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2020年4月8日発売

人文書院

出版社名ヨミ:ジンブンショイン

校歌の誕生

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内容紹介
校歌はいつ生まれ、どう広がったのか

いまや学校が校歌を持つことは当たり前となっている。しかし実は、明治以来現在まで、校歌を作ることを定めた法規は存在しない。ではなぜ、作成に手間を要する校歌がこれほど普及したのか。厖大な史料を読み解き、校歌の起源と展開に丹念に迫る、新発見に満ちた気鋭の研究。

「本書では、なぜ学校は校歌を必要としたのかを学制が公布された1872(明治5)年から1945(昭和20)年までを対象に、文部省、学校、地域社会の三つの視点から問うてきた。…制定することが義務付けられていたわけではないにもかかわらず、慣習的に学校に存在し続けてきた「もの」である校歌を手掛かりに、校歌という歌が学校にとっていかなる意味を持ち、学校、さらには地域社会のなかでどのような役割を果たしたのかを歴史的な視点から明らかにすることが本書のねらいであった。」(本書より)
目次
序 本書の視角
 1 問題関心と目的
 2 先行研究の整理
 3 本書の構成

第1章 文部省による唱歌認可制度の実施
 1 儀式と唱歌の結合
    学校における音楽教育の導入
    祝日大祭日儀式における唱歌の合唱
 2 文部省訓令第二号の公布
    文部省訓令第二号の公布意図
    文部省訓令第二号下における校歌の申請
 3 文部省訓令第七号の公布
    文部省による唱歌への統制
    俗曲の蔓延
    認可された唱歌

第2章 各学校における校歌作成の意図
 1 同一の校歌
    『長崎軍歌』に掲載された校歌
    『学校必用唱歌集 全』に掲載された《校歌》
 2 校歌の代替としての唱歌《金剛石》
 3 東京音楽学校への校歌作成委託
    東京音楽学校による校歌の作成
    委託と受託の状況
 4 校歌に求められた内容
 5 校歌の歌詞内容の変容
    明治期の校歌の歌詞内容
    京都市中の小学校校歌
 6 校歌への権威づけ

第3章 校歌と郷土教育運動との関わり
 1 校歌の普及
 2 郷土歌としての校歌
    校歌と郷歌
    郷土教育運動と校歌
 3 替え歌の校歌

第4章 文部省による唱歌への規制と校歌の扱い
 1 文部省訓令第七号の廃止とその後
 2 文部省による校歌への対応
 3 学校側の対応

終章 校歌は、いかなる歌として成立したのか

参考・引用文献

あとがき
著者略歴
須田 珠生(スダタマミ sudatamami)
須田 珠生(すだ・たまみ) 1990年広島県広島市生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程研究指導認定退学。京都大学博士(人間・環境学)。日本学術振興会特別研究員(DC2・PD)を経て、現在、京都大学人文学連携研究者。主な論文に「学校校歌作成意図の解明―東京音楽学校への校歌作成依頼状に着目して」(『音楽教育学』第46巻第2号、2017年)、「近代日本の小学校にみる校歌の歌詞の変容と郷土との関わり」(『音楽教育学』第48巻第2号、2019年)などがある。
タイトルヨミ
カナ:コウカノタンジョウ
ローマ字:koukanotanjou

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