近刊検索 デルタ

2018年1月31日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

パナマを知るための70章【第2版】

エリア・スタディーズ
このエントリーをはてなブックマークに追加
内容紹介
中米地峡に位置する人口400万人ほどの小国パナマ。近年、「パナマ文書」によりその名が知られている一方、スペシャリティ・コーヒーの産地、世界有数の環境保護国として注目を浴びている。存在感を増しつつあるパナマを様々な視点から描く魅力的な案内書。
目次
 はじめに


Ⅰ 数字で読む世界の中の21世紀のパナマ

第1章 国土――運河で東西に二分割された熱帯の小国
第2章 人びと――過密都市部と過疎地に二分された人口の分布
第3章 政治――民主化を定着させた政治の成果と現状
第4章 経済――持続的経済成長を遂げた21世紀の経済繁栄の姿
第5章 社会――経済成長によって出現した社会の光と影
第6章 教育――先進国を目指す教育改革
第7章 環境保護――国土の3分の1を占める国立公園と自然保護区
 【コラム1】米ドルとパナマ通貨バルボア


Ⅱ 16世紀に拓かれた地球の十字路

第8章 コロンブスとパナマ地峡――新旧大陸の文明の衝突
第9章 ダリエンとスペイン人――バルボアによる太平洋の「発見」
第10章 「太平洋の女王」――黄金の王都パナマ市
第11章 「王の道」と「クルセスの道」――新大陸の財宝を運んだロバの道
第12章 カリブ海の宝石ポルトベーロ――独占貿易港と黒人奴隷市場
第13章 エルドラードとしてのパナマ――ヨーロッパ人による財宝争奪戦の舞台
第14章 先住民と新住民――新しい地域社会の形成
 【コラム2】「王の道」を探す


Ⅲ 運河建設の夢の実現に向けて

第15章 群がる野望とパナマ地峡――しのぎを削る運河候補ルートの探査活動
第16章 地峡を縦断するパナマ鉄道の建設――アメリカ西部のゴールド・ラッシュで増大する輸送需要
第17章 レセップスの挑戦と挫折――スエズ運河と同じ海面式工法で失敗
第18章 アメリカの海洋帝国の野望とパナマ地峡――アメリカ世論を沸かせた戦艦「オレゴン号」の失敗
第19章 ヘイ・エラン条約とパナマの分離独立――独立と運河条約締結をはかった謎のフランス人
第20章 コロンビアからの分離独立と運河条約――独立の見返りに運河地帯の主権を喪失
第21章 アメリカの支配下に入るパナマ――幅16キロの運河地帯がアメリカの治外法権下に
 【コラム3】パナマ運河鉄道にはじめて乗った日本人


Ⅳ パナマ運河の建設

第22章 アメリカの国家プロジェクトとしてのパナマ運河建設――独立後ただちに開始した運河工事の難渋
第23章 大地は開鑿する――「大地は分かたれ、世界はつながれた」
第24章 パナマ運河に影を落とした50万人――フランスとアメリカの運河工事に従事した人びと
第25章 1914年の開通と第一次世界大戦――戦後急速に伸びた通行量と「第三閘門案」の浮上
第26章 閘門式運河の構造――自然の原理を巧みに活かした20世紀最大の装置
第27章 運河条約の系譜――パナマの主権闘争で念願の新運河条約を実現
第28章 21世紀のパナマ運河拡張工事――「第三閘門運河」の完成
 【コラム4】パナマ運河とスエズ運河


Ⅴ 米国がつくったパナマ運河とパナマの運命

第29章 アメリカ帝国主義――強まる運河支配
第30章 パナマ国内政治の力学――旧支配層vs市民派
第31章 アルヌルフォ・アリアスとポプリスモ――大衆動員型政治の成立
第32章 第二次世界大戦とパナマ運河――国際紛争の最前線と化した運河
第33章 冷戦下のパナマ運河と軍部の台頭――レモン司令官を中心に
第34章 高まる反米運動――主権をめぐるパナマ人の闘い
第35章 パナマ・ナショナリズム――われわれの国旗を掲げよ!
第36章 トリホス将軍と1977年の新パナマ運河条約――約束された運河の返還
第37章 ノリエガ将軍とアメリカの侵攻――再び忍び寄るアメリカの影
 【コラム5】さらば星条旗密かに行われたアメリカ国旗返還式典


Ⅵ 米国からの自立を目指す21世紀のパナマの政治・経済

第38章 運河返還後の米国とパナマ運河――地球規模で利害を共有する国家間の協力
第39章 パナマの国連および米州機構外交――積極化する巧みな対世界・地域外交
第40章 パナマの東アジア外交――日本との太いパイプ、台湾から中国への外交関係の転換
第41章 運河のパナマ化――重要な国家財源となった国際公共財の運用
第42章 フリーゾーンと経済特区――運河と並ぶパナマ経済の支柱
第43章 パナマ独自の小売産業の発展――地元資本による緩やかな近代化
第44章 マグロの養殖という新たな産業――パナマにおける近畿大学の挑戦
第45章 ブランド化するパナマ・コーヒー――超高級スペシャリティ・コーヒー品種「ゲイシャ」
 【コラム6】パナマへの日本の企業進出の将来性


