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2021年3月29日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

国際理解教育を問い直す

現代的課題への15のアプローチ
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内容紹介
日本国際理解教育学会30年の研究成果を踏まえつつ、理論と実践をメタ的に振り返る。原点への問いなおしからカリキュラムや授業デザインなどの実践的課題、そして多文化教育、シティズンシップ教育などの現代的課題まで、根源的な問いを立て、課題に応える。
目次
 まえがき

序章 本書へのオリエンテーション[藤原孝章]
 1.経緯とねらい
 2.本書の構成と特色
 3.問い直すということ――新型コロナ(COVID-19)を超えて
 おわりに

第1部 国際理解教育の原点を問い直す

第1章 国際とグローバルはどうちがうか[藤原孝章]
 1.なぜこの課題を問い直すのか
 2.学会創設時の研究と関心
 3.国民国家と国際化――国際とグローバル
 4.世界情勢と日本の立場――日本の自己認識
 5.日本の教育の国際化
 6.国際理解教育におけるナショナルな語りとグローバルな語り
 7.問いへの応答と残された課題

第2章 ユネスコの教育勧告をどう受けとめるか[嶺井明子・菊地かおり]
 1.なぜこの課題を問い直すのか
 2.ユネスコという機関をどう受けとめるか
 3.1974年勧告制定の経緯・争点
 4.1974年勧告に対する日本政府の対応
 5.1974年勧告の改訂論議
 6.日本のユネスコ政策の転換――ESDを軸とした政策の推進
 7.ユネスコによる1974年勧告とSDGs4.7との接続の試み
 8.問いへの応答と残された課題

第3章 国際理解教育はどのように実践・研究されてきたか[津山直樹・成田喜一郎]
 1.なぜ、国際理解教育の研究の歩みを問い直すのか――実践と理論との乖離
 2.この研究の歩みをどのように問い直すのか――分析の視点と方法
 3.国際理解教育の研究史をいかに俯瞰するか――新たな方法の選択
 4.国際理解教育の実践研究の変遷――実践記録・実践報告・実践研究を中心に
 5.これからの国際理解教育の研究史生成の可能性
 6.問いへの応答と残された課題

第4章 国際理解教育は理解ありきでよいか――文化理解から問題解決へ[大山正博]
 1.なぜこの課題を問い直すのか
 2.静的・固定的な文化理解の弊害
 3.問題解決の前提としての動的・変容的な文化理解
 4.共創型対話と問題解決
 5.共創型対話による問題解決の展開――「国家」が相対化されるコミュニケーション
 6.国際理解教育における問題解決型学習の展望
 7.問いへの応答と残された課題

 コラム1 民際交流をとおした相互理解の拡大――韓国から見た日本国際理解教育学会の30年[姜淳媛(訳:金仙美)]

第2部 国際理解教育の授業実践、学びを問い直す

第5章 国際理解教育は学習指導要領にどう応答してきたのか[石森広美・松尾知明]
 1.なぜこの課題を問い直すのか
 2.学習指導要領の変遷と国際理解教育の位置づけ
 3.学習指導要領(1998・1999年改訂)における「生きる力」と「総合的な学習の時間」の創設
 4.学習指導要領(1998・1999年改訂)後の国際理解教育の実践の変化
 5.新学習指導要領(2018・2019年改訂)と資質能力の育成
 6.問いへの応答と残された課題

第6章 国際理解教育のカリキュラムマネジメントはどうあるべきか[吉村雅仁]
 1.なぜこの課題を問い直すのか
 2.カリキュラムマネジメントとは
 3.学校での国際理解教育におけるカリキュラムの捉え方
 4.国際理解教育におけるカリキュラムマネジメントのあり方
 5.国際理解教育実践におけるカリキュラムマネジメントの事例
 6.問いへの応答と残された課題

第7章 教師の経験、問題意識、子どもの状況から国際理解教育の授業をどうデザインするか[中山京子]
 1.なぜこの課題を問い直すのか
 2.授業デザインのあり方
 3.教師/指導者の経験や問題意識からデザインする授業
 4.児童生徒を取り巻く状況からデザインする授業
 5.児童生徒の認識、願いや求めからデザインする授業
 6.問いへの応答と残された課題

第8章 地域、博物館、NPOなどと連携した国際理解教育の授業をどうデザインするか[原瑞穂]
 1.なぜこの課題を問い直すのか
 2.家庭との連携による授業
 3.大学との連携による授業
 4.非営利機関および海外教育機関との連携による授業
 5.博物館と学校と学会との連携による授業
 6.問いへの応答と残された課題

第9章 スタディツアー・フィールドワークから国際理解教育の授業をどうデザインするか[風巻浩]
 1.なぜこの課題を問い直すのか
 2.スタディツアー史①:黎明期(1950~60年代)のエキュメニカル・ワークキャンプ
 3.スタディツアー史②:高校生も参加する一般化の時代(1970~1990年代)
 4.スタディツアー史③:プログラム開発、相互性、変容への関心(2000年代~)
 5.問いへの応答と残された課題

