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定価:3,960円(3,600円+税)
判型:A5
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内容紹介
日本の新学習指導要領の資質・能力の習得を重視した算数・数学教育において「21世紀型スキル」「汎用的能力」などのモデルで先行してきたアメリカ・オーストラリアと教科書内容を比較し、どのような類似点、相違点、追いつくための課題があるかを検証する。
目次
はじめに
第1章 教育制度・教育課程と教科書
1.1 日本
□教育課程
□教科書と教科書制度
1.2 アメリカ合衆国
□教育制度
□教育課程(カリキュラム)
□教科書と教科書制度
1.3 オーストラリア
□教育制度
□教育課程(カリキュラム)
□教科書と教科書制度
第2章 加法と減法
2.1 日本:問題場面の理解重視と数の合成分解に基づいた演算
□問題場面の理解を重視した学習
□数の合成分解に基づいた演算学習
□水道方式による加減法の計算
□テープ図を使った加法と減法の関係学習
□筆算の重視
2.2 アメリカ:意味の理解と暗算の重視
□問題場面について深く考えさせる工夫
□暗算のための様々な手法
□桁数の多い数の暗算
□ファクト・ファミリー
□かなり遅い筆算の導入
2.3 オーストラリア:計算力の重視
□問題場面については簡潔な取り扱い
□計算力向上のための各種手法の学習
□「数え主義」と「直観主義」の補完的導入
□「逆算」としての加法と減法の関係学習
□丁寧な筆算指導
コラム:数の概念形成における理論と論争
第3章 乗 法
3.1 日本:意味の重視-〈1つ分の数〉×〈いくつ分〉
□意味理解の徹底と「九九」の習熟
□「0」が入った乗法学習の工夫
□交換法則と分配法則
□筆算重視と早期の導入
コラム:日本の「九九」の表
3.2 アメリカ:日本とは逆の意味と暗算の重視
□日本とは逆の意味になる!
□「九九」に代わるユニークな手法
□桁数の多い数の乗法の暗算
□とても遅い筆算導入
3.3 オーストラリア:乗法は累加の言い換え
□乗法は累加を言い換えたもの!
□「九九」はないが、それぞれの段は徹底的に学習
□〈二位数〉×〈一位数〉の暗算手法
コラム:複数桁同士の乗法における格子法
□丁寧な乗法筆算の説明
第4章 除法
4.1 日本:問題場面と意味の重視、分割量と連続量の導入
□二種類の除法の意味
□分離量と連続量の導入
□余りのある除法
□数直線を使った乗法と除法の関係学習
□筆算の重視
4.2 アメリカ:除法は乗法の逆算
□あまり重視されていない除法の問題場面
□ファクト・ファミリー
□除法の暗算重視
□かなり遅い筆算導入
4.3 オーストラリア:「等しく分ける」という意味の除法と暗算重視
□「÷」の三つの意味
□除法と乗法との関係重視
□除法の暗算重視
□簡潔な筆算アルゴリズム
コラム:四則計算の記号の由来
コラム:世界の様々な除法筆算
第5章 0の学習
5.1 日本:「10」の学習後に「0」の導入
5.2 アメリカ:「10」まで学習した後に「0」の学習
5.3 オーストラリア:「5」まで学習した後に「0」の学習
第6章 分数
コラム:二つの文化圏―分数圏と小数圏
6 .1 日本:「分割分数」、「量分数」を経て「数としての分数」へ
□「分割分数」から「量分数」への移行の難しさ
□スムーズな「量分数」から「数としての分数」への移行
□分数の四則計算の導入学習は「量分数」で
□「分数・小数並行学習」の学習構造
6.2 アメリカ:「分割分数」から一気に「数としての分数」へ
□「分割分数」から「数としての分数」への移行とその問題
□「区画法」を使った通分学習
□「数え主義」による分数の加減法―「区画法」と「数直線法」
□「数え主義」による分数の乗除法―「区画法」と「数直線法」
□「分数先習・小数後習」の学習構造
6.3 オーストラリア:「分割分数」から時間をかけて「数としての分数」へ
□「数としての分数」への慎重な移行
□早い段階での「商分数」の導入
□「数え主義」に基づいた分数の加減法
□分数の乗法は除法あるいは累加で計算
□「分数先習」ではあるが、小数学習も考慮した学習構造
コラム:分数と小数の本質的差異
第7章 小数
7.1 日本:意味理解と計算方法の習得
□数直線を用いた意味の徹底理解
□筆算の重視とその明確なアルゴリズム
7.2 アメリカ:計算方法を中心とした学習
□小数は分数の特殊形
□小数の四則計算における様々な手法
7.3 オーストラリア:筆算での計算重視
