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2020年3月26日発売

法政大学出版局

出版社名ヨミ:ホウセイダイガクシュッパンキョク

尊厳と社会(上)

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内容紹介
上巻では、「尊厳ある社会」を構想する上で、主に制度設計の基礎になる議論を提示する。概念史編は、日本や中国における「尊厳」という言葉をめぐる議論、文学表現における問題、そして内外の哲学・倫理学における最新の成果を紹介する。生命政策編は、特に日本の現状における生命倫理についての問題を指摘し、脳神経科学と道徳、動物の尊厳などを論じる。環境政策編は、環境問題だけでなく自然概念の問い直しを行う。
目次
編者前書き「人間の尊厳を守る社会」の構築に向けて(加藤泰史)

第Ⅰ部 概念史編
第1章 日本の思想における尊厳と尊貴──世界における人間の位置(清水正之)
第2章 尊厳概念の再概念化──和辻哲郎の視点から(ジョン・C・マラルド/高畑祐人 訳)
第3章 先行する承認──概念自体がもつ教育上問題のある含意(へイキ・J・コスキネン/徳地真弥 訳)
第4章 カントの価値論?──再構成のための一試論(ゲアハルト・シェーンリッヒ/高畑祐人 訳)
第5章 尊厳と羞恥──尊厳の毀損と辱めについて(マティアス・シュロスベルガー/岩田健佑+横山陸 訳)
第6章 文学の経験表現から考究できる〈尊厳〉の諸相(ギブソン松井佳子)
第7章 伝統中国における梅の表象(陳健成+小島毅)
第8章 中国近代の尊厳概念──魯迅の小説を通して(牧角悦子)

◎読書案内コラム
1 西野基継『人間の尊厳と人間の生命』(中澤武)
2 高橋隆雄編『ヒトの生命と人間の尊厳』(品川哲彦)
3 小松美彦『生権力の歴史──脳死・尊厳死・人間の尊厳をめぐって』、『「自己決定権」という罠──ナチスから相模原障害者殺傷事件まで』(香川知晶)

第Ⅱ部 生命政策編
第1章 現代日本の生命倫理学と尊厳の問題・序説(加藤泰史)
第2章 脳神経科学・道徳生理学・行為の根拠(バート・ハインリクス/高畑祐人 訳)
第3章 苦を感じる能力のない生物の保護されるべき価値についての考察(フランク・ディートリッヒ/小林道太郎 訳)
第4章 (神経)エンハンスメント(ベッティナ・シェーネ゠ザイファート+ダヴィニア・タルボット/小林道太郎 訳)

◎読書案内コラム
4 盛永審一郎『人受精胚と人間の尊厳──診断と研究利用』(高木駿)
5 松田純『安楽死・尊厳死の現在──最終段階の医療と自己決定』(品川哲彦)

第Ⅲ部 環境政策編
第1章 自然保護における取り換え可能性に対する制限(ディーター・ビルンバッハー/岩佐宣明 訳)
第2章 「時折、家の外に出ていって木々を見ていたい」──自然の固有価値についての哲学的考察(アンゲーリカ・クレプス/船木祝 訳)
第3章 自然を承認する次元(マルティン・ゼール/徳地真弥 訳)

執筆者・訳者紹介
著者略歴
加藤 泰史(カトウヤスシ katouyasushi)
1956年生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。一橋大学大学院社会学研究科教授。哲学、倫理学。Kant’s Concept of Dignity, Berlin, Boston: De Gruyter, 2019(Gerhard Schönrichとの共編著),「尊厳概念史の再構築に向けて」(『思想』第1114号、2017年)、『思想間の対話』(分担執筆、法政大学出版局、2015年)、ほか。
小島 毅(コジマ ツヨシ kojima tsuyoshi)
1962年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科教授。中国思想史。『儒教の歴史』(山川出版社、2017年)、『近代日本の陽明学』(講談社、2006年)、『宋学の形成と展開』(創文社、1999年)、『中国近世における礼の言説』(東京大学出版会、1996年)、『中国思想史』(共著、東京大学出版会、2007年)、ほか。
タイトルヨミ
カナ:ソンゲントシャカイジョウ
ローマ字:songentoshakaijou

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