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2018年12月13日発売

人文書院

出版社名ヨミ:ジンブンショイン

薩長同盟論 幕末史の再構築

幕末史の再構築
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内容紹介
敵対から融和へ、それはいかにして実現したか。
最も新しく、最も詳細な薩長論、ここに成る。

敵対していた薩摩と長州が手を組み討幕への道をひらいたとされる薩長同盟。しか
し、そこに至る経緯を詳細にたどると、薩長の思惑のずれが見えてくる。それは明確
な「軍事同盟」ではなく小松帯刀と木戸孝允との「覚書」と呼ぶべきものだったので
はないか。文久二年から慶応二年までの四年間、目まぐるしく変化した情勢を整理
し、同時代の一次資料から幕末史の再構築を試みる意欲作。

「本書では、これまでの先行研究にも十分に目配りをしながら、主として薩摩藩にか
かわる一次史料の再検討と当時の政治動向の分析を精緻に行うことによって、あらた
な薩長同盟論を展開したい。これまでに、多くの研究者が使用してきた史料もふんだ
んに用いることになるが、場合によっては筆者独自の視点からの新たな解釈を加えた
い。原則として一次史料のみに依拠し、多角的に分析した政治動向と突き合わせなが
ら、実証的に分かり易く論を進めたい。その際には、薩長藩閥史観や司馬史観といっ
た、これまでの通説を培ってきた歴史観へ挑戦することとなろう。」(本書より)
目次
プロローグ

第一章 薩長衝突の過程――寺田屋事件から禁門の変
 第一節 島津久光の率兵上京と寺田屋事件
 第二節 薩長の確執激化と禁門の変

第二章 第一次長州征伐と幕薩対立
 第一節 西郷隆盛の強硬論とその変節
 第二節 長州征伐の経緯と西郷の動向

第三章 中央政局の動向と薩長融合運動の開始
 第一節 将軍の進発と薩長両藩の状況
 第二節 岩国領・宗藩の薩長融和に向けた動向

第四章 坂本龍馬の登場と薩長融和の促進
 第一節 龍馬の周旋開始と木戸との会談
 第二節 将軍進発と西郷の下関来訪問題

第五章 長州藩の軍需品購入と薩摩藩の協力
 第一節 井上・伊藤の周旋開始と海軍局の動向
 第二節 名義借り問題と薩長融和の促進

第六章 長州再征・通商条約の勅許と薩摩藩
 第一節 再征勅許に関わる幕薩対立
 第二節 通商条約勅許に関わる幕薩対立

第七章 桂久武の上京と薩摩藩の動静
 第一節 桂の上京目的――江戸藩邸引き上げ問題
 第二節 幕府の薩摩藩対応と京都藩邸内の対立

第八章 坂本龍馬・黒田清隆の派遣
 第一節 坂本龍馬の二回の長州藩派遣
 第二節 黒田清隆の派遣の実相
 第三節 木戸の上京と長州藩事情

第九章 「小松・木戸覚書」の成立と意義
 第一節 木戸孝允の上京と薩長交渉
 第二節 大久保の帰藩と「小松・木戸覚書」の成立
 第三節 「小松・木戸覚書」の内容と意義

エピローグ

参考文献
人名索引
著者略歴
町田 明広(マチダアキヒロ machidaakihiro)
町田 明広(まちだ・あきひろ) 1962年長野県生まれ。上智大学文学部・慶應義塾大学文学部卒業、佛教大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、神田外語大学外国語学部准教授・日本研究所副所長、明治維新史学会理事。専門は日本近現代史(明治維新史・対外認識論)。著書に『幕末文久期の国家政略と薩摩藩』(岩田書院)、『島津久光=幕末政治の焦点』(講談社選書メチエ)、『攘夷の幕末史』(講談社現代新書)、『グローバル幕末史』(草思社)、『西郷隆盛 その伝説と実像』(NHK出版)など。
タイトルヨミ
カナ:サッチョウドウメイロン
ローマ字:sacchoudoumeiron

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