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定価:2,860円(2,600円+税)
判型:四六
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内容紹介
海外の社会学者が構築主義のアプローチから日本の「若者問題」を分析。援助交際やひきこもりといった社会問題が存在するかどうかよりも、それがいかに社会問題化されるのかというプロセスに注目することで、従来の若者論とは異なった風景が我々の前に立ち上がる。
目次
日本では生まれ得なかった「日本の若者」の社会学(古市憲寿)
第1章 若者問題を解く(トゥーッカ・トイボネン、井本由紀)
はじめに
・日本の若者の社会学
社会学的観点の色眼鏡
1 合意と葛藤――社会の性質を捉えるための二つのモデル
2 構造と主体的行為――社会と個人の関係を捉えるための二つの見方
3 社会問題に対する構築主義的アプローチ
二つの事例
「いじめ」の事例
「オタク」の事例
若者問題の研究――六つの前提
「帰国子女」から「ニート」まで
第2章 「かわいそうな子ども」から「特権をもつ子ども」に――日本の帰国子女に対する認知と地位の変化についての過去五〇年間の概観(ロジャー・グッドマン)
帰国子女とは誰か?
第一段階:「帰国子女問題」の創造と、「産業」の発展
第二段階:「再統合の時期」と帰国子女研究の発展
第三段階:新たな特権的エリートとしての帰国子女
帰国子女の地位はなぜ、どのように変化したか
帰国子女に関する対立する見方
二一世紀における帰国子女の脱問題化
第3章 ナラティブと統計――「援助交際」はどのように売られたか(シャロン・キンセラ)
はじめに――スキャンダル
メディア
・メディアを通じたナラティブの展開
・援助交際と集団的多義性
統計
・統計学的証拠の収集と解釈をめぐる論争
・覗き見行為と統計
演じる少女たち
政府の行動と法的措置
・買春の罪で大人を起訴
・性における自己決定権
・警察庁のための法律
自由意思による性的逸脱の歴史的文脈
・ジェンダーパニック
・援助という問題
結論
第4章 体罰――教育的対策から社会的問題へ、そして問題の周縁への変移(アーロン・ミラー)
社会文化的背景と歴史
統計
「対策」ならびに「問題」として構築された体罰
・「対策」としての体罰:校内暴力と管理教育
・「問題」としての体罰:「行き過ぎた」事例の報道
「問題」としての体罰の排除:政府による体罰統計の中止ならびに体罰の再ラベリングと再定義
結論
第5章 日本における児童虐待の「発見」と「再発見」(ロジャー・グッドマン)
一九八〇年代の日本で児童虐待は存在しないと想定されていたことに対する文化的説明
・「隠された」児童虐待の言説
児童虐待の定義
日本における児童虐待の「発見」
・児童虐待の統計的評価と意識の高まり
児童虐待の「発見」から政策対応まで
児童虐待の「増大」に対する日本での説明
結論
第6章 「ひきこもり」――個人的な孤立がいかにして世間の目にとまったか(堀口佐知子)
「ひきこもり」以前の類似カテゴリー
第一段階――二〇〇〇年代以前の「ひきこもり」
・数の操作:「ひきこもり一〇〇万人説」の影響
第二段階――「ひきこもり」が厳密な意味での社会問題として現れる
定義をめぐる論争と「ひきこもり業界」
「社会的ひきこもり」の終焉?
結論
第7章 ニート――カテゴリーの戦略(トゥーッカ・トイボネン)
はじめに
・どんなラベルにも二つの側面がある
標的集団カテゴリーとしてのニートの登場
社会的カテゴリーとしてのニート
考察
・利害関係
・結果
結論
第8章 変わりゆく風景――高齢化社会における若者問題の社会的文脈(ロジャー・グッドマン)
日本の「文化」
日本の変化する人口統計
変化する教育制度と若者の労働市場
結論
監訳者あとがき――視線の先へ(井本由紀)
第1章 若者問題を解く(トゥーッカ・トイボネン、井本由紀)
はじめに
・日本の若者の社会学
社会学的観点の色眼鏡
1 合意と葛藤――社会の性質を捉えるための二つのモデル
2 構造と主体的行為――社会と個人の関係を捉えるための二つの見方
3 社会問題に対する構築主義的アプローチ
二つの事例
「いじめ」の事例
「オタク」の事例
若者問題の研究――六つの前提
「帰国子女」から「ニート」まで
第2章 「かわいそうな子ども」から「特権をもつ子ども」に――日本の帰国子女に対する認知と地位の変化についての過去五〇年間の概観(ロジャー・グッドマン)
帰国子女とは誰か?