Ⅶ モノ・カネ・ヒトの交差点

第46章 アジアと大西洋を結ぶ海上ルート――通航隻数の増加と水資源の限界
第47章 パナマ運輸産業の発展――立地を生かして発展を目指すコパ航空
第48章 国際金融センター――内外の米ドル資金需要に応えるユニークな金融センター
第49章 タックスヘイブン――「パナマ文書」が明らかにした租税回避地
第50章 麻薬の交差点――欧米の闇市場に向かうアンデス・コカインの通過地点
第51章 クロスロードの食文化――狭いパナマで世界のグルメと土着料理を味わう
 【コラム7】闇の世界を描く小説の舞台としてのパナマ


Ⅷ グローバル化の中のパナマ社会の変化と課題

第52章 運河返還後のパナマ政治――経済界が政界へ進出する21世紀の政局
第53章 女性の社会進出――ジェンダーギャップとマチスモの普遍性
第54章 観光立国への取り組み――急成長する21世紀のパナマの観光産業
第55章 パナマ社会に定住する外国人たち――移民流入超過に転じた背景
第56章 21世紀の「ダリエン・ギャップ」――周辺部から見える現代世界
第57章 地方の活性化――地域格差是正に向けた取り組み
 【コラム8】スミソニアン熱帯研究所――科学と市民社会の新たな関係


Ⅸ 自立と国際的地位を確立したパナマ

第58章 第三の独立――1999年12月31日の運河の完全返還
第59章 米国の支配百年が残したもの――従属から自立への道に成功した姿
第60章 旧米軍基地からパナマ領土へ――返還されたパナマ運河地帯の変貌
第61章 首都パナマ市の変貌――“スマートシティ”を目指す摩天楼都市
第62章 パナマ国旗を掲げる貨物船――便宜置籍船とパナマ
第63章 スポーツにみるパナマの社会――世界チャンピオンを生む社会的背景
 【コラム9】知の都市シウダ・デル・サベール


Ⅹ 多民族社会の変容と21世紀の姿

第64章 先住民特別区制度――先住民の諸権利を具体化する行政制度の諸問題
第65章 経済格差のなかの先住民集落――都市移住とコミュニティ企業
第66章 先住民の権利と「リーガルプルーラリズム」――先駆的なパナマの取り組み
第67章 越境する先住民女性――ノベ=ブグレ先住民特別区の季節農業労働者の現在
第68章 2つのアフリカ系民族――エスニック・カテゴリーに織り込まれた「歴史」
第69章 中国系コミュニティの拡大――旧移民と新移民
第70章 ユダヤ系コミュニティ――政治・経済の実権を握る知られざる存在
 【コラム10】パナマにおける多民族社会の光景


 参考・参照文献資料案内
著者略歴
国本 伊代(クニモト イヨ kunimoto iyo)
中央大学名誉教授。日本ボリビア協会理事。(公財)海外日系人協会評議員。歴史学博士(テキサス大学オースティン校)、学術博士(東京大学)、日本ラテンアメリカ学会理事長(1998~2000年)。歴史学・ラテンアメリカ近現代史専攻。 【主要著書・論文】 『カリブ海世界を知るための70章』(編著者、明石書店、2017年)、『コスタリカを知るための60章』(改定増補版、編著者、明石書店、2016年)、『ラテンアメリカ――21世紀の社会と女性』(編著者、新評論、2015年)、『ビリャとサパタ』(世界史リブレット・人、山川出版社、2014年)、『ドミニカ共和国を知るための60章』(編著者、明石書店、2013年)、『現代メキシコを知るための60章』(編著者、明石書店、2011年)、ジョン・ヘミング『アマゾン――民族・征服・環境の歴史』(共訳、東洋書林、2010年)、『メキシコ革命とカトリック教会――近代国家形成過程における国家と宗教の対立と宥和』(中央大学出版部、2009年)、『メキシコ革命』(世界史リブレット、山川出版社、2008年)、『メキシコの歴史』(新評論、2002年)、『ラテンアメリカ新しい社会と女性』(編著者、新評論、2000年)など。
タイトルヨミ
カナ:パナマヲシルタメノナナジッショウダイニハン
ローマ字:panamaoshirutamenonanajisshoudainihan

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。

-- 広告 -- AD --

【AD】
今、注目すべき第三書館の本
緑の書 リビアのカダフィ大佐の理論
2011年10月20日、カダフィ大佐は殺された

-- 広告 -- AD --

もうすぐ発売(1週間以内)

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを利用しています。