パブリック・ドメイン保護要件としての新規性/進歩性の再構成──内在的同一について特許を認めたロシュv.アムジェン事件を端緒として[吉田広志]
Ⅰ 特許要件は何のために存在するか?
Ⅱ 内在的同一におけるPDと特許権の調整
Ⅲ 従来の裁判例
Ⅳ 検討
Ⅴ 終わりに代えて
第5章 AIと進歩性──若干の問題提起[中山一郎]
Ⅰ はじめに
Ⅱ 従来の議論
Ⅲ 問題の所在
Ⅳ 米国の先行研究
Ⅴ 若干の検討
Ⅵ おわりに
第3部 侵害の成否
第6章 「広すぎる」特許の規律とその法的構成──クレーム解釈・記載要件の役割分担と特殊法理の必要性[前田 健]
Ⅰ はじめに
Ⅱ 「広すぎる」特許はどのように処理されてきたか
Ⅲ 「広すぎる」特許はどのように処理すべきか
Ⅳ 保護の限界としての「明細書に開示された技術的思想」
Ⅴ おわりに
第7章 クレイム制度の補完としての均等論と第5要件の検討──第4要件との関係から考えるコンプリート・バーとフレキシブル・バーの相克[吉田広志]
Ⅰ 方法論としてのクレイム制度とその功罪
Ⅱ マキサカルシトール最高裁判決
Ⅲ 補正・訂正と第5要件──コンプリート・バーかフレキシブル・バーか
Ⅳ 第5要件と第4要件との関係
Ⅴ コンプリート・バー/フレキシブル・バーに関する裁判例──その1・否定例
Ⅵ コンプリート・バー/フレキシブル・バーに関する裁判例──その2・肯定例
Ⅶ 試論・あるべきフレキシブル・バーの高さを巡って
Ⅷ 結びに代えて
第8章 特許法の先使用権に関する一考察──制度趣旨に鑑みた要件論の展開[田村善之]
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 先使用権制度の趣旨
Ⅲ 発明の完成・事業の準備
Ⅳ 発明の同一性
Ⅴ 実施形式の変更の可否
Ⅵ 結びに代えて
第4部 救済
第9章 特許権侵害に対する差止請求権の制限に関する一考察[鈴木將文]
Ⅰ 本稿の目的
Ⅱ 特許制度における差止請求権の意義
Ⅲ 我が国の動向と課題
Ⅳ 国際的動向
Ⅴ 検討
第10章 COVID-19パンデミックにおける公衆衛生と特許──TRIPS協定ウェイバー提案を踏まえて[中山一郎]
Ⅰ はじめに
Ⅱ 公衆衛生と特許権の関係
Ⅲ COVID-19パンデミック下での医薬品アクセスと特許をめぐる動向
Ⅳ 今後の展望
Ⅴ おわりに
第11章 Kimble最高裁判決を通して見る米国における特許権のミスユースの展開──財産権・反トラスト・パブリックドメインという観点から[橘 雄介]
Ⅰ はじめに
Ⅱ Kimble事件
Ⅲ 特許権とミスユースの関係史
Ⅳ 反トラスト法とミスユースの関係史
Ⅴ おわりに:Kimble判決の意義と特許権の外延論への示唆
索引
初出一覧
執筆者紹介
第1部 総論
第1章 特許制度における創作物アプローチとパブリック・ドメイン・アプローチの相剋[田村善之]
Ⅰ 問題の所在:創作物アプローチvs.パブリック・ドメイン・アプローチ
Ⅱ 特許制度における課題
Ⅲ 権利の入口の場面における相剋
Ⅳ 権利の出口の場面における相剋
Ⅴ 結びに代えて:権利の出口と入口のインタラクティヴな関係
第2部 特許要件
第2章 特許適格性要件の機能と意義に関する一考察[田村善之]
Ⅰ 関連規定
Ⅱ 自然法則の利用の要件の淵源
Ⅲ 事例研究
Ⅳ 解釈論の構築
Ⅴ 新規性・進歩性要件との関係
Ⅵ 結び
第3章 用途発明の意義──用途特許の効力と新規性の判断[前田 健]
Ⅰ はじめに
Ⅱ 用途発明の意義
Ⅲ 用途発明の特許権の効力
Ⅳ 用途発明の新規性
Ⅴ おわりに
第4章 パブリック・ドメイン保護要件としての新規性/進歩性の再構成──内在的同一について特許を認めたロシュv.アムジェン事件を端緒として[吉田広志]
Ⅰ 特許要件は何のために存在するか?
