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2018年9月26日発売

東海大学出版部

神なき国の科学思想

ソヴィエト連邦における物理学哲学論争
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内容紹介
本書は、ソヴィエト連邦におけるマルクス主義自然哲学(弁証法的唯物論)と物理学理論との関係についての論争(物理学哲学論争)を時系列に沿って分析することにより、根本的・実証的批判を加えた。より精彩に富んだ歴史像を提示する。
目次
序論
第一章 背景__マルクス主義科学論の伝統とロシア革命
エンゲルス/ロシア・マルクス主義/十月革命以後の制度的・社会的整備/一九三〇年以前のロシア・ソ連における物理学

第二章 弁証法を求めて__一九二〇年代
デボーリンとその弟子たち/相対性理論をいかに受け入れるか/ニュートン力学の成果と限界/範疇的多元主義/ゼッセン対ブハーリン/最新の理論への弁証法の適用

第三章 デボーリン派の凋落__一九三〇・三一年
ミーチン派による攻撃/党の指令――雑誌『マルクス主義の旗のもとに』について/ゼッセン「『プリンキピア』の社会・経済的根源」の社会・思想的根源/批判と自己批判/「勝利者」同士の軋轢

第四章 遠隔操作、エネルギー、還元主義__一九三〇年代前半の諸相
遠隔作用を認めるのか?――電気工学者の問題提起/物質の複義性――物理学者の反応/力よりエネルギー――物理学者vs.哲学者/機械論者は相変わらず正しくない/電気工学者の焦燥――「味方」同士の反目/エネルギー保存則は保存される/還元主義に抗して――セルゲイ・ヴァヴィーロフ論文をめぐる論争

第五章 胎動の年__一九三六年
融和はそのまま__哲学戦線の中間総括/「理論と実践との乖離」――ヨッフェへの揺さぶり/ゼッセンの逮捕・銃殺――物理学界における粛清の開始/ルージン事件――ソヴィエト愛国主義の振興/「パトロン」の凋落――『ソレナ』誌の廃刊とブハーリンの退場

第六章 過熱する論争__一九三七年
焦燥は解消されず/電気工学者の「提訴」と物理学者の回答/「まだまだプリミティヴな唯物論」/転機――物理学者への攻撃/物理学者たちの反撃/抗議への抵抗/対物理学者同盟の結成――電気工学者と党イデオローグ

第七章 論争の継続__一九三八年前半
相対性原理は唯物論と矛盾しない/場についての洗練された議論を/「民主的」討議――/『マルクス主義の旗のもとに』読者からの反応/指導的物理学者の弁明/『物理科学の成果』誌に対する攻撃/モスクワ大学vs.科学アカデミー

第八章 和解と沈静化__一九三八年後半
イデオローグの疲れ/関係改善/「手打ち」式――指導的物理学者、電気工学者、党イデオローグ

第九章 オーソドックスな議論の定着__弁証法的唯物論と整合する解釈
相対性理論、あるいは時空について/場と物質の問題について/因果律、あるいは不可知論について/世界は復活する――マルクス主義的宇宙論

第十章 エピローグ__独ソ戦勃発以降の論争
戦争の中の平和/対決回避――後期スターリン時代の論争/その後――健全化

結論/あとがき/索引/付録
著者略歴
金山 浩司(カナヤマ コウジ)
金山 浩司 東海大学現代教養センター講師

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。

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