近刊検索 デルタ

2021年7月13日発売

みすず書房

疾病捜査官

感染症封じ込めエキスパートの事件簿
このエントリーをはてなブックマークに追加
内容紹介
■著者カーンは元・米国CDC(疾病対策センター)の実地疫学専門家(EIS)、またの名を「疾病捜査官」。その任務は世界中で発生したアウトブレイクの究明と制圧だ。これは、サル痘からエボラ出血熱、炭疽菌テロからSARSまで、さまざまな病原体や感染症の封じ込めの現場を振り返る事件簿である。
■種々のアウトブレイクはそれぞれどのように勃発し、感染はいかにして拡がったのか。必要な対策はどうやって見出されたのか。そしてもしアウトブレイクが、テロ攻撃だった場合には? 生物学、医療、行政、地域文化までが絡み合ったパズルを、疾病捜査官は時間との闘いのなかで解きほぐしていく。
■COVID-19発生以前にも数多くの危機があったが、各種のエキスパートたちの奮闘によって局所で封じ込められてきた。パンデミックはつねに紙一重のところにあったのであり、本書の予言的記述の数々にも愕然とさせられる。カーン博士の扱った事例はサスペンスフルな探偵物語のようでありながら、公衆衛生について重要な教訓を示してくれる。感染症への耐久力は、何よりもコミュニティーに備わるのだ。次のアウトブレイクをパンデミックにしないために、現場のエキスパートの経験とその教訓に耳を傾けたい。
目次
序文
2020年版のための序文

第一章 初めての調査
疾病捜査官になる
季節はずれのインフルエンザ
マイナーチェンジを繰り返すウイルス
ワクチンのミスマッチ
新型インフルエンザの連続発生

第二章 名前のないウイルス
ハンタウイルスを疑う
探索像の形成
先入観は禁物――アルゼンチン、チリ
予期せぬ結果の法則――ブラジル

第三章 悪魔の顔を垣間見る
中東の国々で
エボラのアウトブレイク 1995年
疾病捜査官の派遣
熱帯の地獄に対処する
地域文化と感染症
アウトブレイクの終結

第四章 どちらの家にも災厄は来る
天然痘とサル痘
地元の村で調査をするには
そこで暮らすこと
政治的混乱の中で
リスクはあらゆる場所に

第五章 生物学とテロ
炭疽菌テロの始まり
バイオテロの経験
防衛プログラム
炭疽菌を封じ込める
ブレントウッドでのアウトブレイク
膨らむ疑心と混乱
異文化コミュニケーション
テロリストの正体

第六章 病原体の移動
「こちら側」に来たウイルス
ウエストナイル熱 1999年
レストンエボラウイルス 1996年
家禽の鳥インフルエンザ 2002年
鳥インフルエンザのサーベイランス
H5N1
リフトバレー熱

第七章 始まりはメトロポールホテル
アウトブレイクからエピデミックへ
情報をつなぎ合わせる
パンデミックの段階へ
シンガポールのアウトブレイク
SARSパンデミックの封じ込め

第八章 大洪水の後
致命的な遅れ
災害
都市機能の破綻
公衆衛生上の教訓
調べて、知らせる

第九章 シエラレオネ
国防省主導?
現場に出てみると
感染の性質を知る
住民を理解すること
伝統的治療師とチームを組む
不合理な思考はどこにでもある

第一〇章 #jesuislemonde(#私は世界)
次のパンデミックを防ぐために
気候変動
憂慮すべき問題
対応能力はコミュニティーに備わる

訳者あとがき

参考文献
索引
著者略歴
アリ・S・カーン(アリカーン arikaan)
疫学、バイオテロリズム、グローバル公衆衛生、新興感染症の専門家。1991年よりCDC(米国疾病対策センター)および米国公衆衛生局士官部隊のエピデミック・インテリジェンス・サービス(EIS)オフィサーとして、腎症候性出血熱、マラリア、ポリオ、サル痘、エボラ出血熱、リフトバレー熱、SARS、MARS、新型インフルエンザ(2009)などのアウトブレイク対応や、炭疽菌テロ対応(2001)、スマトラ島沖地震による津波災害(2004)、ハリケーン・カトリーナによる被害(2005)などの災害時疫病対策などに携わった。2010年-2014年、CDCの公衆衛生実践プログラム・オフィス(Office of Public Health Preparedness and Response, PHPR)のディレクターを務め、2014年よりネブラスカ大学医療センター公衆衛生カレッジ学長。
ウィリアム・パトリック(ウィリアムパトリック wiriamupatorikku)
リトル・ブラウン社、ハーバード・ユニバーシティ・プレス社など複数の出版社で科学・医学書編集者としてエドワード・O・ウィルソン、ジェーン・グドールらの本を手掛け、その間にSpirals(Houghton)、Blood Winter(Viking)の小説2作を発表。1999年よりフリーランスの著述・執筆協力専業となり、数々の著名人の作品を編集。共著者/ゴーストライターとして、Loneliness: Human Nature and the Need for Social Connection(W. W. Norton)〔ジョン・T・カシオポ『孤独の科学』(河出文庫)〕、The Measure of a Man(HarperSanFrancisco)〔未邦訳のシドニー・ポアチエ自伝(Harper)〕、Thieves of Baghdad(Bloomsbury)〔マシュー・ボグダノス『イラク博物館の秘宝を追え』(早川書房)〕、Legacy of Ashes(Doubleday)〔ティム・ワイナー『CIA秘録』(文春文庫)〕などに携わる。
熊谷玲美(クマガヤレミ kumagayaremi)
翻訳家。大学で地球物理学を学んだのち、独立行政法人勤務を経て現在に至る。訳書に、エリック・アスフォーグ『地球に月が2つあったころ』(柏書房)、サラ・パーカック『宇宙考古学の冒険──古代遺跡は人工衛星で探し出せ』、アランナ・ミッチェル『地磁気の逆転──地球最大の謎に挑んだ科学者たち、そして何が起こるのか』(以上、光文社)、トム・クラインズ『太陽を創った少年──僕はガレージの物理学者』(早川書房)、ティム・スペクター『ダイエットの科学──「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』(白揚社)、ほか多数。
タイトルヨミ
カナ:シッペイソウサカン
ローマ字:shippeisousakan

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。

みすず書房の既刊から
生島美紀子/著
カロリン・エムケ/著 浅井晶子/翻訳
エヴァ・ホフマン/著 早川敦子監訳/監修・翻訳 柳田利枝/翻訳 上神弥生/翻訳 香山はるの/翻訳 ほか
シグムント・ステイン/著 辻由美/翻訳
クリストファー・クラーク/著 小原淳/翻訳 齋藤敬之/翻訳 前川陽祐/翻訳
鳥飼玖美子/編集 野田研一/編集 平賀正子/編集 小山亘/編集

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを利用しています。