第一段階:「帰国子女問題」の創造と、「産業」の発展
第二段階:「再統合の時期」と帰国子女研究の発展
第三段階:新たな特権的エリートとしての帰国子女
帰国子女の地位はなぜ、どのように変化したか
帰国子女に関する対立する見方
二一世紀における帰国子女の脱問題化
第3章 ナラティブと統計――「援助交際」はどのように売られたか(シャロン・キンセラ)
はじめに――スキャンダル
メディア
・メディアを通じたナラティブの展開
・援助交際と集団的多義性
統計
・統計学的証拠の収集と解釈をめぐる論争
・覗き見行為と統計
演じる少女たち
政府の行動と法的措置
・買春の罪で大人を起訴
・性における自己決定権
・警察庁のための法律
自由意思による性的逸脱の歴史的文脈
・ジェンダーパニック
・援助という問題
結論
第4章 体罰――教育的対策から社会的問題へ、そして問題の周縁への変移(アーロン・ミラー)
社会文化的背景と歴史
統計
「対策」ならびに「問題」として構築された体罰
・「対策」としての体罰:校内暴力と管理教育
・「問題」としての体罰:「行き過ぎた」事例の報道
「問題」としての体罰の排除:政府による体罰統計の中止ならびに体罰の再ラベリングと再定義
結論
第5章 日本における児童虐待の「発見」と「再発見」(ロジャー・グッドマン)
一九八〇年代の日本で児童虐待は存在しないと想定されていたことに対する文化的説明
・「隠された」児童虐待の言説
児童虐待の定義
日本における児童虐待の「発見」
・児童虐待の統計的評価と意識の高まり
児童虐待の「発見」から政策対応まで
児童虐待の「増大」に対する日本での説明
結論
第6章 「ひきこもり」――個人的な孤立がいかにして世間の目にとまったか(堀口佐知子)
「ひきこもり」以前の類似カテゴリー
第一段階――二〇〇〇年代以前の「ひきこもり」
・数の操作:「ひきこもり一〇〇万人説」の影響
第二段階――「ひきこもり」が厳密な意味での社会問題として現れる
定義をめぐる論争と「ひきこもり業界」
「社会的ひきこもり」の終焉?
結論
第7章 ニート――カテゴリーの戦略(トゥーッカ・トイボネン)
はじめに
・どんなラベルにも二つの側面がある
標的集団カテゴリーとしてのニートの登場
社会的カテゴリーとしてのニート
考察
・利害関係
・結果
結論
第8章 変わりゆく風景――高齢化社会における若者問題の社会的文脈(ロジャー・グッドマン)
日本の「文化」
日本の変化する人口統計
変化する教育制度と若者の労働市場
結論
監訳者あとがき――視線の先へ(井本由紀)
著者略歴
ロジャー・グッドマン(グッドマン,ロジャー guddoman,rojaa)
1960年生まれ、英国エセックス州出身。ダーラム大学人類学社会学部卒業、オックスフォード大学博士号取得(社会人類学)。エセックス大学日本研究講師、オックスフォード大学社会人類学講師などを経て、現在、オックスフォード大学日産現代日本研究所教授、同大学大学社会科学部門長。専門は、日本の社会福祉政策、高等教育。日本語での著書に、長島信弘・清水郷美訳『帰国子女――新しい特権層の出現』(岩波書店 1992)、津崎哲雄訳『日本の児童養護――児童養護学への招待』(明石書店 2006)、ロジャー・グッドマン、岩崎信彦ほか編『海外における日本人、日本のなかの外国人――グローバルな移民流動とエスノスケープ』(昭和堂 2003)などがある。その他、R. Goodman, J. Eades and Y. Hada (eds), The ‘Big Bang’ in Japanese Higher Education: The 2004 Reforms and the Dynamics of Change(『日本の高等教育における「ビッグ・バン」――2004年の改革と変化の力学』)(Transpacific Press 2005), R.Goodman, T.Kariya and J.Taylor (eds), Higher Education and the State: changing relationships in Europe and East Asia(『高等教育と国家――ヨーロッパと東アジアにおける変わりゆく関係』)(Symposium 2013)などがある。
井本 由紀(イモト ユキ imoto yuki)
1981年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2009年にオックスフォード大学社会人類学科より博士号取得。慶應義塾大学理工学部助教を経て、現在、同大学専任講師。研究分野は教育と国際移動の人類学、日本研究、エスノグラフィーの方法論。主な著作に ‘Producing the ‘international’ child: negotiations of language in an international preschool in Japan’(「国際的」な子どものプロデュース――インターナショナル・プリスクールにおける言語の引き合いについて)Ethnography and Education, vol.6, no.3,(2011)や、Jenny Hsieh編著 Education in East Asia(『東アジアの教育』)(Bloomsbury 2013)の第6章 Internationalization in Japanese education and the ‘problem’ of introspective youth(日本の教育における国際化と若者の内向き志向の「問題」), pp.129152などがある。
トゥーッカ・トイボネン(トイボネン,トゥーッカ toibonen,tuukka)
1979年生まれ、フィンランド出身。立命館アジア太平洋大学卒業。2009年にオックスフォード大学博士号取得(社会政策学)。京都大学・日本学術振興会(JSPS)及びオックスフォード大学の研究ポストを経て、現在、ロンドン大学・Goldsmiths専任講師(社会起業学)及び社会起業学修士課程ディレクターを務める。オックスフォード大学リサーチ・フェロー、国際大学GLOCOM客員研究員。専門分野は組織社会学。主な研究テーマは、「若者」「コラボレーション」「社会的イノベーション」「経済の再考」。2013年に、ニート問題に取り組む日本の社会起業家によるイノベーションなどを分析する単著Japan's Emerging Youth Policy: Getting Young Adults Back to Work(『日本の若者政策の出現――若年層を就労へ連れ戻す』)(Routledge)を出版。
西川 美樹(ニシカワ ミキ nishikawa miki)
東京女子大学文理学部英米文学科卒業。外資系製薬会社勤務を経て、翻訳者となる。主な訳書に『アスペルガー症候群の人の仕事観』『発達障害がある子のための「暗黙のルール」』(以上、明石書店)、『あしたから子どもが変わる30の子育てマジック』(実業之日本社)などがある。
タイトルヨミ
カナ:ワカモノモンダイノシャカイガク
ローマ字:wakamonomondainoshakaigaku
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ロジャー・グッドマン 最近の著作
井本 由紀 最近の著作
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