近刊検索 デルタ

2019年2月25日発売

三一書房

セクハラ・サバイバル

わたしは一人じゃなかった
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内容紹介
15年前、私はセクハラにあいました。派遣社員だった私は、当初、派遣先の上司から受けた執拗なセクハラを何とかうまくかわそうとしました。
生活していくために、仕事を辞めることはできなかったからです。しかし、上司のセクハラは嫌がらせの度合いを増し、パワハラも加わって次第に追い詰められていきした。
やっとの思いで相談した派遣先や派遣会社の人たちからは相手にもされませんでした。ついに心身に不調をきたし、死すら思うようになったときには、仕事を辞めるという選択しかありませんでした。

 けれども、支援者との出会いが私の人生を大きく変えました。暴力の被害を受けた女性の支援にずっと取り組んでこられたスタッフにめぐりあったとき、初めてセクハラについて「理解してもらえた」と思いました。そこから、回復を始めることができたのです。
 いま、この瞬間も、かつての私のようにつらい毎日を生き延びている被害者に、「あなたはひとりじゃない」「支援者につながろう」と伝えるために本書を書きました。そして、社会に向けて、被害者の身近にいる人たち、同僚や友人や家族に向けて、セクハラがどれほど深刻なダメージを与えるかを知ってもらいたい。
 また、職場のセクハラは労働災害だということを伝えたい。仕事が原因でケガや病気をしたとき労災保険で療養補償(医療費)や休業補償が受けられることはご存じでしょう。
しかし、セクハラによるメンタル不調が労災補償の対象となることを知っている人は、少ないのではないでしょうか。

 第1章では、やりがいを感じて仕事をしていた日々から一転、セクハラの被害にあい当たり前の日常が奪われていく苦悩の日々を、第2章は、人生の転機となるウイメンズ・ネット函館との出会いなどを、第3章は、労災認定を求めて闘う日々を、第4章では、被害当事者や全国の女性たちの声を受け、国がセクハラ労災認定基準の見直しを行う様子に触れます。第5章では、退職後も続く精神的後遺症のある期間の補償を求めて行う行政訴訟などを、第6章では、セクハラと闘うパープル・ユニオンを立ち上げ、当事者たちの事例を紹介しながら、今後の課題などについて語ります。
巻末には、セクハラや性暴力被害の相談先を掲載しました。
 本書は、セクハラを受け、仕事も生活も打ちくだかれ、心身ともに追い詰められた一人の女性の闘いの記録であり、再生の物語でもあります。
(まえがきより)
目次
第1章 それは忘年会の二次会の席で始まった
子ども時代
働き始めたころ
上司からのセクハラが始まる
心身に変調をきたす
理解されない周囲の対応で二次被害

第2章 ウイメンズ・ネット函館との出合い
1本の電話が人生を変えた
闘いの開始
退職すれば回復すると思っていた
【コラム①】セクシュアルハラスメントの被害者支援
――基本はエンパワーメントと当事者主義  近藤恵子

第3章 労災認定を求めて
労災申請の高いハードル
労災認定はされなかった
セクハラ労災認定を求めて行政訴訟を起こす
回復への道のり
【コラム②】セクハラ被害者の心理状況
――フェミニストカウンセラーの立場から  周藤由美子

第4章 セクハラ労災認定基準の見直し
当時者の声を反映するセクハラ分科会設置
現場の生の声を伝えたヒアリング
多くの被害者の声が国を動かした
「報告書」たたき台をめぐって
【コラム③】セクハラ事案に関する労災認定基準見直しの意義  戒能民江

第5章 闘いは続く――精神的後遺症のある期間の補償を求めて
支給されたのは一部の期間だけだった
あきらめず、二度も三度も行政訴訟
【コラム④】セクハラを生み出す構造を変える  中野麻美

第6章 痛みをちからへ
パープル・ユニオンを立ち上げる
セクハラを許さない社会の実現を
【コラム⑤】女たちの運動で制度を変える
――人間のつけた傷は、人間で癒す  遠藤智子
〈セクハラについての基礎知識〉
①職場におけるセクシュアルハラスメントとは(1)/②職場におけるセクシュアルハラスメントとは(2)/③性暴力神話/④二次被害につながりやすい言葉/⑤セクハラは性暴力/⑥PTSDの主な症状/⑦被害者に沈黙を強いる壁/⑧「意に反する性的言動」に関する裁判上の判断の変化/⑨労災申請をするには

おわりに

巻末資料
【資料1】セクシュアルハラスメント関連年表
【資料2】精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会
セクシュアルハラスメント事案に係る分科会報告書
【資料3】労災申請の流れ
【資料4】「業務による強い心理的負荷」が認められるかどうかの判断は?
【資料5】主な相談先
著者略歴
佐藤 かおり(サトウ カオリ)
1967年11月16日、北海道稚内生まれ、函館育ち。國學院大学北海道短期大学部国文科卒業。医療現場に7年間勤務。同時に司会業15年。派遣社員として勤務した大手通信会社でセクハラ被害に遭う。 2010年セクハラ労災行政訴訟を起こし勝訴(2015年)。セクハラ労災の認定基準見直しのきっかけとなる。DV・性暴力被害女性支援、子どもサポート、女性の労働問題、東日本大震災支援等に携わる。女性と人権全国ネットワーク共同代表、パープル・ユニオン執行委員長、NPO法人全国女性シェルターネット前事務局長、性暴力禁止法をつくろうネットワーク運営委員。

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