Ⅱ 内在的同一におけるPDと特許権の調整
Ⅲ 従来の裁判例
Ⅳ 検討
Ⅴ 終わりに代えて
第5章 AIと進歩性──若干の問題提起[中山一郎]
Ⅰ はじめに
Ⅱ 従来の議論
Ⅲ 問題の所在
Ⅳ 米国の先行研究
Ⅴ 若干の検討
Ⅵ おわりに
第3部 侵害の成否
第6章 「広すぎる」特許の規律とその法的構成──クレーム解釈・記載要件の役割分担と特殊法理の必要性[前田 健]
Ⅰ はじめに
Ⅱ 「広すぎる」特許はどのように処理されてきたか
Ⅲ 「広すぎる」特許はどのように処理すべきか
Ⅳ 保護の限界としての「明細書に開示された技術的思想」
Ⅴ おわりに
第7章 クレイム制度の補完としての均等論と第5要件の検討──第4要件との関係から考えるコンプリート・バーとフレキシブル・バーの相克[吉田広志]
Ⅰ 方法論としてのクレイム制度とその功罪
Ⅱ マキサカルシトール最高裁判決
Ⅲ 補正・訂正と第5要件──コンプリート・バーかフレキシブル・バーか
Ⅳ 第5要件と第4要件との関係
Ⅴ コンプリート・バー/フレキシブル・バーに関する裁判例──その1・否定例
Ⅵ コンプリート・バー/フレキシブル・バーに関する裁判例──その2・肯定例
Ⅶ 試論・あるべきフレキシブル・バーの高さを巡って
Ⅷ 結びに代えて
第8章 特許法の先使用権に関する一考察──制度趣旨に鑑みた要件論の展開[田村善之]
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 先使用権制度の趣旨
Ⅲ 発明の完成・事業の準備
Ⅳ 発明の同一性
Ⅴ 実施形式の変更の可否
Ⅵ 結びに代えて
第4部 救済
第9章 特許権侵害に対する差止請求権の制限に関する一考察[鈴木將文]
Ⅰ 本稿の目的
Ⅱ 特許制度における差止請求権の意義
Ⅲ 我が国の動向と課題
Ⅳ 国際的動向
Ⅴ 検討
第10章 COVID-19パンデミックにおける公衆衛生と特許──TRIPS協定ウェイバー提案を踏まえて[中山一郎]
Ⅰ はじめに
Ⅱ 公衆衛生と特許権の関係
Ⅲ COVID-19パンデミック下での医薬品アクセスと特許をめぐる動向
Ⅳ 今後の展望
Ⅴ おわりに
第11章 Kimble最高裁判決を通して見る米国における特許権のミスユースの展開──財産権・反トラスト・パブリックドメインという観点から[橘 雄介]
Ⅰ はじめに
Ⅱ Kimble事件
Ⅲ 特許権とミスユースの関係史
Ⅳ 反トラスト法とミスユースの関係史
Ⅴ おわりに:Kimble判決の意義と特許権の外延論への示唆
索引
初出一覧
執筆者紹介
著者略歴
田村 善之(タムラ ヨシユキ tamura yoshiyuki)
田村 善之(たむら よしゆき)
東京大学大学院法学政治学研究科教授,北海道大学名誉教授.専門は知的財産法.主要著作に,『知的財産法〔第5版〕』(有斐閣,2010年),『ライブ講義知的財産法』(弘文堂,2012年),『知財の理論』(有斐閣,2019年)など.
タイトルヨミ
カナ:チザイトパブリックドメインダイイッカントッキョホウヘン
ローマ字:chizaitopaburikkudomeindaiikkantokkyohouhen
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