□小数は分母が「100」や「10」の分数の殊特形
□筆算による小数の四則計算
□二つの小数点表記法
コラム:世界の小数点の表記
第8章 概数
8.1 日本:三つの目的をもった概数学習
8.2 アメリカ:「四捨五入」という具体的な操作の明示なし
8.3 オーストラリア:日本とは違う三つの目的をもった概数学習
コラム:桁区切りの表記
第9章 長さ、重さ、かさの単位(度量衡)の学習
9.1 日本:メートル法単位系とその仕組みの学習
□メートル法単位系の徹底理解
□量の大きさの実感を伴った学習
□かなり高度な単位換算
9.2 アメリカ:メートル法単位系と米国慣用単位の学習
□二つの異なる単位系の並行学習
□単位間の比率を図示
□分数で表される量の大きさ
9.3 オーストラリア:量の概念から表示方法までの丁寧な学習
□量の大きさについての概念学習から測定へ
□量の大きさを実感する学習
□極めて簡潔な単位換算
コラム:長さの単位「メートル」と質量の単位「キログラム」の歴史
第10章 時計の学習
10.1 日本:数直線の使用によって時刻を量に変換
□「時刻」から「時間」への明確な学習の流れ
□数直線を用いた「時刻」の「時間」への変換
10.2 アメリカ:理論的に破綻している学習内容と配列
□「時刻」と「時間」の学習の混在
□「時刻」のたし算とひき算!?
□遅すぎる時間の単位変換
□「分数圏」ならではの時間表示
10.3 オーストラリア:時計の針の動きによる「時間」の理解
□丁寧な時間の概念についての学習
□時計の針の動きを使った「時刻」から「時間」への変換
□「時刻」と「時間」が混在した高度な学習
□分数圏ならではの時刻・時間表示
第11章 統計と確率
11.1 日本:大きく改善された統計学習・不十分な確率学習
□統計的な問題解決能力の育成重視
□ドットプロットの早期導入
□ほとんど扱われない確率の学習
11.2 アメリカ:積極的に展開される統計学習・扱いのない確率学習
□低学年から開始される統計学習
□ドットプロットによる効果的な学習
11.3 オーストラリア:PPDACに則った高度な統計学習・充実した確率学習
□PPDACの実践を目指した系統的な統計学習
□データベースの作成と情報の読み取り
□誤解を招きやすい図表の学習
□系統的な確率学習
第12章 アメリカ・オーストラリアの特徴的な学習
12.1 お金の学習
□アメリカ:通貨の種類と支払いにおける組み合わせ方
□オーストラリア:通貨の理解と外国通貨への換算
12.2 カレンダーの学習
□アメリカ:一年の構成とカレンダーの見方
□オーストラリア:カレンダーの基本理解と数字を用いた応用
12.3 オーストラリアの地図の学習
□地図の導入学習
□方眼地図を使った位置の読み取り学習
□縮尺・方角が含まれた高度な学習
12.4 オーストラリアの計算機を活用した学習
□数のパターンを調べる学習
□演算能力を高める学習
12.5 オーストラリアの先住民の数学
おわりに
参考文献・資料
資料1 日本の算数教科書の内容
資料2 アメリカの算数教科書の内容
資料3 オーストラリアの算数教科書の内容
資料4 アメリカの算数・数学各州共通基礎スタンダード
資料5 オーストラリアの算数・数学ナショナル・カリキュラム
第1章 教育制度・教育課程と教科書
1.1 日本
□教育課程
□教科書と教科書制度
1.2 アメリカ合衆国
□教育制度
□教育課程(カリキュラム)
□教科書と教科書制度
1.3 オーストラリア
□教育制度
□教育課程(カリキュラム)
□教科書と教科書制度
第2章 加法と減法
2.1 日本:問題場面の理解重視と数の合成分解に基づいた演算
□問題場面の理解を重視した学習
□数の合成分解に基づいた演算学習
□水道方式による加減法の計算
□テープ図を使った加法と減法の関係学習
□筆算の重視
2.2 アメリカ:意味の理解と暗算の重視
□問題場面について深く考えさせる工夫
□暗算のための様々な手法
□桁数の多い数の暗算
□ファクト・ファミリー
□かなり遅い筆算の導入
2.3 オーストラリア:計算力の重視
□問題場面については簡潔な取り扱い
□計算力向上のための各種手法の学習
□「数え主義」と「直観主義」の補完的導入
□「逆算」としての加法と減法の関係学習
□丁寧な筆算指導
コラム:数の概念形成における理論と論争
第3章 乗 法
3.1 日本:意味の重視-〈1つ分の数〉×〈いくつ分〉
□意味理解の徹底と「九九」の習熟
□「0」が入った乗法学習の工夫
□交換法則と分配法則
□筆算重視と早期の導入
コラム:日本の「九九」の表
3.2 アメリカ:日本とは逆の意味と暗算の重視
□日本とは逆の意味になる!
