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2021年4月13日発売

みすず書房

最底辺のポートフォリオ【新装版】

1日2ドルで暮らすということ
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内容紹介
バングラデシュの首都ダッカ。スラムに住むカデジャは子どもの世話をしながら、裁縫の内職で収入を得ている。彼女は、近所の主婦ふたりから大事なお金を預かる〈マネーガード〉でもある。
インド南部ヴィジャヤワーダ。ジョティの生業は、毎日スラムをまわって、顧客の主婦から少額の預金を集めること。商売道具はマス目の書かれた手作りの通帳。220日分が埋まったとき、彼女はそのうちの20日分を顧客から手数料として徴収する。盗まれるかもしれない、夫に使われてしまうかもしれないお金を守り、子どもを学校に通わせてあげるための唯一の方法なのだ。
最貧国の家計は、収入の「少額」「不定期」「予測不可能」という三重の困難に取り巻かれている。本書は〈ファイナンシャル・ダイアリー〉という聴き取り調査を分厚く積み重ねた研究の成果であり、貧しい人々が編み出した創意工夫の数々をルポルタージュとも言える筆致で描きながら、マイクロファイナンスやインフォーマル金融の実態を分析する。さらに、「信頼性」「利便性」「柔軟性」「構造」という原則を提示して、貧困からの離陸のために金融になにができるのか、新たな道筋を示す。
目次
第1章 貧困者のポートフォリオ
ファイナンシャル・ダイアリー/購買力と貧困者のファイナンス/さまざまなポートフォリオ/少額、不定期、予測不可能/リスクに対処し、まとまった資金を作る/ポートフォリオの諸相/理解しづらい価格設定/マイクロファイナンスを見直す/世界規模の信頼性の確立を目指して

第2章 骨の折れる日々
小さな残高、大きなキャッシュフロー/不安定な仕事を掛け持ちしても……/……それでも増えない収入/予測不可能性/フォーマル部門の仕事は安心か?/金融取引のパートナー/小規模な貸付と借入/三重の障害の完成/フォーマルな機関を使うのか?/まとめ

第3章 リスクに対処する
リスクとともに暮らす/保護を得る/インド——国が支援する貧困者のための保険/バングラデシュ——「貧困者重視」の民間生命保険会社と信用生命保険/南アフリカ——葬儀保険/あちらから、こちらから/健康問題は金融問題/モラルハザードの二つの側面/より良いツールに向けて

第4章 こつこつと積み上げる——まとまった資金を作る方法
貧困者にも貯蓄はできる/貯蓄と借入——アキュムレータとアクセラレータ/つねに十分というわけではない/まとめ

第5章 お金の値段
価格の複雑な起源/手数料 vs 利子率/定価 vs 実際の価格(値段)/利益を確保、リスクを最小化するための価格設定/マイクロファイナンス・ローン/貯蓄する側の視点から/まとめ

第6章 マイクロファイナンス再考——グラミン II ダイアリー
貧困者のための組織的な金融サービス/グラミン II/グラミン II ダイアリー/通帳式貯蓄預金でキャッシュフローを管理する/ローンによる、キャッシュフロー管理とまとまった資金の形成/拘束性貯蓄口座を活用してまとまった資金を蓄える/グラミン III?

第7章 よりよいポートフォリオへ
普遍的なサービスのための努力/機会と原則/提供者側の課題/お金を最大限活用する

付録1 ポートフォリオの裏話
定性的調査法と定量的調査法の融合/金融——お金と時間の交わるところ/世帯を選ぶ/ある日、見知らぬ人物が訪ねてきて……/ポートフォリオ/ファイナンシャル・ダイアリーを用いた手法の強みと弱み
付録2 ポートフォリオ抜粋

謝辞
解説
図表リスト
参考文献
原注
索引
著者略歴
ジョナサン・モーダック(ジョナサンモーダック jonasanmoodakku)
ニューヨーク大学教授。低所得者への質の高い金融サービスの拡大を目指す経済学者の集合体であるファイナンシャル・アクセス・イニシアティブのマネージング・ディレクター。著書(共著) The Economics of Microfinance (MIT Press 2005, 2nd edition 2010)、 Portfolios of the Poor: How the World’s Poor Live on $2 a Day (Princeton University Press, 2009, 『最底辺のポートフォリオ——1日2ドルで暮らすということ』野上裕生監修・大川修二訳、みすず書房、2011)。
スチュアート・ラザフォード(スチュアートラザフォード suchuaatorazafoodo)
バングラディシュのマイクロファイナンス機関であるセーフセーブの創設者。著書 The Poor and Their Money: Microfinance From a Twenty-First Century Consumer’s Perspective (Oxford University Press, 2001)、共著 Portfolios of the Poor: How the World’s Poor Live on $2 a Day (Princeton University Press, 2009, 『最底辺のポートフォリオ——1日2ドルで暮らすということ』野上裕生監修・大川修二訳、みすず書房、2011)。
ダリル・コリンズ(ダリルコリンズ darirukorinzu)
元ケープタウン大学講師。現在はバンカブル・フロンティア・アソシエイツのシニアアシスタント。南アフリカでの直近のダイアリー調査を主導。共著 Portfolios of the Poor: How the World’s Poor Live on $2 a Day (Princeton University Press, 2009, 『最底辺のポートフォリオ——1日2ドルで暮らすということ』野上裕生監修・大川修二訳、みすず書房、2011)。
オーランダ・ラトフェン(オーランダラトフェン oorandaratofen)
オクスフォード大学で国際開発のPhDを取得。英国国際開発省との調査コンサルタント業務の後、現在はインド在住。共著 Portfolios of the Poor: How the World’s Poor Live on $2 a Day (Princeton University Press, 2009, 『最底辺のポートフォリオ——1日2ドルで暮らすということ』野上裕生監修・大川修二訳、みすず書房、2011)。
野上裕生(ノガミヒロキ nogamihiroki)
1961年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。日本貿易振興機構アジア経済研究所に勤務した。2012年死去。著書『人間開発の政治経済学』(アジア経済研究所、2007)共編著『貧困と開発』(絵所秀紀・穂坂光彦共編著、日本評論社、2004)共訳書 アマルティア・セン『不平等の再検討』(池本幸生・佐藤仁共訳、岩波書店、1999)モーダック他『最底辺のポートフォリオ——1日2ドルで暮らすということ』(みすず書房、2011)ほか。
大川修二(オオカワシュウジ ookawashuuji)
1961年生まれ。翻訳家。訳書 シュルツ他『スターバックス成功物語』(日経BP社、1998)マズロー『完全なる経営』(日本経済新聞社、2001)『コトラーのマーケティング・コンセプト』(東洋経済新報社、2003)モーダック他『最底辺のポートフォリオ——1日2ドルで暮らすということ』(みすず書房、2011)など。
タイトルヨミ
カナ:サイテイヘンノポートフォリオ
ローマ字:saiteihennopootoforio

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みすず書房の既刊から
ザビーネ・ホッセンフェルダー/著 吉田三知世/翻訳
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