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2020年3月13日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

コンゴ・森と河をつなぐ

人類学者と地域住民がめざす開発と保全の両立
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内容紹介
戦争でインフラが破壊され、流通が損なわれたままのコンゴの森林の村。そこを調査の拠点とする人類学者たちが、地域住民とともに河川舟運による新たな流通手段の開設に乗り出した。はたして商品は無事にコンゴ河沿いの都市に届くのか? 波瀾万丈のプロジェクトの記録。
目次
 はじめに[松浦直毅]
 地図

  第Ⅰ部 森の世界・河の世界

第1章 調査地までの長い道のり[松浦直毅]
 コンゴに降り立つ
 キサンガニへ
 いざ出発
 長い長いバイクの旅
 ワンバ村へ
 〈コラム1〉ワンバ地域における人類学研究史[木村大治]

第2章 森に暮らす農耕民ボンガンド[山口亮太]
 三年ぶりのコンゴ
 森の道・空の道・河の道
 セスナで調査地へひとっ飛び
 農耕民ボンガンド
 自然環境と生業
 ボンガンドの言語と人づきあい
 入れ子状の社会構造
 ボンガンドの婚姻
 ボンガンド社会の特徴
 〈コラム2〉日常会話からみるボンガンドの社会[安本暁]

第3章 境界を越える[高村伸吾]
 コンゴとの出会い
 初めてのフィールドワーク――森の民ボンガンドの困窮
 市場を遍歴する河の民ロケレ

  第Ⅱ部 森で生きる

第4章 地域開発のカギをにぎる住民組織[松浦直毅]
 急増する住民組織
 住民組織が地域を変える?
 船問題と燃料問題
 着々と進む準備
 〈コラム3〉ボノボをめぐる保全の変遷[坂巻哲也]

第5章 ボンガンドの森の生活――食用イモムシ「ビンジョ」と蒸留酒「ロトコ」[山口亮太]
 イヨンジ村の住民組織
 イヨンジ村の森のキャンプ
 ワンバ村の森のキャンプ
 食用イモムシ「ビンジョ」
 蒸留酒「ロトコ」
 河川交易の発展とその実態解明へ向けて
 〈コラム4〉変わりゆくボンガンドとボノボの関係[横塚彩]

第6章 船旅に向けて[松浦直毅]
 ワンバの日常
 住民組織との会合(ワンバ村編)
 商品の確認
 住民組織との会合(イヨンジ村編)
 ふたたび船問題
 リンゴンジ、リゾート地?
 出発に向けて
 ふたたび燃料問題
 〈コラム5〉ボノボを追ってコンゴの森を歩く[徳山奈帆子]

第7章 魚の捕り方を一緒に考える[高村伸吾]
 フィールドで得た希望
 現地の人々とどう向き合うか
 ともに考え、ともに行動する

  第Ⅲ部 森と河をつなぐ

第8章 波瀾万丈の船旅[松浦直毅]
 船出
 お出迎え
 そして出発
 ジェテを打つ
 トイレ問題
 船上の食生活
 船での楽しみ
 広がる川幅と期待
 バサンクス、ノーサンクス?
 背徳行為
 砂洲につかまる
 バリニエにぶつかる
 軍隊に追いかけられる
 大河・コンゴ河

第9章 船旅に想う[山口亮太]
 気になる空模様
 うるさい水先人
 船旅でのおしゃべり
 タカムラの活躍
 自分なりの地域住民とのかかわり方

第10章 重荷を分け持つ[高村伸吾]
 リーダーの仕事
 亀裂の予感
 闇の奥から船を押し出す
 〈コラム6〉「森の道」を歩く[木村大治]

第11章 長い旅の果てに[松浦直毅]
 バンダカ、万感の思い
 またまた燃料問題
 商品の売却を通じて得たもの
 新たな船出

第12章 それぞれの一年後[山口亮太]
 ふたたび、ワンバへ
 この一年の様子
 住民組織が引き起こす問題
 森を守りながら、住民の生活を改善する道を模索する

 おわりに[松浦直毅]
 参考文献リスト
著者略歴
松浦 直毅(マツウラ ナオキ matsuura naoki)
静岡県立大学国際関係学部助教。博士(理学)。 おもな著書に『現代の〈森の民〉――中部アフリカ、バボンゴ・ピグミーの民族誌』(2012年、昭和堂)、「困難に直面する森の民――アフリカ熱帯林に住む狩猟採集民の人道危機」(湖中真哉・太田至・孫暁剛編『地域研究からみた人道支援――アフリカ遊牧民の現場から問い直す』2018年、昭和堂)。 コンゴの好きなところは「濃い人づきあい」、嫌いなところも「濃い人づきあい」。
山口 亮太(ヤマグチ リョウタ yamaguchi ryouta)
日本学術振興会特別研究員(RPD)/静岡県立大学国際関係学部。博士(地域研究)。 おもな論文に「誰が電気を止めたのか――カメルーン東南部国境地域における妖術をめぐって」(2017年、電子ジャーナル『SYNODOS』http://synodos.jp/international/19177)、“Food Consumption and Preference of Bongando People in DR-Congo.” African Study Monographs Supplementary Issue 51: 37-55. 2015. コンゴの好きなところは「たいていのことは交渉でなんとかなるところ」、嫌いなところは「交渉ごとが必ず長引くところ」。
高村 伸吾(タカムラ シンゴ takamura shingo)
ベルギー・ブリュッセル自由大学ポスドク研究員。博士(地域研究)。 おもな論文に“Reorganizing the Distribution System in Post-conflict Society: A Study on Orientale Province, the Democratic Republic of the Congo.” African Study Monographs Supplementary Issue 51: 77-91. 2015. コンゴの好きなところは「全力で身内を守る姿勢」、嫌いなところは「以前はあったけれど今はもうない」。
木村 大治(キムラ ダイジ kimura daiji)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授。理学博士。 おもな著書に『共在感覚――アフリカの二つの社会における言語的相互行為から』(2003年、京都大学学術出版会)、編著書に『森棲みの生態誌――アフリカ熱帯林の人・自然・歴史 Ⅰ』(2010年、京都大学学術出版会)、『森棲みの社会誌――アフリカ熱帯林の人・自然・歴史 Ⅱ』(2010年、京都大学学術出版会)。 コンゴの好きなところは「何事も冗談のように底が抜けているところ」、嫌いなところは「長くいるとため息をつきたくなるほど疲れるところ」。
タイトルヨミ
カナ:コンゴモリトカワヲツナグ
ローマ字:kongomoritokawaotsunagu

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