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2018年7月30日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

メンタルヘルス不調のある親への育児支援

保健福祉専門職の支援技術と当事者・家族の語りに学ぶ
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内容紹介
児童虐待の原因の一つに親のメンタルヘルス不調がある。本書は、熟練の福祉職や保健師に行ったインタビュー調査をもとに、そうした親への育児支援に関する支援技術を疾患特性を踏まえて解説する。また、支援の受け手となる当事者の体験談もあわせて紹介する。
目次
はじめに
 用語の定義
 手記の引用文献
 精神障がい者の育児支援に関する研究 概要

序章 支援者が目指すゴール
 1)子どもの成長と自立
 2)親の自立
 3)親子に適した家族のあり方
 4)最低限の安心と安全が守られた生活
 5)困った時にSOSが出せる
 6)関係機関が連携した支援

第1章 疾患特性と障がい特性の育児への影響
 第1節 疾患特性と障がい特性
  1.メンタルヘルス不調・精神疾患・精神障がい
  2.疾患特性と障がい特性
  3.主要な精神疾患
   1)アディクション
   2)統合失調症
   3)気分障害
   4)解離性障害
   5)産褥精神病
  4.支援特性
   1)母子領域と精神領域の違い
   2)児童福祉領域と精神保健医療福祉領域の会議体
   3)長期的支援
 第2節 育児への影響
  1.愛着(アタッチメント)形成
   1)乳児期
   2)幼児期以降
   3)成人した子どもの体験から
   4)親自身の不安定な愛着状態と世代間連鎖
  2.安全な生育環境
  3.育児手技と状況判断
  4.基本的生活
  5.しつけ
  6.社会性
  7.ヤング・ケアラー

第2章 メンタルヘルス不調のある親への育児支援の方法
 第1節 危機介入
  1.自殺・心中の恐れがある親への対応
  2.深刻な暴力の恐れがある親への対応
 第2節 相談関係構築が難しい人への支援
  1.相談関係構築が難しい親の特徴
   1)操作的にコントロールする人
   2)不安の強く固い・自己肯定感が低い人
   3)コミュニケーション能力に障がいが疑われる人
  2.相談関係構築が難しい人との関係構築
   1)相談関係構築が難しい人への初期対応
   2)相談関係構築が難しい人との会話
   3)周辺や子どもから糸口を探す
   4)人として親を理解する〈積極的傾聴〉
   5)日頃から継続的に関わる
 コラム*二重の共感
 コラム*相談に枠をつくる
  3.相談関係を通して親の生きていく力を伸ばす
   1)人に相談できる、SOSを出せる
   2)対処力を伸ばす
   3)関係性を修復する力をつける
   4)親の目標達成を手助けする
   5)親の自立を支援する
 第3節 子どもと家族全体の支援
  1.配偶者や実家と連携した支援
   1)誰がキーパーソンかをアセスメントする
   2)キーパーソンと連携しつつ、支援する
  2.子どもの成長を促す支援
   1)保育園や学校に子どもが行けるようにする
   2)親以外が子どもに関わる機会を増やす
  3.親子関係への支援
 第4節 障がいの影響で育児・家事に支障をきたす人への支援
  1.親が育児を担えるように手助けする
   1)一つひとつ、その都度育児手技を説明する
   2)イライラや不安の高まりを軽減する
   3)担える親役割を増やす
  2.育児や家事をサービス等で調整する
   1)育児と家事を補完するサービスを最大限活用する
   2)訪問支援導入の難しさ
 第5節 疾患の影響で育児に支障をきたす人への支援
  1.疾患を自ら見立てる
  2.病状悪化を防ぐ
  3.治療につなぐ
   1)受診や入院の必要性を判断する
   2)本人の受診の受け入れを探る
   3)家族が理解できるように説明する
   4)精神科の外来や病院のことを具体的に伝え、不安を和らげる
   5)受診先を一緒に決める
   6)本人の不安になっていることを取り除く
   7)丁寧につなぐ
   8)タイムリーにつなぐ
  4.医療機関と連携して支援する
   1)病院連絡や医師連絡をする必要性を判断する
   2)本人や家族に病院や医師に連絡をとることの了解を得る
   3)医師連絡の際に、支援者の意図を伝える
   4)各病院や診療所の医師連絡の取り方にあわせた方法をとる
   5)必要時、受診に同行して診察に立ち合う
   6)日頃から病院や医師に連絡しやすい体制を築いておく
 第6節 親子一緒に暮らすことが難しい家庭への支援
  1.その家庭に適した家族のあり方を考える
  2.親子別に暮らす方法を選択する
  3.一度離れた親子が再び一緒に暮らせるよう準備する
 第7節 関係機関で連携した支援
  1.効果的な関係機関連携
  2.個別事例に関する関係機関の会議
   1)幅広い情報を集約し、多角的なアセスメントを可能にする
   2)支援方針の共有
   3)役割分担
   4)一貫した対応をとる
   5)支援に行き詰った時に支援方針・方法を修正する
  3.関わる機関と人が多いことのメリット・デメリット
   1)メリット
   2)デメリット
  4.効果的な関係機関連携を進める上での課題
   1)マネジメント機能
   2)支援者が自由に話せる場の保障
   3)日頃からの関係機関のネットワーク構築
 第8節 妊娠期からの支援
  1.疾病性と事例性を把握してアセスメントを行う
  2.産科医療機関を探してつなげ、継続的に支援する
  3.妊娠中の相談に対応する
  4.妊娠中から産後を見据えた支援体制を整える
  5.長期的な課題を予測して関わる
 第9節 職場内の体制
  1.職員を支援する体制
   1)職員の対応を責めない職場
   2)皆で支援方針を考えられる職場
   3)職員の失敗や弱さを安心して出せる職場
  2.職場の安全管理
   1)自分の身体を守る
   2)自分の立場を守る
   3)組織として一貫した対応をとる

