近刊検索 デルタ

2018年8月27日発売

平凡社

撰銭とビタ一文の戦国史

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内容紹介
信長~家康期の貨幣統合の足跡から中世と近世の転換点を探る。カネという社会通念を軸にして初めて見える戦国・江戸期の実態に迫る。
目次
はじめに――英雄が歴史を動かすのか、動かされているのか

第1章 銭はどこからきたのか――ないならつくる
銭とはなにか
銭不足から始まる「中世から近世へ」
銭が再び生産される
交換手段は誰がつくり出す?
後醍醐天皇、未完の造幣計画
室町時代も模造銭がつくり続けられる
日本独自の銭、無文銭が登場
室町幕府による銭の輸入量は小さい
銭の輸入チャネルはさまざま
そもそも輸入銭は潤沢だったのか
97枚で100文か、100枚で100文か
銭がなければ、紙片でまかなう
紙幣の先駆け、割符と祠堂銭預状
紙媒体を使うようになったわけ
銭を動かさず、ツケで取引する
戦乱と銭不足が信用取引を促す
日本産模造銭は庶民のニーズに応えた

第2章 銭はどう使われたのか――撰銭と銭の階層化
「どの銭も一枚一文」原則
撰銭とは
新しい銭を嫌い、古い銭を好む
撰銭する基準は地域でさまざま
等価値使用原則を変則的に運用する――組成主義
銭の階層化と減価銭
基準銭の地域差と悪銭売買
政府が撰銭現象を放置しなかったのはなぜか
大内氏が撰銭令を定めた背景
組成主義を採用する
基準銭を求める理由
食糧を求める人々を保護する
銭が持つ購買力を保証し続ける
大内氏と室町幕府の撰銭令の共通性
戦争と飢饉が撰銭令を促す
納税と貸借について規定する
撰銭令は「人々の期待への対応」?
撰銭令が語る16世紀半ばの銭不足
関東地方で永楽通宝が不足する
撰銭令が語る銭不足の地域差
人々は撰銭令に従ったのか
銭があれば戦争ができる社会
銭を階層化させる慣行に政府が乗る

第3章 銭はひとつになったのか――ビタと信長・秀吉・家康
変わる信長イメージ
信長、銭の不足に直面する
銭の慣行を受け入れる
米の使用を禁じる
石高制を導入する
撰銭令の目的は「秩序の回復」?
銭に振り回される
減価銭の台頭による方針転換
ビタ登場!
ビタが基準銭になる
信長もビタを選ぶ
全国統一までの秀吉の銭政策
東西の銭秩序を結合する試み
撰銭と銭の階層化が再び起こる
銭より金・銀を優先する
伝統が贈与の支払いを拘束する
江戸幕府もビタを基準銭にする
ビタを基準銭にする意図
それでもビタの階層化は続く
藩と民間による銭の供給と輸出
銭不足が紙幣を登場させる
私札の後を追って藩札が発行される
覇者たちは銭をつくらずビタに頼る

第4章 銭はどうなったのか――寛永通宝とその後
寛永通宝はビタのなれの果て
東アジア史のなかの寛永通宝
さよなら、ビタ――長い中世の終わり
中世の残照
銭の時代の終わり

おわりに
著者略歴
高木 久史(タカギ ヒサシ)
1973年大阪府生まれ。2005年、神戸大学大学院文化学研究科修了。博士(学術)。専門は日本中世・近世史。越前町織田文化歴史館学芸員を経て、現在、安田女子大学文学部准教授。著書に『日本中世貨幣史論』(校倉書房)、『通貨の日本史――無文銀銭、富本銭から電子マネーまで』(中公新書)、『近世の開幕と貨幣統合――三貨制度への道程』(思文閣出版)、共著に『新時代の博物館学』(芙蓉書房出版)、『Handbook of the History of Money and Currency』(Springer、近刊)などがある。

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連載記事

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