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定価:4,950円(4,500円+税)
判型:四六
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内容紹介
国籍とは何か? 生地主義、血統主義、帰化の意味を跡づけ、“危機の時代”におけるユダヤ人の国籍-奪、女性・植民地出身者に対する差別や不平等について緻密に検証。膨大な史料を渉猟し、フランス革命以降の国民/外国人の境界線のゆらぎ、平等・包摂の現代にいたる道程を実証的見地から描き出した圧巻の書。
目次
本書について
本書における訳語について
略号表記一覧
序論
Ⅰ 近代国籍法の構築
1 アンシアン・レジームから民法典へ――フランス人の二つの革命
一七九〇一七九一年――フランス国籍は憲法のなかで規定される
一七九〇一七九五年――フランス人となるための二つの手段および名誉市民権
そして自動的帰化へ……
一八〇三年――民法典に国籍に関する条文が加えられる
血統主義か生地主義か
ボナパルトの敗北
2 生地主義はいかにして導入されたか(一八〇三‐一八八九年)
居住許可という魅力的な資格
さらに困難となる帰化
一八四八年の幕間劇
二重の枷
外国人の子どもと徴兵制――国家的な課題
民法典改正を阻むもの
フランスで生まれた子どもに平等に義務を課すこと
外国人に対する制限措置
一八八九年――フランス本土における共和国的生地主義の再生
3 国民への援軍としての帰化(一八八九‐一九四〇年)
印璽部の登場
一つの目標――第二世代の「統合」
第一次世界大戦――警戒と疑惑と
人口問題という最重要課題
一九二七年――大胆な案をめぐるコンセンサス
「紙の上のフランス人」なのか
人口増加主義 対 出自による選別――一九三〇年代の闘い
難民をストップせよ!
それでも、帰化を!
Ⅱ フランス国籍のエスニック危機
4 ヴィシー――国籍政策におけるレイシズム
挫折した新国籍法案(一九四〇‐一九四三年)
「好ましからざる者」がフランス人になるのを妨げる
帰化取り消しの標的――ユダヤ人
5 容易でなかった共和国的法制への復帰
「自由フランス」による国籍登録
難航するヴィシー「諸法」の廃止
エスニック・アプローチの回帰
ジョルジュ・モコの敗北
新国籍法
帰化 対 監護される子ども
新しい省、新しい基準
一九五三‐一九七三年――リベラリズムの二〇年
6 フランス国籍のアルジェリア危機
北アフリカ系移民の地位を保障するための一〇年(一九七四‐一九八四年)
国籍をめぐる真の争点――第二世代
極端に走る右派
「賢人」委員会
意思を表明する?
新たな綜合を求めて
第Ⅱ部の結論
Ⅲ 比較と実際運用における国籍
7 生地主義 対 血統主義――フランスとドイツの法律を対比させることの誤り
プロイセンの法律にフランスが与えた影響(一八三〇‐一八四二年)
レイシズムも、ナショナリズムもなく――法律家たちの支配
借用と移転
ネーション概念から独立した国籍法
血統主義の人種的ドイツへの同一化――一表象の分析
二〇世紀のドイツ国籍法
移民と国籍――ヨーロッパでみられる収斂
8 差別されたフランス人たち
国籍法における女性の地位――遅ればせの平等
アルジェリアの植民地被支配者
帰化者の欠格
9 どのようにフランス人になり、フランス人であり続けるのか――実際の運用におけるフランス国籍
広く開かれた二つの手続き――結婚……
……そしてフランスでの出生
帰化の矛盾
重国籍の許容
奪、リベラリズムの代償
どのようにフランス国籍を証明するか
全体の結論
謝辞
附録
原注
文献
資料出所
訳者解題
著者の略歴
索引
本書における訳語について
略号表記一覧
序論
Ⅰ 近代国籍法の構築
1 アンシアン・レジームから民法典へ――フランス人の二つの革命
一七九〇一七九一年――フランス国籍は憲法のなかで規定される
一七九〇一七九五年――フランス人となるための二つの手段および名誉市民権
そして自動的帰化へ……
一八〇三年――民法典に国籍に関する条文が加えられる
血統主義か生地主義か
ボナパルトの敗北
2 生地主義はいかにして導入されたか(一八〇三‐一八八九年)
居住許可という魅力的な資格
さらに困難となる帰化
一八四八年の幕間劇
二重の枷
外国人の子どもと徴兵制――国家的な課題
民法典改正を阻むもの
フランスで生まれた子どもに平等に義務を課すこと
外国人に対する制限措置
一八八九年――フランス本土における共和国的生地主義の再生
3 国民への援軍としての帰化(一八八九‐一九四〇年)
印璽部の登場
一つの目標――第二世代の「統合」
第一次世界大戦――警戒と疑惑と
人口問題という最重要課題
一九二七年――大胆な案をめぐるコンセンサス
「紙の上のフランス人」なのか
人口増加主義 対 出自による選別――一九三〇年代の闘い
難民をストップせよ!
それでも、帰化を!
