近刊検索 デルタ

2018年9月1日発売

CCCメディアハウス

東西ベルリン動物園大戦争

このエントリーをはてなブックマークに追加
内容紹介
冷戦下のベルリン、代理戦争の舞台になった2つの動物園のヘンテコな実話
パンダで軍備拡張⁉ この状況ヤバい…

-------------------
西ベルリンも東ベルリンも、ある意味では町自体が二つの動物園だった。

西はベルリン動物園、窮屈な壁に閉じ込められた孤島の宝。
東はティアパルク、常に道半ばだった社会主義のユートピア。

二つの動物園は町のシンボルで、それぞれの体制を体現していた。
二人の園長はゾウや希少動物の数を競い、存在感を誇示した。
-------------------

ドイツ初の動物園である「ベルリン動物園」は第二次世界大戦でほとんどの動物を失い、壊滅的なダメージを受けた。第三帝国ナンバー2のヘルマン・ゲーリングと親しかった筋金入りのナチで、ベルリン動物園園長だったルッツ・ヘックは、ベルリン陥落寸前に自身の危険を案じて逃亡をはかり、そのまま行方不明となった。当時はまだ珍しかった女性の動物学者であり、動物園職員だったカタリーナ・ハインロートは、瀕死の夫や負傷者、そして動物を守るために園内にとどまるが、ついに園内に侵入してきた赤軍の暴行を受ける。カタリーナはそれでも瓦礫のなかから果敢に立ち上がり、戦後のベルリン動物園を立て直していく。

戦後、敗戦国であるドイツと首都ベルリンは、自由主義経済を推進する英・仏・米と社会主義国家のソ連の4カ国によって分割管理される。とりわけ西ベルリンは東ベルリンと接しながら、その他三方もソ連統治下の東ドイツに囲まれた「陸の孤島」ともいえる状況に置かれた。そんななか、東ベルリンで動物園を建設する計画が持ち上がる。広大な敷地を誇るティアパルク建設計画だ。

第二次世界大戦と冷戦を経て現在にいたるベルリンの歴史を膨大な関係者取材から「動物園」という視点で紐解いたノンフィクション。同時代の日本の動物園事情からもっとベルリンが見えてくる「動物園の歩き方」(執筆:黒鳥英俊)も収録。
目次
プロローグ――動物園人
壁で隔てられたボスジカ二頭
政治の舞台になった動物園
動物園の歩き方 ①

第1章 戦争とワニの尻尾のスープ
博士号をもつ「瓦礫の女」
動物園の塹壕
「クナウチュケ」のキャベツ
動物園のいじめ
動物園の歩き方 ②

第2章 動物園フィーバー
ベルリン動物園のライバル
鳥類研究家から飼育員に
「第二の動物園」構想
舞台に立つ動物たち
シュタージのメガネグマ
動物園の歩き方 ③

第3章 第四の男
ハインロートの強制退場
空中鉄道に乗ったゾウ
ドイツでいちばん若い動物園園長
駆け出しの青二才
西のロバと東のブタ
動物園の歩き方 ④

第4章 パンダと国家の威信
ダーテの活躍
住み家の問題
頑固な園長代理
運命とフライトスケジュールのはざまで
明白な関係性
動物園の歩き方 ⑤

第5章 狩猟家と収集家
世界最大の飼育舎
ヘラジカの輸送箱で
縄張りにライバル登場
汚れたラインのシロイルカ
トラ四頭にバク二頭
動物園の歩き方 ⑥

第6章 大きな計画、小さな魚
分断された動物園
東ドイツの実情
バク舎の運命
灰色の夢
動物園の歩き方 ⑦

第7章 一つの島に二頭のクマ
アンテロープから水族館へ鞍替えする
黄金のケージの中の黄金時代
シュミット首相の贈り物
東の石を西ベルリンに
島が沈む
動物園の歩き方 ⑧

第8章 灰色の巨人、倒れる
贈り物とひそかな企み
大きな変化
アドラーの旅立ち
ダーテとの別れ
動物園の歩き方 ⑨

エピローグ――古い男たちと新しい時代
人間でもなく、クマでもなく
クレースの最期
動物園の歩き方 ⑩

その後 

謝辞

訳者あとがき

監修者解説
著者略歴
ヤン・モーンハウプト(ヤンモーンハウプト)
1983 年、ドイツのルール地方に生まれる。 フリージャーナリストとして、『シュピーゲル・オンライン』、『ツァイト・オンライン』、『フランクフルター・アルゲマイネ日曜版』などさまざまなメディアに寄稿している。 『ターゲスシュピーゲル』には、東西ベルリンの動物園に関する記事を数年にわたって定期的に書いた。 本書執筆のためには、シュトゥットガルトからケムニッツまで、ドイツ各地の動物園を一年かけて体当たり取材し、公文書館をしらみつぶしに調べて回った。 スポーツ(特にサッカー)も得意ジャンル。
黒鳥英俊(クロトリヒデトシ)
1952 年生まれ、北海道函館市出身。京都大学大学院理学研究科後期博士課程単位取得退学。 1979 年から上野動物園と多摩動物公園でゴリラ、オランウータン、チンパンジーなどの類人猿の飼育を担当。2015年、37年間勤めていた動物園を退職。 2010 年より上野動物園で学芸員として教育普及や広報の仕事を行う。 同年より、京都大学野生動物研究センターで動物園のオランウータンの研究を継続し、2015年より日本オランウータン・リサーチセンター代表を務める。 また、2007年よりNPO ボルネオ保全トラストジャパンの理事として国内外でボルネオに生息するゾウやオランウータンなどの野生動物の保全活動を行っている。 さらに、茨城大学農学部で動物園学の非常勤講師も勤めるかたわら、多方面にわたって類人猿の保護、啓蒙活動を行っている。 著書に『オランウータンのジプシー』(ポプラ社)『モモタロウが生まれた』(フレーベル館)、翻訳書に「どうぶつの赤ちゃんとおかあさん」シリーズ『オランウータン』『ゴリラ』(共にスージー・エスターハス著、さえら書房)などがある。
赤坂桃子(アカサカモモコ)
ドイツ語・英語翻訳家。上智大学文学部ドイツ文学科および慶應義塾大学文学部卒。 ノンフィクション、人文・思想、文芸など、さまざまなジャンルを手がける。 主な訳書に『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望』(トーマス・ラッポルト著、飛鳥新社)、『ドローンランド』(トム・ヒレンブラント著、河出書房新社)、『ピネベルク、明日はどうする!?』(ハンス・ファラダ著、みすず書房)、『人生があなたを待っている――〈夜と霧〉を越えて 1・2』(ハドン・クリングバーグ・ジュニア著、みすず書房)など多数、共訳に『ゲッベルスと私──ナチ宣伝相秘書の独白』(ブルンヒルデ・ポムゼル+トーレ・D.ハンゼン著、紀伊國屋書店)など。

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを利用しています。