第10章 地域における国際理解教育の実践をどうデザインするか[山西優二・南雲勇多]
 1.なぜこの課題を問い直すのか
 2.これまでの地域における国際理解教育の実践・研究
 3.地域における多様な実践のデザインに向けての要点
 4.問いへの応答と残された課題

 コラム2 中国からみる日本の国際理解教育[姜英敏]

第3部 国際理解教育の現代的課題に応える

第11章 多文化教育としての国際理解教育の授業はどうあるべきか[森茂岳雄・太田満]
 1.なぜこの課題を問い直すか
 2.多文化教育としての国際理解教育に関する学会の研究成果
 3.分析枠組
 4.多文化教育としての国際理解教育実践
 5.国際理解教育実践としての移民学習
 6.問いへの応答と残された課題

第12章 シティズンシップ教育としての国際理解教育の授業はどうあるべきか[橋崎頼子・川口広美]
 1.なぜこの課題を問い直すのか
 2.シティズンシップ教育に関する理念研究の特徴
 3.シティズンシップ教育に関する実践研究の特徴
 4.問いへの応答と残された課題

第13章 SDGs時代の国際理解教育の授業はどうあるべきか[松倉紗野香]
 1.なぜこの課題を問い直すのか
 2.SDGs時代とは
 3.国際理解教育の授業の変遷
 4.SDGs時代における「教育」とは
 5.「生徒の意識変容」に着目した授業実践
 6.問いへの応答と残された課題

第14章 ユネスコの提起する現代的課題に国際理解教育はどう応えるか[曽我幸代・永田佳之]
 1.なぜこの課題を問い直すのか
 2.近年のユネスコ会議から
 3.総合的な学習の時間の実際
 4.ESDの意義
 5.変容をもたらす教育とホールスクール・アプローチ
 6.問いへの応答と残された課題

第15章 日韓中共同プロジェクトが提起する課題に国際理解教育はどう応えるか[釜田聡]
 1.なぜこの課題を問い直すのか
 2.本学会の創設期における韓国・中国への眼差し
 3.日本国際理解教育学会と韓国国際理解教育学会との交流
 4.日本国際理解教育学会と北京師範大学比較教育センターとの交流
 5.三カ国科研
 6.「異己」プロジェクト
 7.問いへの応答と残された課題