Ⅱ フランス国籍のエスニック危機
4 ヴィシー――国籍政策におけるレイシズム
挫折した新国籍法案(一九四〇‐一九四三年)
「好ましからざる者」がフランス人になるのを妨げる
帰化取り消しの標的――ユダヤ人
5 容易でなかった共和国的法制への復帰
「自由フランス」による国籍登録
難航するヴィシー「諸法」の廃止
エスニック・アプローチの回帰
ジョルジュ・モコの敗北
新国籍法
帰化 対 監護される子ども
新しい省、新しい基準
一九五三‐一九七三年――リベラリズムの二〇年
6 フランス国籍のアルジェリア危機
北アフリカ系移民の地位を保障するための一〇年(一九七四‐一九八四年)
国籍をめぐる真の争点――第二世代
極端に走る右派
「賢人」委員会
意思を表明する?
新たな綜合を求めて
第Ⅱ部の結論
Ⅲ 比較と実際運用における国籍
7 生地主義 対 血統主義――フランスとドイツの法律を対比させることの誤り
プロイセンの法律にフランスが与えた影響(一八三〇‐一八四二年)
レイシズムも、ナショナリズムもなく――法律家たちの支配
借用と移転
ネーション概念から独立した国籍法
血統主義の人種的ドイツへの同一化――一表象の分析
二〇世紀のドイツ国籍法
移民と国籍――ヨーロッパでみられる収斂
8 差別されたフランス人たち
国籍法における女性の地位――遅ればせの平等
アルジェリアの植民地被支配者
帰化者の欠格
9 どのようにフランス人になり、フランス人であり続けるのか――実際の運用におけるフランス国籍
広く開かれた二つの手続き――結婚……
……そしてフランスでの出生
帰化の矛盾
重国籍の許容
奪、リベラリズムの代償
どのようにフランス国籍を証明するか
全体の結論
謝辞
附録
原注
文献
資料出所
訳者解題
著者の略歴
索引
著者略歴
パトリック・ヴェイユ(パトリック ヴェイユ patorikku veiyu)
1956年生まれ。政治学博士。フランス国立科学研究センター(CNRS) 研究主任(パンテオン・ソルボンヌ大学[パリ第1大学]20世紀社会史研究所所属)。移民、市民権の問題などを研究。統合高等審議会(1996-2002年)委員、共和国におけるライシテ原則適用に関する検討委員会 (スタジ委員会)委員(2003年)、国立移民史博物館諮問評議会評議員(2003-2007年)などを歴任。本書はフランソワ・フュレ賞(2002年)などを受賞し、英語版も刊行されている。本書のほか、La France et ses etrangers, l'aventure d'une politique de l'immigration de 1938 a nos jours (Calmann-Levy, 1991), Le sens de la Republique, (avec Nicolas Truong, Grasset, 2015)などの著書がある。
宮島 喬(ミヤジマ タカシ miyajima takashi)
お茶の水女子大学名誉教授
著書:『移民社会フランスの危機』(岩波書店、2006年)、『一にして多のヨーロッパ――統合のゆくえを問う』(勁草書房、2010年)、『文化的再生産の社会学――ブルデュー理論からの展開[増補新版]』(藤原書店、2017年)
訳書:M.ヴィヴィオルカ『差異――アイデンティティと文化の政治学』(共訳、法政大学出版局、2009年)
大嶋 厚(オオシマ アツシ ooshima atsushi)
翻訳者。前パリ日本文化会館副館長
訳書:M.ヴィノック『フランスの肖像――歴史・政治・思想』(2014年)、同『フランス政治危機の100年――パリ・コミューンから1968年5月まで』(2018年、ともに吉田書店)、J.-L.ドナディウー『黒いナポレオン――ハイチ独立の英雄トゥサン・ルヴェルチュールの生涯』(えにし書房、2015年)など。
中力 えり(チュウリキ エリ chuuriki eri)
和光大学現代人間学部教授
博士(社会学・社会科学)[2003年、マルク・ブロック大学(ストラスブール第2大学)]
著書:「フランス共和国とエスニック統計」宮島喬・杉原名穂子・本田量久編『公正な社会とは――教育、ジェンダー、エスニシティの視点から』(人文書院、2012年)、「フランスにはなぜマイノリティがいないのか――「共和国」の虚実」岩間暁子・ユ・ヒョヂョン編『マイノリティとは何か――概念と政策の比較社会学』(ミネルヴァ書房、2007年)、Quel 《 enseignement bilingue 》 en Alsace ?, Nouveaux Cahiers d'Allemand, 2007- no.4, 2007.
村上 一基(ムラカミ カズキ murakami kazuki)
東洋大学社会学部講師
博士(社会学)[2017年、パリ・ソルボンヌ大学(パリ第4大学)]
著書:「フランス移民第二世代のアイデンティティと教育」宮島喬・佐藤成基・小ヶ谷千穂編『国際社会学』(有斐閣、2015年)、「移民第二世代の教育問題――「成熟」した移民社会において多様化する学校経験とアイデンティティ」園山大祐編『フランスの社会階層と進路選択――学校制度からの排除と自己選抜のメカニズム』(勁草書房、2018年)
訳書:E.サンテリ『現代フランスにおける移民の子孫たち――都市・社会統合・アイデンティティの社会学』(明石書店、2019年)
タイトルヨミ
カナ:フランスジントハナニカ
ローマ字:furansujintohananika
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