第3章 育児にまつわる体験談
 第1節 子どもの体験
 第2節 配偶者の体験
 第3節 親の体験

終章 これから必要な育児支援
 1.虐待予防から育児支援(積極的支援)への転換
  1)虐待の視点で親を支援しない-同じ行為で異なる意味合い
  2)「親としての当事者」を支援する-リカバリーを支える
  3)親になる選択と準備を支援する
 2.支援の対象者を広げる
  1)メンタルヘルス不調のある父親への支援
  2)配偶者支援
  3)成人した子どもの立場の方への支援
  4)祖父母との協働
 3.支援者の態度を変える
 4.メンタルヘルスに関する知識と対応力の向上
 5.家族丸ごとの支援の展開
 6.子どもの支援
 7.親・配偶者・子・成人した子のピアサポート
  1)メンタルヘルス不調のある親と子のピアサポート
  2)配偶者・パートナーと子どものピアサポート
  3)成人した子どものピアサポート
 8.地域住民の理解と協力を得る

あとがき
著者略歴
蔭山 正子(カゲヤマ マサコ kageyama masako)
大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻公衆衛生看護学教室/准教授/保健師 略歴:大阪大学医療技術短期大学部看護学科、大阪府立公衆衛生専門学校を卒業。病院看護師を経験した後、東京大学医学部健康科学・看護学科3年次編入学。同大学大学院地域看護学分野で修士課程と博士課程を修了。保健所精神保健担当(児童相談所兼務あり)・保健センターで保健師としての勤務、東京大学大学院地域看護学分野助教などを経て現職。 主な研究テーマは、精神障がい者の家族支援・育児支援、保健師の支援技術。主な著書に『精神障がい者の家族への暴力というSOS』(蔭山正子編著)、『精神障がいのある親に育てられた子どもの語り――困難の理解とリカバリーへの支援』(横山恵子・蔭山正子編著)、『当事者が語る精神障がいとリカバリー』(YPS横浜ピアスタッフ協会・蔭山正子編著)[いずれも明石書店]がある。
タイトルヨミ
カナ:メンタルヘルスフチョウノアルオヤヘノイクジシエン
ローマ字:mentaruherusufuchounoaruoyahenoikujishien

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