 付録1 紀要『国際理解教育』掲載論文一覧
 付録2 年表:日本国際理解教育学会の研究活動の歩み

 あとがき
 執筆者一覧
 索引
著者略歴
日本国際理解教育学会(ニホンコクサイリカイキョウイクガッカイ nihonkokusairikaikyouikugakkai)
 日本国際理解教育学会は、「国際理解教育の研究と教育実践にたずさわる者が、研究と実践を通じて、国際理解教育を推進し、その発展に寄与することを目的」(学会規約第2条)に、1991年1月に設立された。年一回の研究大会の開催、学会紀要『国際理解教育』の刊行をはじめ、各種研究・実践集会の開催、研究成果の出版及び社会連携事業、海外の学会や研究機関との交流など、国際理解教育の充実と発展をめざした研究・実践活動を展開している。 【学会関連出版物】 『国際理解教育』(学会紀要、明石書店、年刊) 『学校と博物館でつくる国際理解教育――新しい学びをデザインする』(明石書店、2009年) 『グローバル時代の国際理解教育――実践と理論をつなぐ』(明石書店、2010年) 『現代国際理解教育事典』(明石書店、2012年) 『日韓中でつくる国際理解教育』(明石書店、2014年) 『国際理解教育ハンドブック――グローバル・シティズンシップを育む』(明石書店、2015年) Website http://www.kokusairikai.com Facebook 日本国際理解教育学会
石森 広美(イシモリ ヒロミ ishimori hiromi)
宮城県仙台二華高等学校教諭、東北学院大学・宮城教育大学非常勤講師。専門:国際理解教育、グローバルシティズンシップ教育、比較・国際教育。『「生きる力」を育むグローバル教育の実践――生徒の心に響く主体的・対話的で深い学び』(単著、明石書店、2019年)、『グローバル教育の授業設計とアセスメント』(単著、学事出版、2013年)、『これからの学校教育を担う教師を目指す』(共著、学事出版、2016年)、『国際理解教育ハンドブック』(共著、明石書店、2015年)、『現代国際理解教育事典』(共著、明石書店、2012年)、『グローバル時代の国際理解教育』(共著、明石書店、2010年)、『シンガポール都市論』(共著、勉誠出版、2009年)
釜田 聡(カマダ サトシ kamada satoshi)
上越教育大学大学院学校教育研究科教授/兼務:兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科教授。専門:総合学習、国際理解教育、社会科教育、教師教育。『学校教育の「理論知」と「実践知」』(共著、2008年、教育開発研究所)、『日本とドイツの教師教育改革――未来のための教師をどう育てるか』(共著、東信堂、2010年)、『日韓で考える歴史教育』(共著、明石書店、2010年)、『グローバル時代の学校教育』(共著、三恵社、2013年)、『地域で進められる新しいカリキュラムの創造について』(共著、日本学校教育学会編『学校教育研究』31、60-72、2016年)、『上越発「総合学習」のあゆみと展開』(共編著、三恵社、2020年)
桐谷 正信(キリタニ マサノブ kiritani masanobu)
埼玉大学教育学部教授。専門:社会科教育、多文化教育、シティズンシップ教育。『アメリカにおける多文化的歴史カリキュラム』(単著、東信堂、2012年)、『社会を創る市民の教育――協働によるシティズンシップ教育の実践』(共編著、東信堂、2016年)、『「公民的資質」とは何か――社会科の過去・現在・未来を探る』(共著、東洋館出版社、2016年)、「グローバル社会における多文化的社会科教育」(単著、『社会科教育研究』No.134、2018年)、『社会科における多文化教育――多様性・社会正義・公正を学ぶ』(共編著、明石書店、2019年)
永田 佳之(ナガタ ヨシユキ nagata yoshiyuki)
聖心女子大学現代教養学部教授/グローバル共生研究所副所長。専門:国際理解教育、ESD、比較教育学。『新たな時代のESDサスティナブルな学校を創ろう――世界のホールスクールから学ぶ』(共著、明石書店、2017年)、『気候変動の時代を生きる――持続可能な未来へ導く教育フロンティア』(共著、山川出版社、2019年)、『変容する世界と日本のオルタナティブ教育――生を優先する多様性の方へ』(共著、世織書房、2019年)『ハーモニーの教育――ポスト・コロナ時代における世界の新たな見方と学び方』(監修・監訳、山川出版社、2020年)。
中山 京子(ナカヤマ キョウコ nakayama kyouko)
帝京大学教育学部教授。専門:国際理解教育、社会科教育、多文化教育。『先住民学習とポストコロニアル人類学』(単著、御茶の水書房、2012年)、『グアム・チャモロダンスの挑戦――失われた伝統・文化を再創造する』(単著、明石書店、2018年)、『せかいの図鑑』(監修、小学館、2016年)、『チャレンジ!多文化体験ワークブック――国際理解と多文化共生のために』(共編著、ナカニシヤ出版、2019年)、『「人種」「民族」をどう教えるか――創られた概念の解体をめざして」(共編著、明石書店、2020年)
藤原 孝章(フジワラ タカアキ fujiwara takaaki)
同志社女子大学現代社会学部特任教授。専門:国際理解教育、社会科教育、シティズンシップ教育、グローバル教育。『グローバル教育の内容編成に関する研究』(単著、風間書房、2016年)、『大学における海外体験学習への挑戦』(共編著、ナカニシヤ書店、2017年)、『18歳成人社会ハンドブック――制度改革と教育の課題』(共著、明石書店、2018年)、『教師と人権教育――公正、多様性、グローバルな連帯のために』(共監訳、明石書店、2018年)、『SDGsカリキュラムの創造――ESDから広がる持続可能な未来』(共編著、学文社、2019年)
森田 真樹(モリタ マサキ morita masaki)
立命館大学大学院教職研究科教授。専門:国際理解教育、社会科教育、教師教育。『新しい教職教育講座 教職教育編8 総合的な学習の時間』(共編著、ミネルヴァ書房、2019年)、「米国社会科教育におけるグローバル教育の展開と課題」(単著、全国社会科教育学会編『社会科教育論叢』50、71-80、2017年)、「現代における国際教育の課題と教育実践の視座――グローバル・シティズンシップの育成という視点を含んで」(単著、立命館大学教職教育推進機構編『立命館教職教育研究』(特別号)、121-131、2016年)
森茂 岳雄(モリモ タケオ morimo takeo)
中央大学文学部教授。専門:国際理解教育、多文化教育、社会科教育、カリキュラム研究。『学校と博物館でつくる国際理解教育――新しい学びをデザインする』(共編著、明石書店、2009年)、『真珠湾を語る――歴史・記憶・教育』(共編著、東京大学出版会、2011年)、『公共人類学』(共著、東京大学出版会、2014年)、『日本人と海外移住――移民の歴史・現状・展望』(共編著、明石書店、2018年)、『社会科における多文化教育――多様性・社会正義・公正を学ぶ』(共編著、明石書店、2019年)、『「人種」「民族」をどう教えるか――創られた概念の解体をめざして』(共編著、明石書店、2020年)
タイトルヨミ
カナ:コクサイリカイキョウイクヲトイナオス
ローマ字:kokusairikaikyouikuotoinaosu

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