□「九九」に代わるユニークな手法
□桁数の多い数の乗法の暗算
□とても遅い筆算導入
3.3 オーストラリア:乗法は累加の言い換え
□乗法は累加を言い換えたもの!
□「九九」はないが、それぞれの段は徹底的に学習
□〈二位数〉×〈一位数〉の暗算手法
コラム:複数桁同士の乗法における格子法
□丁寧な乗法筆算の説明
第4章 除法
4.1 日本:問題場面と意味の重視、分割量と連続量の導入
□二種類の除法の意味
□分離量と連続量の導入
□余りのある除法
□数直線を使った乗法と除法の関係学習
□筆算の重視
4.2 アメリカ:除法は乗法の逆算
□あまり重視されていない除法の問題場面
□ファクト・ファミリー
□除法の暗算重視
□かなり遅い筆算導入
4.3 オーストラリア:「等しく分ける」という意味の除法と暗算重視
□「÷」の三つの意味
□除法と乗法との関係重視
□除法の暗算重視
□簡潔な筆算アルゴリズム
コラム:四則計算の記号の由来
コラム:世界の様々な除法筆算
第5章 0の学習
5.1 日本:「10」の学習後に「0」の導入
5.2 アメリカ:「10」まで学習した後に「0」の学習
5.3 オーストラリア:「5」まで学習した後に「0」の学習
第6章 分数
コラム:二つの文化圏―分数圏と小数圏
6 .1 日本:「分割分数」、「量分数」を経て「数としての分数」へ
□「分割分数」から「量分数」への移行の難しさ
□スムーズな「量分数」から「数としての分数」への移行
□分数の四則計算の導入学習は「量分数」で
□「分数・小数並行学習」の学習構造
6.2 アメリカ:「分割分数」から一気に「数としての分数」へ
□「分割分数」から「数としての分数」への移行とその問題
□「区画法」を使った通分学習
□「数え主義」による分数の加減法―「区画法」と「数直線法」
□「数え主義」による分数の乗除法―「区画法」と「数直線法」
□「分数先習・小数後習」の学習構造
6.3 オーストラリア:「分割分数」から時間をかけて「数としての分数」へ
□「数としての分数」への慎重な移行
□早い段階での「商分数」の導入
□「数え主義」に基づいた分数の加減法
□分数の乗法は除法あるいは累加で計算
□「分数先習」ではあるが、小数学習も考慮した学習構造
コラム:分数と小数の本質的差異
第7章 小数
7.1 日本:意味理解と計算方法の習得
□数直線を用いた意味の徹底理解
□筆算の重視とその明確なアルゴリズム
7.2 アメリカ:計算方法を中心とした学習
□小数は分数の特殊形
□小数の四則計算における様々な手法
7.3 オーストラリア:筆算での計算重視
□小数は分母が「100」や「10」の分数の殊特形
□筆算による小数の四則計算
□二つの小数点表記法
コラム:世界の小数点の表記
第8章 概数
8.1 日本:三つの目的をもった概数学習
8.2 アメリカ:「四捨五入」という具体的な操作の明示なし
8.3 オーストラリア:日本とは違う三つの目的をもった概数学習
コラム:桁区切りの表記
第9章 長さ、重さ、かさの単位(度量衡)の学習
9.1 日本:メートル法単位系とその仕組みの学習
□メートル法単位系の徹底理解
□量の大きさの実感を伴った学習
□かなり高度な単位換算
9.2 アメリカ:メートル法単位系と米国慣用単位の学習
□二つの異なる単位系の並行学習
□単位間の比率を図示
□分数で表される量の大きさ
9.3 オーストラリア:量の概念から表示方法までの丁寧な学習
□量の大きさについての概念学習から測定へ
□量の大きさを実感する学習
□極めて簡潔な単位換算
コラム:長さの単位「メートル」と質量の単位「キログラム」の歴史
第10章 時計の学習
10.1 日本:数直線の使用によって時刻を量に変換
□「時刻」から「時間」への明確な学習の流れ
□数直線を用いた「時刻」の「時間」への変換
10.2 アメリカ:理論的に破綻している学習内容と配列
□「時刻」と「時間」の学習の混在
□「時刻」のたし算とひき算!?
