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定価:2,530円(2,300円+税)
判型:A5
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内容紹介
東南アジアでは急速に浸透するソーシャルメディアが大きく政治的競争のあり方を変えている。インドネシア、フィリピン、マレーシア、ミャンマー、タイの事例から、ソーシャルメディアが民主化を促進する力をもつ一方、妨げる側面も持ちうる現状も指摘する。
目次
序章 ソーシャルメディアと東南アジアの民主主義[見市建・茅根由佳]
1.ソーシャルメディアの光と影
2.ソーシャルメディアが変える東南アジア政治
3.本書の内容
4.ソーシャルメディアは東南アジアの民主主義を後退させるのか?
第1章 インドネシア・ジョコウィ政権にみる情動エンジニアリングの政治[本名純]
1.はじめに
2.ガバナンスとしての戦争
3.2019年大統領選挙にみる「プラボウォ脅威」のプロパガンダ
4.「民主化改革」の骨抜きに向けて
5.おわりに
第2章 2019年インドネシア大統領選挙におけるオンライン・イスラーム説教師の台頭[茅根由佳]
1.はじめに――2019年大統領選挙におけるイスラーム主義勢力の台頭
2.イスラーム主義指導者による動員戦略の変化
3.分極化の構図――「反イスラームの権威主義政権」と「善良なるムスリム」の対立
4.虚偽の中立宣言とラストスパートの演出
5.分極化の傷跡
6.おわりに
第3章 ソーシャルメディアのつくる「例外状態」:ドゥテルテ政権下のフィリピン[日下渉]
1.はじめに
2.侵食される自由民主主義
3.ポピュリズムと新自由主義の昂進
4.ソーシャルメディアと「義賊ドゥテルテ」の構築
5.ドゥテルテによる「例外状態」の政治利用
6.おわりに
第4章 治安部門のグッド・ガバナンス:どうすれば軍を監視できるのか[木場紗綾]
1.はじめに
2.軍にとってのソーシャルメディアと戦略的コミュニケーション
3.治安部門のグッド・ガバナンス――ソーシャルメディアによる軍の監視の限界
4.ソーシャルメディアを通じた新展開?――フィリピン・マラウィの戦闘から
5.ソーシャルメディアによる暴力の監視に向けて
第5章 ナジブ・ラザクとマレーシアのソーシャルメディアの10年(2008~2018年)[伊賀司]
1.はじめに
2.2008年総選挙の衝撃とBNのソーシャルメディアへのキャッチアップ
3.活性化する社会運動と野党の2013年総選挙への対応
4.2018年総選挙でのサイバー部隊、データ駆動型選挙と進化したショートムービー
5.2018年総選挙後のボスク・キャンペーンとナジブ
第6章 自由とソーシャルメディアがもたらすミャンマー民主化の停滞[中西嘉宏]
1.はじめに
2.表現の自由はどのように拡大したのか
3.自由が生んだ宗教間紛争
4.新しい情報環境に適応する国軍
5.スーチー政権の不寛容
6.おわりに
第7章 権威主義体制下のサイバー空間:タイ軍事政権による情報統制[外山文子]
1.はじめに
2.21世紀のタイ政治――大衆デモと2度のクーデター
3.ソーシャルメディアと政治的亀裂の深まり
4.プラユット暫定政権の登場と情報統制
5.ソーシャルメディアの取り締まり
6.ソーシャルメディアにおける市民の対応
7.情報統制とタイ民主化の未来
1.ソーシャルメディアの光と影
2.ソーシャルメディアが変える東南アジア政治
3.本書の内容
4.ソーシャルメディアは東南アジアの民主主義を後退させるのか?
第1章 インドネシア・ジョコウィ政権にみる情動エンジニアリングの政治[本名純]
1.はじめに
2.ガバナンスとしての戦争
3.2019年大統領選挙にみる「プラボウォ脅威」のプロパガンダ
4.「民主化改革」の骨抜きに向けて
5.おわりに
第2章 2019年インドネシア大統領選挙におけるオンライン・イスラーム説教師の台頭[茅根由佳]
1.はじめに――2019年大統領選挙におけるイスラーム主義勢力の台頭
2.イスラーム主義指導者による動員戦略の変化
3.分極化の構図――「反イスラームの権威主義政権」と「善良なるムスリム」の対立
4.虚偽の中立宣言とラストスパートの演出
5.分極化の傷跡
6.おわりに
第3章 ソーシャルメディアのつくる「例外状態」:ドゥテルテ政権下のフィリピン[日下渉]
1.はじめに
2.侵食される自由民主主義
3.ポピュリズムと新自由主義の昂進
4.ソーシャルメディアと「義賊ドゥテルテ」の構築
5.ドゥテルテによる「例外状態」の政治利用
6.おわりに
第4章 治安部門のグッド・ガバナンス:どうすれば軍を監視できるのか[木場紗綾]
1.はじめに
2.軍にとってのソーシャルメディアと戦略的コミュニケーション
3.治安部門のグッド・ガバナンス――ソーシャルメディアによる軍の監視の限界
4.ソーシャルメディアを通じた新展開?――フィリピン・マラウィの戦闘から
5.ソーシャルメディアによる暴力の監視に向けて
第5章 ナジブ・ラザクとマレーシアのソーシャルメディアの10年(2008~2018年)[伊賀司]
1.はじめに
2.2008年総選挙の衝撃とBNのソーシャルメディアへのキャッチアップ
3.活性化する社会運動と野党の2013年総選挙への対応
4.2018年総選挙でのサイバー部隊、データ駆動型選挙と進化したショートムービー
5.2018年総選挙後のボスク・キャンペーンとナジブ
第6章 自由とソーシャルメディアがもたらすミャンマー民主化の停滞[中西嘉宏]
1.はじめに
2.表現の自由はどのように拡大したのか
3.自由が生んだ宗教間紛争
4.新しい情報環境に適応する国軍
5.スーチー政権の不寛容
6.おわりに
第7章 権威主義体制下のサイバー空間:タイ軍事政権による情報統制[外山文子]
1.はじめに
2.21世紀のタイ政治――大衆デモと2度のクーデター
3.ソーシャルメディアと政治的亀裂の深まり
4.プラユット暫定政権の登場と情報統制
5.ソーシャルメディアの取り締まり
6.ソーシャルメディアにおける市民の対応
7.情報統制とタイ民主化の未来
著者略歴
見市 建(ミイチ ケン miichi ken)
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授。博士(政治学)。インドネシア政治、比較政治学。主な著作に、“Urban Sufi and politics in contemporary Indonesia: the role of dhikr associations in the anti-‘Ahok’ rallies” (South East Asia Research 27(3), 2019)、『新興大国インドネシアにおける宗教市場と政治』(NTT出版、20l4年)などがある。
茅根 由佳(カヤネ ユカ kayane yuka)
筑波大学人文社会系助教。博士(地域研究)。インドネシア政治、比較政治学。主な著作に、“Understanding Sunni-Shi’a sectarianism in contemporary Indonesia: A different voice from Nahdlatul Ulama under pluralist leadership” (Indonesia and the Malay World, 2020)、「現代インドネシアにおけるシーア派排斥運動の台頭とその限界」(『アジア・アフリカ地域研究』第19-1号、2019年)、「現代インドネシアにおける宗教的少数派抑圧のメカニズム――マドゥラ島サンパン県のシーア派追放事件を手がかりに」(『イスラーム世界研究』第11巻、2018年)などがある。
タイトルヨミ
カナ:ソーシャルメディアジダイノトウナンアジアセイジ
ローマ字:soosharumediajidainotounanajiaseiji
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