□遅すぎる時間の単位変換
□「分数圏」ならではの時間表示
10.3 オーストラリア:時計の針の動きによる「時間」の理解
□丁寧な時間の概念についての学習
□時計の針の動きを使った「時刻」から「時間」への変換
□「時刻」と「時間」が混在した高度な学習
□分数圏ならではの時刻・時間表示
第11章 統計と確率
11.1 日本:大きく改善された統計学習・不十分な確率学習
□統計的な問題解決能力の育成重視
□ドットプロットの早期導入
□ほとんど扱われない確率の学習
11.2 アメリカ:積極的に展開される統計学習・扱いのない確率学習
□低学年から開始される統計学習
□ドットプロットによる効果的な学習
11.3 オーストラリア:PPDACに則った高度な統計学習・充実した確率学習
□PPDACの実践を目指した系統的な統計学習
□データベースの作成と情報の読み取り
□誤解を招きやすい図表の学習
□系統的な確率学習
第12章 アメリカ・オーストラリアの特徴的な学習
12.1 お金の学習
□アメリカ:通貨の種類と支払いにおける組み合わせ方
□オーストラリア:通貨の理解と外国通貨への換算
12.2 カレンダーの学習
□アメリカ:一年の構成とカレンダーの見方
□オーストラリア:カレンダーの基本理解と数字を用いた応用
12.3 オーストラリアの地図の学習
□地図の導入学習
□方眼地図を使った位置の読み取り学習
□縮尺・方角が含まれた高度な学習
12.4 オーストラリアの計算機を活用した学習
□数のパターンを調べる学習
□演算能力を高める学習
12.5 オーストラリアの先住民の数学
おわりに
参考文献・資料
資料1 日本の算数教科書の内容
資料2 アメリカの算数教科書の内容
資料3 オーストラリアの算数教科書の内容
資料4 アメリカの算数・数学各州共通基礎スタンダード
資料5 オーストラリアの算数・数学ナショナル・カリキュラム
著者略歴
田中 義隆(タナカ ヨシタカ tanaka yoshitaka)
1964年京都府京都市生まれ。滋賀大学経済学部卒業。モントレー・インスティテュート・オブ・インターナショナル・スタディーズ(米国カリフォルニア州)国際行政学修士課程修了。香川県の公立高等学校での社会科教諭、青年海外協力隊(JOCV)として中華人民共和国の北京での日本語教師、国際連合ニューヨーク本部でのインターンなどを経て、現在、株式会社国際開発センター(IDCJ)主任研究員。専門は教育開発(カリキュラム開発・教育方法論、社会科教育法、数学教育法)。
これまで日本政府による政府開発援助(ODA)の一環として、中国、モンゴル、タイ、ラオス、ミャンマー、べトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ネパール、スリランカなどのアジア諸国、及びパプアニューギニア、ソロモン諸島などの大洋州諸国での教育開発業務に従事。また、欧米諸国やオーストラリア、ニュージーランドなど先進諸国での教育調査も行う。
現在、ミャンマー及びスリランカの二カ国において、それぞれの教育省をカウンターパートとして教育改革の支援を行っている。
主な著書として、『ベトナムの教育改革』、『インドネシアの教育』、『21世紀型スキルと諸外国の教育実践』、『ミャンマーの歴史教育』、『ミャンマーの教育』、『こんなに違う!アジアの算数・数学教育』(以上、明石書店)、「Education of Myanmar-Break Away from Military Era Transitions and Make Democratic and Dynamic Changes (Global Education Systems, Handbook of Education Systems in South Asia)」(Springer)、『カリキュラム開発の基礎理論』(国際開発センター)などがある。日本教育学会会員。
タイトルヨミ
カナ:ニジュウイッセイキガタスキルヲノバスサンスウキョウイク
ローマ字:nijuuisseikigatasukiruonobasusansuukyouiku
※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。
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